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各国の取り組みについて
SDGs16の達成に向けて、各国では具体的にどのような取り組みを実施しているのか日本とフィンランドの事例をご紹介します。
日本
日本国内においては、SDGs16に関連して「子どもに対する暴力撲滅行動計画」が策定されました。関係府省庁が連携して進める計画で、その中でも優先すべき課題として、子どもへの虐待、性的搾取、いじめ、体罰を挙げています。
各分野においての取り組みについて
子どもへの虐待
子どもへの虐待に関する取り組みとしては、虐待防止と早期発見が掲げられています。虐待防止の取り組みとして行われているのが、妊娠期からの検診や訪問による養育環境の把握または支援、子育て中の親子が集まれる場所の設置など。
虐待の早期発見としては、24時間対応ダイヤルの整備、虐待発見後の対応としては児童の保護や保護者の支援を進めています。
性的搾取
性的搾取や性被害の防止のために、取締りの強化や矯正施設での再犯防止指導を推進しています。
いじめ
いじめの防止策として、研修会の実施や相談体制の充実化による防止措置の徹底を行っていたます。支援策としては精神的被害を回復する取り組みが進められています。
体罰
体罰については、学校だけでなく家庭も対象として防止策が実施されています。学校での体罰防止に関しては、ガイドラインの周知やフォローアップを行い、家庭での体罰防止に関しては、体罰範囲や禁止する考えの周知や民法の懲戒権の検討が行われています。
フィンランド
先進国の中でも、フィンランドは育児にやさしい国として知られています。そんなフィンランドで特徴的なのが、「ネウボラ」と呼ばれるしくみです?
ネウボラとは、「アドバイスの場所」を意味するフィンランド語であり、妊娠から就学前の子どもの家族を支援する制度で、市町村が主体となり取り組みを実施しています。
ネウボラ保健師と呼ばれる専門教育を受けた保健師と家族が定期的に会話し、出産や育児の相談など、家族の心身を個別に支援しています。必要に応じて、医療機関などとの連携により、追加の検診も行なわれます。
利用は無料であるため、フィンランドにおいてネウボラは、子どもをもつ家族にとって身近な制度です。
ネウボラのメリットは、妊娠から就学前まで、家族を切れ目なく支援できることです。同じネウボラ保健師が継続的に支援することが多く、状況を把握しているネウボラ保健師により、児童虐待などのリスクの早期発見や予防、適切な支援の可能性が高まるといわれています。