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竹が好き。

今から5年前。それまで何とも思っていなかった竹という素材と出会った。

仕事の延長でたまたま竹灯篭づくりをする機会があったので、試しに作って蝋燭を灯してみたら、何とまあ綺麗なこと。デザインは至ってシンプルなものであったが、その美しさに一気に引き込まれてしまった。

当時はアパート住まいだったので、蝋燭を灯して火事にでもなったらどうしようかと不安になり、考えた末100均でLEDライトを購入することにした。丁度5色に色が変わるLEDライトがあったので即購入して自宅で早速点灯した。美しい。時間とともに色が変わり、虹でも見ているような錯覚を覚えた。

それまでは林業に興味があり、自分は林業がやりたいのだと思っていたが、どうも竹に出会ってからは山を見ているようで実は竹林ばかり見ていることに途中で気づいた。運転中も竹林があると目が向いてしまうが、事故につながるので視界の隅でとらえるようにしている。

そう。私は竹と出会って竹が好きになってしまったのだ。何で?と聞かれてもよくわからないが、竹灯篭で言えば、出来上がるまでのあのワクワク感が好きだ。デザインを自分で考えて、穴を開けてライトを点灯させたらどんな風になるんだろう、と想像するだけで興奮してくる(変な意味ではない)。普段は林業に関わる仕事をしているので、竹がスギやヒノキなどの人工林に侵入し、成長を阻害してしまうことから厄介者扱いをされていることはよく聞く。そんな竹から美しい灯篭やかご、様々な道具を生み出すことができることが、すごいことだと思う。

それ以降、自分の仕事を竹に関わるものにできないか思案してきた。竹細工の存在を知り、知り合いの竹林から切らせてもらった竹を使って自分なりにひごを作ってみたが、なかなかうまくいかない。それまで引っ越しやら転職やらでバタバタしていたが、鳥取市に引っ越してようやく落ち着いてきたので、竹細工教室に通うことにした。まだ通い始めて1年ちょっとだが、竹細工もやはり楽しい。道具もだいぶそろってきたし、自分で切った竹からひごを何とか作れるようにもなってきた。

竹細工の世界は、ひご引き3年、編み8年と言われるように、一人前になるまでに長い時間がかかるそうだ。今の自分の腕では収入を得られる状況にないのはわかるが、今の自分は竹を見るだけで楽しいし、何より竹を使ってものづくりをしている時間が楽しくてたまらない。

なので、この楽しさをもっと多くの人に知ってもらえたら、と思ってブログを始めることにした。

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