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今の音楽スタイルができあがるまで

Great Treeをさらに楽しんでもらうためのマガジン、その4。

まだ他の記事に目を通されていない方は、以下の記事から読み進めると読みやすいので、ご確認ください。

今回は、僕自身についての話です。

僕は、他の音楽家の生き方や考え方を知るのが好きなタイプです。(音楽家以外の人のも!)

その人の生き方や考え方を知ることで、その人の音楽をさらに楽しめるようになった経験や、人柄を知ることにより吸収できることが増えた経験が多いからです。

Great Treeをさらに楽しんでもらうために、自分自身の話もしていいのでは?と思い、ここでは「今の自分の音楽スタイルができあがるまで」というテーマで文章をまとめてみました。

少し恥ずかしいですが、ご興味のある方はお付き合いください。

「表現は表現、人間性は人間性で、それぞれ別モノ。音だけ聴かせてくれりゃいいよ!」という方は次の記事へGO!!

はじまりの景色

22歳の頃に美容師を辞めて、ギターで生きていくと決意しました。

「自分の仕事を愛している人には敵わない」と思ったのがその理由です。

いま思えばあまり深く考えずに進路を選び、美容師の専門学校に通っていた時から「自分の道はこれでいいのだろうか」とモヤモヤしていました。

他の多くの同級生たちのように、美容師という仕事に対して熱い思いが湧いてこないのです。美容師になってからも、そのモヤモヤは消えません。

アシスタントとして働き出してしばらく経った頃、雑誌の中で誇らしげに自分の仕事の話をする美容師さんのインタビューを目にしました。

「海外で活躍する美容師特集」のようなテーマだったと思います。僕は将来、世界に認められる仕事をしたいと思っていました。

しかし、その雑誌を見て、「僕はこの人たちに敵わないかもしれない」とショックを受けました。どの方のインタビューからも、美容師という仕事を愛していることが伝わってきたからです。

その後もモヤモヤが消えず、就職してから2年後、お世話になった美容室を辞めさせてもらいました。

「大好きなギターを仕事にして世界を目指す」というのが退職の理由です。14歳の時に始めたギターに対しては、心の中から好きだという強い感覚がありました。

美容師を辞めてから、好きだということを理由にプロギタリストを目指し始めましたが、本当にやっていけるのかドキドキしました。

初めの頃は、自分の中にあった大きな矛盾にいつも悩んでいました。

理想が高い

僕は理想が高いです。

さきほどは「世界に認められる仕事がしたい」と控えめに表現しましたが、本当は世界一になりたい。

ギターヒーローになりたい。
究極の音を出せるようになりたい。
歴史に名前を残したい。
世界を平和にしたい。
地球を救うスーパーマンになりたい。

そんな欲求がありました。

おまけにこだわりも強いです。

人に聞かせるのは恥ずかしいですが、今でもこの気持ちはあまり変わっていません。

自信がない

高い理想に現状が追いつかず、いつも自信がありませんでした。

よく、無いものばかりにフォーカスしていたのですが、当時考えていた事を挙げてみます。

・英才教育を受けていない
・経験がない
・才能がない
・音楽学校に行けてない
・音楽仲間がいない
・お金がない

自信がないので、あまり人と打ち解けることができませんでした。

一緒に切磋琢磨できるような音楽仲間を作られれば良かったのですが、コンプレックスやプライドが邪魔をして、上手くいきませんでした。

理想と現実の間で悩む僕。
どうやって夢を叶えようか、当時は夢の中でも考え続けていました。

自分の地図を作る

理想と現実を埋めるため、夢を現実にするため、自信がなくても進み続けるために、自分なりの方法を一生懸命考えました。

自分を目的地に連れて行ってくれる地図と羅針盤を、心の中に作ろうと思いました。

メンタルトレーニングを行って自分の地図を更新し続け、心の中にたくさんの羅針盤を作りました。そのいくつかを紹介させてもらいます。

音楽と並行してメンタルトレーニング

音楽の勉強と並行して、メンタルトレーニングを行いながら活動を続けることにしました。

メンタルを鍛えればマインドセットが書き変わり、音楽だけでなく、あらゆることに役立つと思ったからです。

トレーニングリスト
・本を読む(千冊以上、読みました)
・心理学や哲学を勉強してみる
・お手本を見つけて真似をしてみる
・カウンセリングを受ける
・様々なワークを行う

その甲斐あって、少しずつ肩の力を抜けるようになり、悩みと上手く向き合えるようになりました。

コンプレックスやプライドも、ゆっくり手放していき、だんだんと人間関係に対する苦手意識も減っていきました。

おかげさまで、頼れる仲間や友人が年と共に増えていきました。

苦手なことは得意なことの先に置く

できないことや苦手なことにフォーカスをすると、エラーが起きやすくなります。動けなくなったり、ストレスを抱えすぎて混乱しやすくなったりしてしまいます。

昔の僕はよくエラーを起こしていたので、「まず得意なことから実践していこう」と心がけるようにしました。得意なことを行えば、ものごとは上手くいきやすいです。

得意なことは不得意なことに比べてその行動の成功率が高く、上手くいきやすく、何かが上手く行けば、自信を獲得しやすいです。

自信がつくとリラックスをできるので、視野が広がります。

視野が広がると、選択肢を多く見つける事ができ、行動しやすくなります。

行動しやすくなれば、自然と行動範囲が広がっていき、世界が広がります。

世界が広がれば、さらに多くの選択肢を見つける事ができ、より行動しやすいという好循環が生まれます。

また、自分にとって得意なことを行えば、人の役に立つのが簡単です。人の役に立てば、人を喜ばせる事ができます。

人を喜ばせる事ができれば、応援や協力をしてもらえる確率が上がります。ということは、自分の力以上のエネルギーが集めやすい、ということになります。

まとめます。

得意なことから行えば、『自信、情報、行動力、他人からの協力』を得やすく、好循環が生まれやすい。だから、得意なことを行えば、ものごとは上手くいきやすい。

ものごとが上手くいけば、経験やエネルギーを蓄積できます。そうすれば、それまで苦手だった事にも挑戦しやすくなります。

僕はこの方法で進んでいこうと思い、得意なことから実践していきました。

まずはみんなが必要としてくれることを大切に

ギタリストとして生きていくと決意した当初は、苦手意識やコンプレックスを抱え、余裕がありませんでした。

「とにかくギターを極める」それだけを追い求めることに必死で、とても視野が狭かったと思います。失敗や、苦手なことを無理に続けて動けなくなったりという経験を沢山しました。

しかし、得意なことから手をつけていく内に、自分の「こうあらねば」を脇に置いて、人からの言葉に耳を傾ける余裕が出てきました。

自分のできないことにフォーカスしたり、理想を追い求めることに必死だった時には周りの声が耳に届いていなかったのですが、少しずつ自分にとってヒントになるような声が聞こえてきました。

ヒントになった言葉リスト
・音色がいい
・丁寧な音
・落ち着ける音
・音が優しい
・癒される

周りの声を参考に、少しずつ変化を加えていき、自分のスタイルを作っていきました。周りの声に耳を傾けるほど、自分の良さに気付けました。

以来、「みんなが必要としてくれることを大切に」ということも、自分の大事な羅針盤の一つになりました。

これからの景色

地図と羅針盤のおかげで自分のスタイルの軸ができ、30代に突入しても音楽を続けることができました。

また、得意なことから手をつけたおかげで、様々な経験を積めました。

経験できたことリスト
・多くの舞台で演奏
・音楽教室の先生
・トップミュージシャン達から音楽を沢山学べた
・一人でライブをできるようになった
・世界中を旅した

人生初のCDも作りました。

Great Treeは、僕がギターを始めてから24年、ギターで生きていくと志してから16年、初めて作った前回のCDから5年の経験を総動員して残した、僕の結晶のような作品です。

少しでも沢山の人の心に、響きますように。

僕の仕事は、いい音を出すだけで終わりではありません。

人を幸せにすること。

そして、その人達と力を合わせ、地球をすべての生き物にとって、より生きやすい環境にすることが、自分の本質的な仕事だと思っています。

まずは一生懸命生きて心を磨き、心の表現として音を磨き、音楽として人に届ける。

そうすれば、僕の音楽をいいねと思ってくれた人が、その背景を知った時に、より嬉しい気持ちになれるかもしれない。

そこまでいけば、その人の選択を肯定できることになる。

自分の選択を肯定できる人が増えれば、世の中はもっと良くなる。思考停止で流されるという現象が減り、自分の選択を大事にしようと勉強したり、想像したり、自分の頭や心に従って生きようとしたりする現象が増える。

一つ一つの選択を大事にできれば、回数をこなせばこなす程、時間をかければかけるほど、ものごとは良くなる。その結果、世界はみんなにとって、もっと住みやすい場所になる。

僕はそんな景色を想像しながら、いつもギターを弾いています。

さいごに

長文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

「僕の音楽スタイルができあがるまで」というテーマで文章をまとめてみましたが、楽しんでいただけたでしょうか?

引き続き、「Great Tree を更に楽しむ方法」を更新予定です。

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