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サラブレッド系統分類① ナスルーラ系

2023/01/28
こんにちは、mokomoko競馬です。
 今後やろうと思っているサラブレッドの系統に関する記事を書く前に、私が使用しているサラブレッドの父系による系統分類について触れておかなければならないと思ったので図鑑のような感じで載せておきます。

四大系統について

 まず、サラブレッドを系統で分けるときに有名なものが三大始祖というものです。これは現存するサラブレッドの父系を遡ると必ずこの3頭のいずれかに行き当たるというものです。しかし、三大始祖のうちダーレーアラビアンが圧倒的なシェアを見せて、21世紀に入るとダーレーアラビアン以外の始祖を持つ馬をみることは稀になったので現在は分類として機能していません。
 そこでダーレーアラビアンを現在のサラブレッドに合わせてさらに分類すると『ナスルーラ』『ロイヤルチャージャー』『ノーザンダンサー(ニアークティック)』『ミスタープロスペクター』の4種類と一部の別の種類に分けることができます。この4種類を四大系統としています。

 馬の名前が系統を表していて非常にややこしいので『』を大系統、《》を中系統、【】を小系統とし、単一の馬を指す場合は〈〉で表すようにしています。

ナスルーラ系

 まずは四大系統の中で最も古い『ナスルーラ』から見ていきましょう。この系統は米国で主に発展していて、一時期は欧州でも活躍しましたが衰退し、逆に米国でも他系統に追いやられ、やや規模は縮小しています。しかし一部の系統はまだ勢いがあります。日本では芝での影響力は低いと思われますが、ダートでは《ボールドルーラー》がかなり影響力があると思います。現在の繋がっている主な派閥は《グレイソヴリン》《プリンズリーギフト》《ボールドルーラー》《ブラッシンググルーム》です。あとはほぼ絶滅に近いですが有名な《ネヴァーベンド》も一応紹介します。

ナスルーラ系

グレイソヴリン

 現在の『ナスルーラ』系二大勢力の一角で【カロ】を経由した勢力が米国で一定の力を持っています。
 日本では種牡馬〈トニービン〉の派閥である【ゼダーン】が有名ですが、日本でも衰退気味で今後残るかは微妙です。

プリンズリーギフト

 日本では【テスコボーイ】を経た系統が繫栄し、〈サクラバクシンオー〉の子孫が今でも細々と続いていますが、他国での情報をあまり見かけないので現在残っているのはこのラインのみの可能性が高いです。

ボールドルーラー

 かつて〈セクレタリアト〉、〈スペクタキュラービット〉、〈シアトルスルー〉といった米国の歴史に残る馬を生み出し、2022年に〈フライトライン〉を生み出した米国伝統の系統で、現在最も勢いのある『ナスルーラ』の勢力です。
 この系統は分類が難しいですが、マイナーな派閥がほぼ淘汰されたので【エーピーインディ】とさらにそこから派生された【プルピッド】に分類しています。現在は【プルピッド】の子の〈タピッド〉の影響力が強いので将来的にはそちらを系統名に使うかもしれません。
 日本では【エーピーインディ】の〈シニスターミニスター〉と〈マジェスティックウォリアー〉、【プルピッド】を経由する〈パイロ〉の産駒などがダート界を賑わしています。

ブラッシンググルーム

 『ナスルーラ』系では珍しく欧州の芝で結果を残していましたが、21世紀に入り、『ノーザンダンサー』系の馬に追いやられてしまったので衰退気味です。
 【ナシュワン】は凱旋門賞を勝利した〈バゴ〉を輩出し、日本でも〈クロノジェネシス〉などでおなじみの派閥です。
 【ラーイ】は日本でも〈ルアーヴル〉の産駒を見たことがありますが、かなり衰退気味だと考えられます。
 あとは南アメリカで成功を収めた種牡馬【キャンディストライプス】の派閥も残っています。

ネヴァーベンド

 かつては【ミルリーフ】が発展し、日本でも〈ミホノブルボン〉などがいましたが、現在は世界的に衰退し、ほとんど見かけることがなくなりました。

まとめ&感想

 この系統は種牡馬としてやや安定感に欠ける馬が多いので、世界中で大繁栄とまではいきませんでした。安定感のある『ノーザンダンサー』『ミスタープロスペクター』に追いやられ衰退した派閥も多いです。一方でフライトラインのような怪物が現れることもあるので大物が出たときのロマンはすごいですね。〈タピッド〉に続き〈フライトライン〉が『ナスルーラ』を再び繁栄させることができるか注目ですね。
 次回は日本でもおなじみ『ロイヤルチャージャー』系を紹介します。


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