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議会広報をリニューアル/完成編

できた・・・!
フレッシュ王寺「議会だより」から装いを新たに、議会のガイドブック「おうじ議会だより」として8月18日にリニューアルした王寺町の議会広報紙。その狙いと効果を今回は紹介します。

https://www.town.oji.nara.jp/kakuka/gikai/gikaijimukyoku/ojicyogikai/310.html
【王寺町公式サイト/議会広報リニューアルページ】

びふぉーあふたー

01_手に取りたくなる表紙

「議会」って言葉入れすぎ問題。8コもあるや・・・

ガラっと変わった紙面。ターゲットである若年層や現役世代が手に取りやすくなるよう、カジュアルなデザインにしました。
まずもって今回のリニューアルの意義である、町広報紙をリニューアルしたころからの「住民が主役やで」を表明するため、表紙はもちろん住民さん

02_議会を身近に感じる巻頭特集

広報紙特集のテイストをそのままに

リニューアル初の巻頭特集では、議会自体を解説するものに。
公務員として働いていても、そもそもなじみがなさすぎるので、住民さんはもっとそう感じているだろうと。とにかく敷居を低く低くすることを心掛け、ページ下の帯にハミダシ情報(鬼滅の刃よろしく大正コソコソ噂噺的な)を掲載し、かたくならないよう注意しました。

紙面見開きを使い、リニューアルの方向性を丁寧に、かつド直球に「熱く」住民さんに示しています。表紙の3人には事前に紙面を読んでもらい、その感想も掲載しています。
行政や議会からの発信ではなく、住民の声として掲載することでより伝播される思いってあるんですよね。広報担当からのつながりで実現できた見開きです。

03_整理された情報(上:これまで/下:リニューアル)

これまですべての審議結果を網羅して文字ばかりでしたが、住民生活に関わるものからメリハリをつけて掲載しています。
その際も、「まちのアレコレ、どうなっている?」と表現して、中学生でもわかるような内容・解説をつけています。

極力文章だけにならないよう、あしらいを調え、写真を配置し、表は濃淡でメリハリをつけて視認性を上げています。

縦の流し込みから、横書きに変更。文字数はそのままですが、フォントサイズを小さくしました。といってもUDフォントに切り替えて、余白と行間を整えているので、読みにくいというクレームはゼロでした。

アイキャッチと見出しでそれぞれの文脈・文章を分けることにより、視線がすべらない、今自分が何を読んでいるのかわかりやすい効果があります。

裏面は全面、「議会って誰でも気軽に見学できるんだよ」っと傍聴案内を掲載。赤ちゃん連れてきてもOKだし、別に来れなくてもネット視聴でも。
とにかく一人でも多く関心持ってくれたら、議会と行政と町民の三角関係はよりよいモノになり、さらにいい町になる速度が高まるなと、異動後に実感した次第です。

04_ぺージ下に子ども議員の声を掲載

ここまで見てもらい、ほぼすべてのページ下に子どもたちの声を掲載していることに気づかれたでしょうか。
ちょうど8月アタマに中学生を対象とした「子ども議会」が開かれたので、そのコたちに紙面に登場してもらいました。

保護者、家族親戚友人知人。「ウチのコが議会だよりに載っているよ」の口コミで、リニューアルしたことの認知を獲得したいのは下心としてありましたが、何より町の未来を背負う子どもたちがめっちゃいい思いを持ってくれていたので、校了間際に差し込みました。結果、子どもたち目当てに全ぺージをチラ見レベルでも確認してくれた人が増えただろうなと。

05_リニューアル後、町内外の変化

発行後、ありがたいことに町の人たち、そして他自治体等から反響がありました。最後に紹介しますね。

■アンケートで寄せられた住民の声(抜粋)

  • 情報が見つけやすくなり、目にも優しく何度も開いて読みたくなる紙面になりました。大英断に感謝します。

  • 議会だよりとは思えないほど、すごく親しみやすくなりました!!かわいいです!町民に寄り添った広報の取り組み、素晴らしいと思います。以前から議会だよりは読んでいましたが、「読みたい!」という思いが強くなりました!次号からもいろんなことを知りたいです。

  • 特集の議会の一年の流れは、初歩的なことながら本当に全く知らないことなので、知れてよかった。

  • フォントが読みやすく、表が一段ごとに色が変わっていて見やすい。一般質問Q&Aでは細かく見出しがありわかりやすい。定例会予定がカレンダーになったので、いつ何をするのかわかりやすくなった。

  • 以前は難しく見慣れない単語が多く、文字ばかりぎっしりで、新聞みたいに冗長な印象で読みにくかったです。新聞よりテレビやネットニュースに親しむ世代は特にそう感じると思います。なので、横書きにして文字を細かく区切り、かたくない文章や読みやすいデザインにし、青地で補足説明を入れているのは、とても読みやすくわりやすいです。ユーザーフレンドリーな印象を受け、イラストがあるのも親しみがあって好き。一言でいうと「ぐっと読みやすくなった」につきます。

  • これまで議会だよりを読んだことがありませんでしたが、この「議会だより」はオシャレで読み進めやすく、町外の友人に自慢したくなりました(自慢しました)。読んで初めて、私たちの大切な情報が載っているのだと気づいたので、これから愛読します。

  • 正直、議員の皆さんが何をされているのか知らなかったし、興味がなかったのですが、どんなことをやっているのか知りたくなりました。次の号も楽しみです。リニューアルしてくださってありがとうございました。

■議会広報×LINEで動画視聴数が6倍に

昨今の議会はリアルタイムで視聴できるほか、終了後に見逃し配信よろしく動画公開されています。
発行後、紙媒体とLINE(1万人登録/町内スマホ人口のふたりにひとり)によるクロスメディアで、9月議会の発信をタイミングを合わせて発信していったところ、前回の6月議会と比べて議会の視聴数の月間アクセスが6倍に増えました。

■関係紙に掲載・他議会からのヒアリング

自治体の広報アドバイザーをされている複数名から連絡があり、今後発行される議会関係の雑誌等に、リニューアルの紙面や狙いがいくつか紹介されることになりました。
また、その方々が行う広報研修でウチの議会広報の取り組みを紹介してくださっているようで、全国各地から反響が寄せられています。

外部はターゲットにしていないので、それらの反応は頑張ったご褒美と考えていますが、外からの評価があってはじめて興味をもつ住民さんがいることも事実です。シビックプライドの醸成に確実につながります。

まとめ

一定の結果が得られてホッとしてます!と言いたいところですが、これって、やったー!!!ではないんですよね。
それだけ、議会や行政が、住民さんに対してめっちゃ大事な議会・行政・町民の関係やその多大なる意義をわかりやすく発信できていなかったってことなんです。

社会構造の変化もあって、住民さんは議会に関心もっていないよねーだとか、議員の成り手がいないんだよねーとか、怠慢です。
しっかりとわかりやすい、住民さんの立場に沿った発信を行うことによって、少なくとも認知され、参画の入口に立ってもらう。

参画のハードルを低くしようともせずに、お役所言葉や難解な専門用語、アリバイのための長々とした文章を紙面キワッキワまで掲載しながら、「読んでもらえない」ってのは、大変もったいないことです。

今回のリニューアルは、議員も、事務局も、読んでもらえないことを課題と感じているけれど、どう改善したらいいのか手法がわからない――からスタートしています。たまたま異動でタイミングよく着手することができましたが、これを機に、私がもし異動になっても持続可能な発行ができるように、思いのある議員さんへ取材や記事作成のノウハウを伝授するとともに、来年度の仕様書から改善していく次第です。

4月。
正直、望まない異動に多大な葛藤があったのは事実です。痩せたし、グレて人生初のパーマにして後輩たちに心配されるほどでしたが、町広報紙をリニューアルしてからの6年間があったからこそ、大きく議会広報の改善に着手できたんだと自負しています。逆じゃ絶対に無理でした。

行政広報と議会広報、双方のネットワークが広がっていき、互いの発信の在り方を考えられる機会に恵まれているなぁと実感しながら・・・月2回発行だった昨年度から3か月に1回の〆切になったことで心穏やかな期間が増えた村田でした。
次号は11月発行!令和4年度をフカボリ決算特集!

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