サラブレッド最強列伝 1:G1着差ランキング
2023/12/05時点
こんにちは、mokomoko競馬です。
今回はサラブレッド最強列伝ということで、これまでのような世代比較ではなく、個々の馬に焦点を当てた企画をやっていきたいと思います。
サラブレッドの強さといってもG1の勝利数、相手関係、活躍時期の長さ、勝利時の着差、距離やコースといった適性範囲と様々な指標があります。今回はその中から「着差」に注目し、G1勝利時の着差の合計をランキング形式で紹介していきます。
ルール説明
G1で1着馬が2着につけた着差の合計を計算してランキング形式で紹介します。
注
クビ差 = 1/3
アタマ差 = 1/6
ハナ差 = 1/12
同着 = 0
として扱います
対象
対象馬:1980年(ミスターシービー世代)以降に産まれた日本調教馬
加点条件:芝G1(ダートは芝と比べて着差がつきやすいので今回は除外)
注意点
今回の着差はJRAの結果を基にしています。またインパクト重視のため『馬身差』で表しましたが、この着差は4馬身以上の着差では【1/2】といった分数単位の情報が省略されるということは留意していただきたいです。
ちなみに「ではタイム差を基にした方がいいのでは」という声があると思いますが、日本のレースでは10ミリ秒(0.01秒)単位の結果が出ていないのでその方法でも完全に平等な結果を作ることは難しいと思います。
21〜31位
31位 : 6 3/4馬身
キタサンブラック (GⅠ 7勝) 12年産
タマモクロス (GⅠ 3勝) 84年産
30位 : 7馬身
イングランディーレ (GⅠ 1勝) 99年産
28位:7 1/3馬身
スペシャルウィーク (GⅠ 4勝) 95年産
コントレイル (GⅠ 5勝) 17年産
26位:8馬身
メジロマックイーン (GⅠ 4勝) 87年産
ジェンティルドンナ (GⅠ 7勝) 09年産
24位:8 5/6馬身
モーリス (GⅠ 6勝) 11年産
クロノジェネシス (GⅠ 4勝) 16年産
22位:9馬身
メジロドーベル (GⅠ 5勝) 94年産
エピファネイア (GⅠ 2勝) 10年産
21位:9 5/6馬身
リスグラシュー (GⅠ 4勝) 14年産
20位~11位
20位:10 1/4馬身
リバティアイランド※現 (GⅠ 4勝) 20年産
19位:10 5/12馬身
ジャスタウェイ (GⅠ 3勝) 09年産
18位:10 1/2馬身
マックスビューティ (GⅠ 2勝) 84年産
17位:10 7/12馬身
ロードカナロア (GⅠ 6勝) 08年産
15位:11馬身
エイシンヒカリ (GⅠ 2勝) 11年産
タップダンスシチー (GⅠ 2勝) 97年産
14位:11 1/4馬身
ビワハヤヒデ (GⅠ 3勝) 90年産
13位:11 3/4馬身
シンボリクリスエス (GⅠ 4勝) 99年産
12位:12馬身
サッカーボーイ (GⅠ 2勝) 85年産
11位12 1/4馬身
タイキシャトル (GⅠ 5勝) 94年産
10位12 1/2馬身
グランアレグリア (GⅠ 6勝) 16年産
21世紀最強マイラーとも名高いグランアレグリアが10位となりました。勝利時の最低着差が3/4馬身と僅差の勝利がなく、6勝中4勝は2馬身以上の勝利となっています。中でもヴィクトリアMは圧勝といっていい競馬でした。
9位 12 7/12馬身
ゴールドシップ (GⅠ 6勝) 09年産
強さもさることながら、奇想天外な行動が話題を呼ぶゴールドシップが9位となりました。中でも13年の宝塚記念は寄ってきたジェンティルドンナを逆に押し返して圧勝したのが印象深いです。
8位 13 5/6馬身
イクイノックス (GⅠ 6勝) 19年産
古馬GⅠ 6連勝を達成して今年、世界一の現役馬と言われたイクイノックスが8位となりました。やはり、ジャパンCは圧巻でリバティアイランドに4馬身差をつけて勝利しました。4歳引退ながら年間無敗で国内外で敵なしという印象を残しました。
6位タイ 14馬身
シンボリルドルフ (GⅠ 7勝) 81年産
日本初の7冠馬シンボリルドルフが6位となりました。あまり着差をつけるイメージはありませんが、中山のレースが非常に強く、4歳時の有馬記念では2冠馬ミホシンザンに4馬身差をつけて皇帝の強さを見せつけました。シンザンから続いた3冠馬の強いイメージを確定させた瞬間ともいえるでしょう。
タイトルホルダー ※現 (GⅠ 3勝) 18年産
GⅠ3勝ながらタイトルホルダーが6位となりました。持ち味のスタミナを駆使したロングスパート競馬で勝つときは圧勝というスタイルでした。中距離競馬主体の近代では珍しい生粋のステイヤーといえる馬です。
5位 15 3/4馬身
ウオッカ (G I 7勝) 04年産
牝馬のダービー馬ウオッカが5位となりました。ウオッカは天皇賞・秋でダイワスカーレットと、ジャパンCでオウケンブルースリと接戦を演じており競り合いのイメージが強いですが、ダービーで3馬身、ヴィクトリアMでマイルながら7馬身という圧倒的な着差をつけています。
他にも09年安田記念では完全に閉じ込められ絶対絶命の状況から他馬の間を割り勝利したので、着差だけにとどまらない強さを感じます。
4位 16馬身
アーモンドアイ (GⅠ 9勝) 15年産
三冠馬牝馬にして日本歴代最多GⅠ9勝のアーモンドアイが4位となりました。4位ですが、むしろ名手C.ルメール騎手によって盤石のレース運びで着差を付け過ぎない勝ち方をしていたのが印象に残ります。それはアーモンドアイの体質面が理由ですが、逆に恐怖すら感じさせるレースがあります。
19年天皇賞・秋では残り200メートルで完全に抜け出し、後ろを振り返ったルメールJは勝利を確信し、残り50メートルを残して追うのをやめてガッツポーズをしています。最後まで追っていれば何馬身差となったかは分かりませんが、GⅠでここまでレベルの違う競馬を見せつけられては他の陣営は絶望しかなかったでしょう。
3位 18馬身
オルフェーヴル (GⅠ 6勝) 08年産
記録にも記憶にも残る三冠馬オルフェーヴルが3位となりました。3冠時は3馬身、1 3/4馬身、2 1/2馬身と完勝を続けていましたが、古馬では4歳春でスランプに陥ったり、宝塚記念で復活から凱旋門賞2着など他の3冠馬とは違った戦績となりました。
そして着差的にも同馬の成績で最も注目すべきなのがラストランとなった有馬記念です。3コーナで早々と上がっていくと4コーナですく先頭に立ち、バテるところか他馬との差はどんどん広がっていき最終的には8馬身という差で有終の美を飾りました。ルドルフやアーモンドアイのような完璧なレースをする馬とは異なる、爆発力のある名馬でした。
1位タイ 22馬身
ナリタブライアン (GⅠ 5勝) 91年産
なんと1位とが2頭となりました。
1頭目は三冠全てで圧倒的なパフォーマンスを見せたナリタブライアンとなりました。ヒーロー列伝のキャッチコピーとなっている皐月賞3 1/2馬身、ダービー5馬身、菊花賞7馬身からわかるように現在でもGⅠで圧勝する馬といったらナリタブライアンを思い浮かべる人も多いと思います。
ナリタブライアンが最後にGⅠを勝ったのは3馬身差で制した有馬記念なので3歳までに22馬身を達成していたというのは他馬と比較しても抜きんでた印象があります。
またナリタブライアンは2歳から多くのレースに出走して3歳で完成に至ったことを考えると21世紀の競走馬とは異なる魅力を持つスターホースといえるでしょう。
ディープインパクト (GⅠ 7勝) 01年産
2頭目は無敗でクラシック三冠を制したディープインパクトとなりました。新馬や若駒Sから既に次元が違うと言われ、三冠ロードや古馬戦でも最高のパフォーマンスを見せました。
やはり特徴は展開に左右されやすい追い込み馬でありながら抜群の安定感を見せ、ほぼすべてのレースを楽勝していることでしょう。国内全13戦で上り最速というのは唯一無二の成績だと思います。
レースとしては菊花賞や天皇賞・春といったスタミナレースでは特に強い勝ち方をしていましたが、着差でいえば日本ダービーが挙げられます。府中の直線で広い馬場の真ん中に出し、400メートルから追い出してどんどん他馬を突き放していきます。ゴール版があったので5馬身差となりましたがそのまま直線が続いていればどこまでも差が広がりそうなレースでした。
この3冠馬の血はコントレイルに受け継がれましたが、この先も歴史が続いていくのか非常に楽しみです。
まとめ
最後まで見ていただきありがとうございます。上位4頭が三冠馬ということで日本の三冠馬の強さがよく分かりますね。距離が伸びれば着差もつきやすいので長距離を勝った馬が多いのかもしれません。しかし、マイルやスプリント主体で上位に来た馬もいるので凄いですね。
最強馬論争が多くの人に語られていますが各馬の時代や相手関係も異なるので、『結局勝負というのはやってみないと分からない』という結論に至ります。しかし、名馬の残した記録は確かに存在するので、そのデータを集めて指標として見れば、その馬がその時代においてどれだけ突出していたかが見えてきます。今回は着差でしたがまた何か面白そうな指標を見つけたら第2回をやりたいと思います。
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