嬉しいできごと

職業柄、守秘義務があるから詳しくは書けないけど…

昨日、とある利用者さんの病院受診に同行した。
彼女はまだ若いのに、ステージIVの乳がんを患っている。
最初に見つかったのは、彼女が精神病院に入院している時だった。
すぐに私の住む地域では一番大きな病院に検査に行き、がんの進行状況を
伝えられた。

彼女が私がいる施設に入所してきた頃は、盛大なかまってちゃんだった。
そして、自分が気に入らないと暴れ出す子だった。
人を思いやることを知らない子。
それは彼女の生い立ちに関係してくるのだが、それは言えない話。

入所してから何度も面接をし、何度も注意をしてきた。
なかなか改善せずに、入退院を繰り返し時間が過ぎていった。
正直、諦めようかと何度も思った。
そのほうが楽じゃんって、自分に言い聞かせもした。
けど、持って生まれた世話好きの性分は、その子を放置することができなかった。

そして見つかった乳がん。
積極的な治療は無理と診断された。
きっと彼女は荒れるに違いない。
そう思っていた。

けど、その日を境に彼女は大きく変わった。
自分の欲求を飲み込む術を覚え、人を労わるようになった。
それだけでも私は嬉しかった。
皮肉にも病気をしたおかげなんだろうけど、その子の成長が嬉しかった。

そして昨日、がんが少しだけ小さくなっていると言われた。
もはや奇跡としか言いようがない。
嬉しくてスキップしそうな自分を抑えるのに必死。

よかったね。がんばった甲斐があったね。
もっともっと楽しいって思える時間を作ろうね。

あ、泣きそ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?