つぶやき物語【追跡1~追跡10】のまとめ(冒頭に中書き①追記)

【追跡11】~は、4/1(月)スタート(o^-^)b ※物語の最初fからお読みの方は【中書き①】を、途中から読まれた方はまとめも併せて、ご一読頂けると大変嬉しいです。
【中書き①】
私の携帯を受け取った女性とは、2度に渡り電話で話す事が出来たので、当初は私も安心しきっていました。
しかし、女性従業員からその際の対応についての説明を聞いて、余りにも無責任でいい加減な対応に愕然とします。
ただその反面、私が携帯を忘れさえしなければ、発生しなかった事件と考えると、一番悪いのは私であると猛省。
その報いとして私の年末年始は、地域統括の責任者、携帯会社、警察署との連絡に、明け暮れる日々となるのでした。
【追跡11】へ続く。
~・~・~
【前書き】
残すところ後3日という昨年末、私の不注意により不本意ながらも、この物語は走り出しました。
仕事納めを前日に済ませた解放感と、久し振りの外食に浮かれていたのだと思います。
手元に会社のスマホは有るものの、個人的な情報は無くした携帯電話にしか残っていない事実に、気付けば想像以上の窮地。
目の悪い私はアラームやスケジュールの管理は勿論、年末年始に家族や知人へ電話やメールの出来ない、正に『ぼっち状態』に追い込まれました。

追跡1【師走に幕開け】
年末に遠方から親戚が訪ねて来たので、近所のファミレスへ行った。
食事後に帰宅した時、携帯電話が無い事に気付き狼狽するも、社用スマホの存在に一安心。
急ぎ携帯の番号へ発信すると、女性の声が聞こえて安堵したのも束の間、これから始まる捜索劇開始のゴングが鳴った。

追跡2【呑気な迷探偵】
電話の向こうの女性へ、私の携帯である事と拾ってくれたお礼を伝えた。
続けて居場所を尋ねると店内に居るとの返答に、今から取りに行くので渡して欲しいと伝え、電話を切る。
きっとテーブルに置き忘れた後、次に来た人が見つけたのだと想像したが、全く見当違いの展開へ。

追跡3【拾得された事実を確認】
私は店へ到着し、入口で辺りをキョロキョロと見回すが、誰も駆け寄っては来ない。
ようやく出て来た女性従業員へ携帯を落とした事を伝えると、「紺色の携帯ですか?」との質問に、私は大きく頷いた。
しかし彼女の次の言葉に私は耳を疑い、思わず声を出してしまう。

追跡4【人違いのすれ違い】
「自分の携帯との事でお渡ししました」との言葉に、「私の携帯です」と語気が強まる。
本人確認の有無について畳み掛けて問うと、驚愕の未確認。
女性の行方を訊くと、少し前に店を出て行ったと聞いた瞬間、頭の中に「君の名は~♬」と古いTVドラマの主題歌が流れた。

追跡5【彼女の足取り】
私は我に返り携帯の番号へ数回掛けると、「はい」と意表を突いて女性の声が聞こえる。
私は丁寧に居場所を尋ねると、「〇〇駅に居ます」との答えに、携帯を返して欲しい意向を再び伝えた。
「ではお店まで持って行きます」と台詞を残したが、最後に聞いた彼女の声となる。


追跡6【願えども梨の礫】 〇140〇
携帯を渡した従業員の言によると、その女性はかつて常連客、最近は平日たまに来る程度。
更に知的障害者と思われるとの分析に、向かいの病院への通院の可能性も推理する。
私は所用が有り、返却に来た際の対応を頼み退店したが、彼女の来訪は実現しなかった。

追跡7【愛しき参謀】
帰すると盧間もなくく、スマホへ着信が有り、地域を統括する責任者を名乗る男性から。
彼は今回起こした店側の不手際を深く詫びてから、解決に向けて私の世話役を申し出る。
お陰で一人寂しく過ごす筈の年末年始を、恋人同士の睦言の如く、彼とは毎日熱く語り合う仲となった。

追跡8【先入観は大怪我の基】
取り急ぎ携帯会社へ連絡した私は、回線停止の依頼と位置情報の入手可否について確認する。
当日の担当者は「この機種は対応していません」と、つれない返答。
「ガラホだから仕方無いか」と信じてしまったが、この判断がその後の捜索への障壁となって立ちはだかった。

追跡9【迂闊な振る舞いの代償】
保守契約をしていた事を思い出した私は、万が一の際の補償について問い合わせる。
すると盗難や紛失の際は、少ない自己負担で新しい電話を自宅へ送付との説明を受けた。
ただ前提として警察への届けが必要と知り、自分の不注意が招いたとは言え、面倒が纏わり付く。

追跡10【悪人にはせぬとの思い】
管轄の警察署へ電話して事情を話すと、遺失届は電話でも受け付け可能らしい。
ただ、被害届は近くの交番まで行く必要が有ると言われ、その違いを尋ねた。
すると「被害届は相手を訴えたい場合に出すもの」との説明に、そこまではしたくない私は遺失届を選択した。

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