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サラブレッド系統分類② ロイヤルチャージャー系

2023/02/03
こんにちは、mokomoko競馬です。
 前回に引き続きサラブレッド系統分類やっていきたいと思います。今回は日本で最も繁栄しているロイヤルチャージャー系です。

 馬の名前が系統を表していて非常にややこしいので『』を大系統、《》を中系統、【】を小系統とし、単一の馬を指す場合は〈〉で表すようにしています。


ロイヤルチャージャー系

 今回は『ロイヤルチャージャー』で、個人的に覚えやすいのでこの名前を使っていますが、一世代下のターントゥ系とされている記事も多いです。この父系は世界的に見ればマイナーで現在、日本と南半球以外では滅多に見ることはないといえる血統です。しかし、日本においては大本命といってもよい血統で、逆に欧州や南米などに日本から輸出されている血統でもあります。そのため細かく分類していきます。現在の繋がっている主な派閥は《サンデーサイレンス(ヘイロー)》、《ロベルト》、《サートリストラム》の3種類になると考えています。

ロイヤルチャージャー系一覧

サンデーサイレンス(ヘイロー)

 日本の競馬ファンで知らない人はいない存在といえるでしょう。米国から輸入されて日本で大繁栄し、他の多くの血統を衰退させたといえます。〈サンデーサイレンス〉の中でも多くの一族が存在していますが、日本であまりに多くなりすぎたが故に、現在はその一族の中で淘汰が行わるフェーズに入っていると考えています。

ディープインパクト

 やはりクラシック三冠馬【ディープインパクト】の派閥が日本の芝マイルから長距離までを席巻しているといえます。産駒が日本ダービーを7回勝利し、本家である英ダービーも制覇するなど日本だけにとどまらない活躍をみせています。後継もキズナ、ミッキーアイルなどが現在活躍しています。

ハーツクライ

 そのディープと現役時代のライバルだった【ハーツクライ】も中距離辺りで存在感があります。ジャスタウェイが一定の結果を残し、スワーヴリチャードの産駒が活躍しています。

ステイゴールド

 一方【ステイゴールド】は一時期は芝で爆発的な活躍がありましたが代を経て衰退気味で、〈オルフェーヴル〉の子の活躍により現在はダートに舵を切っているような雰囲気です。

ダイワメジャー

 マイルで圧倒的なニッチがある【ダイワメジャー】は現在でも直子が走っています。

ブラックタイド(キタサンブラック)

 ディープの代替種牡馬程度の扱いでしたが、大逆転を果たした【ブラックタイド】も勢力を伸ばしています。

ゴールドアリュール

 そしてダートでは一時代を築いた【ゴールドアリュール】がまだ一定の成果を残しています。〈エスポワールシチー〉など産駒も徐々に活躍が見られます。 

その他

〈スペシャルウィーク〉〈ネオユニヴァース〉〈アグネスタキオン〉辺りの後継を扱う場合は合わせて系統名【サンデーサイレンス】として扱うことが多いです。

ヘイロー

 《サンデーサイレンス》があまりに繫栄しているので系統名に使っていますがその父の【ヘイロー】から分岐した馬も現存しています。

ロベルト

 欧州から始まり、世界各国で細々と血を繋げていました。種牡馬な傾向として基本的に安定感がない一発型で、現在は日本で比較的多くみられる系統です。

クリスエス 

 米国と日本に見られる【クリスエス】は〈シンボリクリスエス〉の後継が活躍し米国から輸入された〈ナダル〉もいることから《ロベルト》の中では比較的安泰な派閥だと考えられます。

スクリーンヒーロー(モーリス)

 【スクリーンヒーロー】は日本で一代一頭といった感じに血を繋げましたが〈モーリス〉が種牡馬として期待でき、豪州でも後継が生まれる可能性があります。

その他

 一方で日本で90年代に影響力のあった【ブライアンズタイム】は完全に衰退し、存続は〈フリオーソ〉の結果次第という感じです。
 他に米国に多い派閥として【ダイナフォーマー】がありますが、日本では〈ポイントオブエントリー〉の産駒がいるというくらいの存在感で、全体としても衰退気味です。欧州を拠点としていて日本では〈スノーフェアリー〉が有名な【レッドランサム】もかなり衰退しているといえるでしょう。

サートリストラム

 最後はオーストラリアの土着血統である《サートリストラム》を紹介します。〈サートリストラム〉は南半球のノーザンダンサーといわれる(wikiより)馬です。

ザビール

 この系統は基本的に【ザビール】から繋がっていて〈オクタゴナル〉、〈ロンロ〉、〈ベリーエレガント〉といった豪州のGⅠ2桁勝利馬が複数存在します。現在は【デインヒル】(『ノーザンダンサー系』)大国となった豪州で若干追いやられ気味ですが、まだ一定の活躍を見せています。

まとめ

 この系統は高速の芝で最も能力を発揮できるので、日本とオーストラリアといった環境で繁栄していると考えられます。現在は限定的な分布ですが、欧州では【ディープインパクト】の子孫が活躍し始めているので数十年後には規模が拡大している可能性もあります。日本の21世紀は、22年現在まで《サンデーサイレンス》中心の時代だったので、この先どのように変化していくか楽しみです。
 次回は最も規模が大きい『ノーザンダンサー』系を紹介します。


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