ギャンブル依存性が出来るまで2

ちょっとだけ歯車がズレたきっかけの話

給料日からパチンコ屋に行き、勝ったら色々衝動買いしたり、負けて財布が寂しくなってきたら買った物を売り捌いて次の給料日まで繋いでを繰り返していた。ちょっと変化があったとしたら一緒に行動する人ができたこと。同じぐらいスロットが好きで、仕事終わりや週末が待ち遠しい仲間ができた。ずっと一緒にいるわけでも無いので自分にとってはとても連みやすい友達だった。今日は勝ったから奢るよ?とか、今からどっか飲み行こうとか、お互いを補いあう仲間だった。
そんな友達から、「ごめん、店出たら返すから一万だけ借りれる?あとちょっとで当たるから。」
とお願いされ、全然気にせず一万円を貸した。店を出て、約束通りお金は返ってきた。それをきっかけに自分もATMまで行く事が困難だった時に借りたりするようになった。お金を貸したあの日、お互いの財布が共通になった日だった。

ある日、電車で2時間くらい離れた場所に二人で行く事になった。そこでオチはわかるだろうが、二人ともボロ負けをした。案の定、相方から「お金ある?」の質問。「帰りの電車代しかないよ。」と伝えると、「最終手段使うか…ちょっと付き合って。」と歩き出した。

着いた先は、とある無人契約機。自分は見たことしかなく、中に入るなんて考えたこともなかった場所だ。相方が中に入り、時間が少し経った頃帰ってきた。すると、「はい。これ。次の給料日で返してくれたらいいよ。」とその日負けた金額を渡してきた。一万以上の貸し借りをしたことなかったからものすごくドキドキした事を覚えてる。あのドキドキは今思えば警鐘だったのだろう。遠慮しつつもちょっと借りたい気持ちを含ませ、相手から無理矢理受け取らせるように仕向けた。そうすることで罪悪感を減らせようとした。相変わらず若い頃からクズだなぁ。
そうして、初めて、自分の持ち金以上を使ってしまった一カ月が始まった。

次回 魔法

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