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積み残し

いつかはやってくる、積み残してきていることに取り掛かる瞬間。ずっと気にはなりながら、見て見ぬふりをして、このままでもいいかと忘れてしまいたいことも、時間の経過とともに、その時は必ずやってきてしまいます。

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長く強い雨が続いた朝、いつものように起きてきて外をみると、外に放置していた木のテーブルが崩壊していた。

それは、Yataの家に引っ越してくる時に、友人から譲り受けた古いもので、木製で折りたたみ式になっている、大きくて重いテーブル。移動させるのも一苦労な重さで、少しの風ではびくともしないので、外の縁側の先に置いてあって、天板が大きいので外で作業をするときにはとても重宝した。
収穫した野菜や植物を仕分けしたり、ハーブを太陽に当てたり、はたまた、ペンキ塗りの作業や木を切ったり、さらには、暖かな季節に人が訪ねてくると、天板にクロスをかけてお茶や食事をしたり。そして、毎朝、このテーブルで珈琲を飲みながらぼんやりするのは朝のルーティンでもある。放置しているわりには、日々、欠かせない存在だった。

ただ、使い勝手のよい位置に配置しようとすると、天板の半分は雨にあたってしまっていて、この2年の間に水分を含んだ天板は、化粧板の外側から剥がれていってしまっていた。そう、ずっと気にはなっていたのだ。脚の部分には鉄製の(だから重い・・)金具がついていて太いネジで止められている。ネジは錆びてもいたので、天板を付け替えるのはまたいつか、と先延ばしにしている間に、その日はやってきてしまった。ちょうど、1週間くらい前に、大家さんがやってきてお茶をしていた時に、「このテーブルももうあとちょっとやなあ」「そうなんです。天板を取り替えたいんですよね」というやり取りがあり、ちゃんと、事前のサインは頂いていたのだ。

いつも通りの、鳥の鳴き声の響きに包まれる朝、まだ小雨が続く中、テーブルに置いてあった崩壊とともに地面に散らばった物を片付ける。そうこうしているうちに太陽がさしてきたので、、今日は、他にやろうとしていたことを横に置いて、いつかはやろうとおもっていたことの「いつか」がやってきたことを受け入れることにし、押入れから電動ドライバーを取り出した。いつかは、と先延ばしにしてきた作業なだけあって、気が重いのはたしか。。

先週くらいから、玄関先のスペースを整えることを始めていたところでもあった。だから、ちょうど、「今」がタイミングだったのだと思う。ここまで悪環境のなか耐えてくれていたテーブルに感謝しつつ、植物や人が集うこのスペースをどんなふうにしていこうかと、また、楽しみにもなってきた。

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