お誕生日に寄せて

はじめに
樋口豊さんお誕生日おめでとうございます。
(以下、ゆうた)

私は自分の感情を言語化することが苦手だ。
とても感覚的なものであって、情景や温度感で表現することはできても明確な『言語』として語ることは非常に難しいと感じている。
普段であれば、所謂推しの誕生日なんかも軽くおめでとうと言って好物やケーキを買って来たりして祝う程度で済ませてしまう。

しかし、今回はそういうわけにはいかない。
溢れるものがあって私はキーボードを打つことにした。

私は30代の人間である。
オタクである私はアニメのEDであった「蜉蝣」で存在自体は認知していた。
とてもカッコよく、そして素敵な歌声だと感じた記憶はある。
しかし、当時の私はまだ学生でお金がなく、また、自分でCDを買って聴くという習慣が無くカッコイイと感じたまま素通りしてしまっていた。
そんな私がBUCK-TICKと出逢ったのはちょうど20歳の頃。
バイト先の先輩に勧められて「くちづけ」のMVを観た。先輩は櫻井敦司さん(以下、あっちゃん)の美貌を推していた。
「くちづけ」自体はこれもアニメのOPとして知っていて、ダークでアニメ自体にとてもマッチしていて素敵な曲だと思っていた。
初めて観たMVは、先輩の言うようにあっちゃんの美貌が凄まじかった。こんなにかっこよく麗しく、そしてオーラを放つ男性が、おじ様がいるのかと。まさに『魔王様』だと思った。曲だけでなくボーカル自体がアニメの中から出てきたようではないかと。
グルグルと廻っていく映像、そこにあっちゃんがいる。独特な雰囲気のこのMVの意味、演出、そういったものを汲み取りたくて改めて曲を聴きこみ繰り返し観て「くちづけ」の、BUCK-TICKのカッコよさの虜になっていった。

「くちづけ」「月下麗人」「蜉蝣」、他にはどんな曲があるのだろう……

幸いにも動画サイトのある時代。
公式非公式問わず探せば簡単に辿り着くことができた。
(現在はジャンルを問わず公式のものを観るようにしている)
誰かの作った作業用3時間近くあるBUCK-TICK曲集を何度も繰り返し聴いて、年代やアルバムの順番という垣根を越えて好きな曲を見つけていった。

気がつくと、あっちゃんの美貌や歌声から好きになっていたBUCK-TICKが、今井寿さん(以下、今井さん)の非凡なるセンスと音楽性に惹かれていた。
ここまでであれば私は今井さんファンになっていたのだろう。

ニコニコ動画で過去のライブ映像の公式配信があった。
初めて観たLIVE映像が「THE DAY IN QUESTION 2011」
美しいあっちゃん、水色の印象的な衣装の今井さん。二人ばかりを見ていた。
……が、ここでゆうたのはじけるような笑顔に堕ちた。
横揺れで楽しそうに笑顔で曲にノり、かと思えばとても真剣でキリっとした表情で微動だにせずリズムを刻む。
このLIVEは実際に現地に行ったわけではないのに自分にとって大切なLIVEの一つとなっている。
これがきっかけでLIVEというものに行きたいと思うようになったのだ。
それまで好きなバンドや曲があってもLIVEには行ったことがなかった。一人は少し怖い気もしたが、そこで尻込みしては好きなものに出逢えないのだと勢いに任せて初めて行ったのが「BUCK-TICK FEST2012 ON PARADE」
今思えばかなり無茶な動き方と距離の詰め方をしていたし、若いからこそできたフットワークの軽さだろう。

若いからこその金欠や、仕事ばかりで体調を崩してしまったりがあったが、私のBUCK-TICKと言うPARADEは今も続いている。

音楽に限らず、物事には『出逢うタイミング』というものが存在していると思う。
それが偶々私は20歳の時だった。
自分が生まれる前から存在し続けているバンドに大人になってからハマるということはそう簡単には起きないだろうと私は思っている。
BUCK-TICKという世界は、『今その時』だけでなく過去の自分でさえも掬い上げて音楽という水槽に入れてくれる。そしてそこでファンが各々世界に浸り揺蕩う。

あっちゃんの歌声
今井さんのセンス
星野英彦さんの優しさ
ヤガミ・トールさんの職人的ビート
ゆうたのはじける笑顔

誰のファンであっても
箱推しであっても。

BUCK-TICKというPARADEに
ファンという観客が参加して一緒に歩いていく

そして私は今後もBUCK-TICKという世界で揺蕩うために
ゆうたの笑顔を見つめるためにPARADEと共にいく
『5人』を感じるために。

ゆうたへ
愛を込めて
お誕生日おめでとうございます!

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