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2023年に見た映画5選

先日の本に続き、今度は映画です。映画との出会いも楽しめた2023年でした。コロナ禍以降なかなかできていなかった映画館通いが再開できたのが嬉しい。

本の時と同じく、まずはネタバレなしでさらっと感想を書いて、目次以降にネタバレありの感想を書いていきます。

①ウォンカとチョコレート工場のはじまり
「チャーリーとチョコレート工場」が好きだったので予告編を見た時からずっと楽しみにしていた映画でした。期待通り面白かったし幸せな気分になれたのですが、「チャーリーとチョコレート工場」とは別世界の話のようです。なので人嫌いで皮肉屋のウォンカを期待するとがっかりしてしまうかも。これは予告編の作り方に問題があるなぁ…と感じます。

そういう点に目をつぶれば、ほんっとうに素敵な映画でした。夢を持つ事の素晴らしさ、その夢を分かち合える相手の尊さを実感できる映画です。

②ザ・スーパーマリオブラザーズ
アクションゲームが苦手なのでワンダー含めてマリオ系のゲームはなかなか手が出せてないのですが、子供の頃からマリオは大好き。最初から最後までわくわくできる映画でした。映像もさすがのイルミネーション。続編を匂わせる描写もあって、今から続きが楽しみです。

③憧れを超えた侍たち
いやあ……良かったですよ。公開されたのが6月ですからね。WBCで夢を見て、そこから約3ケ月――ペナントレースも始まり現実を見せられていた頃の映画公開。ありがとう、また夢を見る事ができました。

ドキュメンタリーだから結末は分かっているのだけど、それでもうるっとくる感動がありました。WBCありがとう!

④ストールンプリンセス
ウクライナで作られたアニメ映画。クラウドファンディングの事を知った時には既に締め切られていて、公開されたら絶対に見に行こうと思っていました。王道ストーリーで面白かったです。アニメもきれいで、ディズニー映画だよって言われても私は信じちゃうレベルでした。

⑤SAND LAND
めっちゃ面白かった…!やっぱり鳥山明さんってすごいよね。キャラクター、ストーリー、世界観、全部が最高で、最初から最後までわくわくしっぱなしの映画でした。伏線バリバリで考察要素もバリバリなアニメもいいけど、私には単純明快爽快痛快な映画の方が合っている気がします。単純な人間なのでね。

以下、ネタバレありの感想です。


①ウォンカとチョコレート工場のはじまり

もうね、冒頭からわくわくが止まんないの。夢を抱いて船を降りるシーンから素敵な歌声全開。楽しいメロディと軽やかなダンスであっという間に引き込まれちゃう。最初は予告編の言葉通り「チャーリーとチョコレート工場」の前日談と思っていたから、こんなに素直そうな青年のどこにひねくれ要素があるんだろう、それともこのあと何かあって性格が歪んでしまうのか……と考えていました。

ウォンカが過去(母親との思い出)を語るシーンで前作との繋がりはないと気付きました。前作のウォンカは歯科医の父親の元でチョコレートを禁止されて育ったからね。

予告編にもあった

"My name is Willy Wonka!"

の場面がほんと好き。この時のウォンカって、余計な事は何も考えず、ただ自分の可能性を信じているんだよね。全編通してその要素はあったけど、この時が一番純度が高かったと思います。

このシーンを見て連想したのはタロット。ああ、タロットの愚者みたいだなあ…と。魔術師や太陽でもいいね。どのカードも余計な事は考えずに自分の可能性を信じているカード。今の私に必要なのはこれだよなあ……と、そんな事を考えながら見てました。

そう思うとその後のウォンカの言動が全て私へのメッセージ思えてさ、めちゃくちゃ感情持っていかれたわけですよ。ヌードルとやり取りも、なかなか行動できない私への励ましに聞こえたりね。思い込みだけどさ。でもそういう楽しみ方をしてもいいと思う、映画って。

現代社会で生きていくためにはお金がいるし、お金のためには仕事がいる。1日の大半は仕事に消費されて、残りの自由時間は休息や雑務(家事とか)に費やされる。これが私達が背負ってる義務。

生きていくだけなら義務をこなせばいいのだけど、それだと突然空しくなったり、寂しくなってしまう事がある。少なくとも私はそうで、生きていくための希望が欲しい。私も含めて多くの人は希望より義務の方が割合が多いと思う。ヌードル達の場合、生活のほとんどが義務。希望なんて持っても意味がない、むしろ辛いだけ、と思ってた。

一方ウォンカはほぼ希望。希望しかない。だから彼が持っている知識はチョコレートだけ。文字すら読めない。それで問題ないと思っていた。チョコレート作りの技術さえあれば夢は叶えられるから。でも現実は、文字が読めないためにまんまと宿屋に騙されてしまった。

ここで希望を失わないのがウォンカのすごいところで、朝から夜まで働いてやっと終わる量の仕事を効率的にするためのアイディアを出し、制限だらけの中でも夢のために行動する時間とチャンスを作る。どんな状況でもできる事はあるって、ウォンカに諭されてる気がしました。

うん、本当にそうだ。どんな状況でも――少なくとも私の今の状況なら行動はできる。そりゃ仕事は忙しいし使えるお金と時間に制限はあるけど、現代の、平和な日本に生きているという事がどれだけ恵まれている事か。

だから頑張ろう、頑張らなきゃ、やらなきゃって、映画を見ながら考えてました。

そんな中でラストシーン。ようやく包みを開けた形見の手作りチョコレート。中にはチョコレートと一緒に母親からのメッセージが。

何よりも大切なのは、夢を分かち合う人がいる事
(言い回しは違うかもだけど内容はだいたいこんな感じ)

そしてチョコレートを割って仲間達に配るウォンカ。ああもうこんなの更に号泣じゃんか。

ウォンカの好きなところは、常にギブの精神である事。美味しいチョコレートを作りたい、それを食べてもらいたい。食べた人に幸せになってもらいたい。

対価はもらうけど、ギブが先。お金儲けのためにチョコレートを作るのではなく、チョコレート作りを極めたい、その対価として必要なお金をもらう、という感じ。そこが映画の中の悪役とウォンカの違うところ。どちらもチョコレートが大好きな事に変わりはないけど、ウォンカは好きだからこそチョコレートを悪事には使わない(と言うか純粋過ぎて悪事に使うという発想がない)。

――と、長々と語ってしまいましたが、最後にこれを言いたい。

ウォンカ役のティモシー・シャラメの美しさよ…!特に瞳がキレイで、スクリーンに映るたびにドキドキしてしてました。歌もダンスも上手でした。

今回ですっかりファンになり、彼が出演している「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」をレンタルしました(まだ見てないけど)。


②ザ・スーパーマリオブラザーズ

マリオが…!マリオがスクリーンで動いている…!!ゲームのマリオは最初から人間離れしたアクションを見せてくれるけど(私が操作するマリオはそうでもないが)、映画のマリオは仕事で失敗してしまったり町の強面に負けてしまったり親にしっかりしろと叱られたりするヘタレな青年。ちょっと意外だけど、人間っぽくて私は好き。ルイージはイメージしていた通り優しい弟でした。

一番意外だったのはピーチ姫。攫われない!強い!いやピーチが強いのは密かに噂されている事ではあったけど、本当に強い!でも確かに、キノピオ達は戦闘向きな種族ではないし、その長になるなら強くないと勤まらないよね。ゲームではマリオが傍にいるけど、映画ではまだ出会ってない様子だし。

一番好きなキャラはドンキー!
……の王国で最初に出てきた金髪の青年。
彼、イケメンじゃないっすか!?

あ、ドンキーも好きです。あの性格好き。ドンキー国のビジュアルも好き。ドンキーのゲームはプレイした事ないのですが、プレイ動画とかみると自然の中をどんどん進んでいく冒険感が面白そうなゲームですね~。私だと世界観ぶち壊しなプレイしかできなさそうですが。ゲームで見た世界がそのまま映画でも再現されていて、マリオvsドンキーのバトルも「最後はマリオが勝つだろうな」と思っていてもドキドキヒヤヒヤしました。

そして、そして…!!
予告編でチラっと見てわくわくが止まんなかったマリオカートの場面。レインボーロードじゃないですかー!一周する間に何度落ちれば気が済むんですかと問いたくなるレインボーロードじゃないですかーー!!!こんなのわくわくしないわけがないじゃないですかーーー!!!!

強いピーチ姫は賛否両論ありそうだけど、私は好きです。映画開始のタイミングでマリオがアクションに目覚めてない以上、彼を育てる役が必要になってきますし、キノピオ達にそれが難しいから(彼らはかわいいマスコットなのでね)、ピーチ姫にその役を任せるしかないかなと。

続編では油断したところを攫われる…とかはありそう。んでただマリオの助けを待つのではなく、ピーチはピーチで脱出のために色々頑張るとかでも胸熱。

最後まで分からなかったのは、ルイージ達と一緒に牢獄にいた、やたらネガティブなスター君。あれは…誰?私が知らないだけでああいうキャラがゲームにいたのかな。私はてっきり、あの青スター君が希望を持つ事で本物の無敵スターになって、クッパを倒す力になると思っていたのだけど。ちょっと考えすぎだったかな。

そして映画の中でずっと待っていたヨッシーの登場。最後まで姿はなく、なんでヨッシーが出てこないんだよお……

と思っていたら!
そうかそうか、続編で出るのか。

というわけで、今から続編が楽しみです。
作ってくださいよイルミネーション様!!!


③憧れを超えた侍たち

結末が分かっていても、感動する場面は何度見ても感動するものなのですな。準決勝と決勝の最後のシーンは映画の中でもうるっときました。分かっていた事だけど映像は大谷君が中心ですね。嬉しい。嬉しい……のだけど個人的には牧君や今永君をもっと…もっと…!と思ってしまうのです。今永君は決勝の先発だったし、牧君はビールかけの主役だったし(笑)。

いいなあ…と思ったのは、ダルビッシュさんの存在。試合については、打たれてしまう場面が目立ったけど、やっぱり彼はチームには欠かせない存在。みんなのお兄さんとしてアドバイスをする様子はさすがだなと思いました。

彼もまだ現役なのだし、他のプレイヤーはライバルと言えなくもない。でも自分の技術や知識を惜しげもなく後輩に伝授している様子は、これぞ一流!と思わせてくれました。職場でもたまにいるじゃん、後輩に仕事を教えない先輩。あれホント困る。自分の仕事を取られなくないとか評価を下げたくないとか考えているのかもだけど、そういう言動が自分の首を絞めてるって分かr……おっと話が逸れました。

最後のおまけ(?)は、大谷君の天然っぽさが発揮されていて良かったですな。


④ストールンプリンセス

内容は二の次で公開されたら絶対に見に行こうと思っていた作品。応援のために見ようと思っていたので、内容については実はそれほど期待していませんでした。申し訳ない。

とっても良い映画でした。私好みの王道映画。普通の青年が偶然知り合ったお姫様を助けて最後は結ばれる話。剣と魔法の冒険物語。ハラハラする要素はあるけど残酷な描写はなく、悪役はちゃんと悪役で、でもお笑い要素もある。ディズニーみたいな安心できる映画でした。この映画を発掘した粉川さんにありがとうと伝えたいです。

気になったのは、石化の呪いが解けた女性たちのその後。今元の姿に戻っても、時代が変わっているから浦島太郎状態なのでは…?と。お城で保護するのかなあ。魔法でそれぞれの時代に戻るとか、せめて家族とか恋人とか大切な人だけは同じ時代に生き返るとかだといいんだけど。

制作会社さんへのインタビューで新しい作品も作ってるって言われているので、そちらも日本公開されてほしいと思ってます。早く戦争が終わって欲しいな。私はありがたい事にそういうのとは無縁の時代と国に生まれているので、これは平和ボケした人間の戯言なのですが、自分にとって完璧な世界なんて作れるワケないじゃんね。自分が完璧じゃないんだから、周りだって完璧じゃなくて当然。どうして自分が変わるのではなく、相手を変えよう、陥れようという考えになってしまうのかね。

この映画を見終わったあとにふと、

「どっちも自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ」

というドラえもんの台詞を思い出しました。


⑤SAND LAND

映画の予告編でこの作品の存在を知りました。原作のある作品だったのですね。原作者の鳥山明さんが老人と戦車を描きたくて生まれた作品だとか。その話にうんうんとうなずいてしまうほど、ラオはかっこよかったです。辛い戦いを経験したからこそ平和を強く望むラオなのに「でも戦車は好きだ」とか言っちゃうの、どこか少年っぽくて素敵。

大事な場面で奥さんの写真(生写真は焼けてしまったので雑誌の切り抜き)を飾る辺りも渋い。てかこの2人の出会いってなんだったんだろう。元々の知り合い?ラオは若いながらも優秀な軍人で、奥さんはセクシー女優。接点あまりなさそうだけど…。意外と、ラオが大ファンで応援の花束を渡して…とかあるのかな。

あ、ベルゼブブもね、かっこかわいかったよ。お供のシーフもなんだかんだでブブちゃんの実力は分かっていて、一番慌てふためくであろう場面(ブブが袋叩きにされてる場面)であえて何もしないところとか、これぞ本当の忠誠心だと思いました。主人を信頼しているからこその傍観。内心は痛めつけられているブブに心を痛めていたのでは…と思います。普段は心配性なとこ見せてるもんね。

これは配信されたらもう一度見たい作品。夏に公開されたやつだしもう配信されてるかなと思ったらまだでした。