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朝鮮学校に対する3つの誤解<反日教育というデマ>

北朝鮮の「将軍様」こと
金正恩(キムジョンウン)総書記が
ミサイルを発射するたびに
「またあの国がやらかした!」
と報道されています。

それは仕方の無いことだと思うのですが、
北朝鮮が問題を起こすたびに
バッシングの対象が朝鮮学校にまで及んでいるので
このNote記事で日本人の誤解を
解いておきたいと思いました。


拉致問題での朝鮮学校バッシング


朝鮮学校バッシングが最も激しかったのは
金正日総書記が小泉純一郎首相と会談し、
拉致の事実を認めた時です。

あの頃のテレビ放送を思い出すと、
今でも恐ろしくなってしまうんです。

毎日のように
拉致問題ばかりクローズアップされ、
報道は北朝鮮バッシング一色でした。

「制裁を!制裁を!」

北朝鮮への制裁を求める声が
当たり前のように
テレビで垂れ流されていたのです。

その結果、
朝鮮学校には嫌がらせの電話や脅迫が相次ぎ、
拉致とは何の関係も無い子供たちが
恐怖で震えていました。

「再び朝鮮学校の生徒が
チマチョゴリを切り裂かれる事件が
起きたらどうしよう?」

「子供たちをどうやって守れば良いのだろう?」

子を持つ母親たちは
心配で生きた心地がしませんでした。

今でも忘れられないのは
友達のお母さんが
「この国に正義は無いのか!」って
叫んで泣いた姿です。

大きな声を出して
涙を流しながら泣いたのです。

子供じゃないのです。
成人した大人が泣いたのです。

私は成人した大人が
こんなに大きな声で泣くのを初めて見ました。

ビックリしました。
衝撃を受けました。

北朝鮮バッシングが叫ばれていた当時、
在日朝鮮人の苦悩を理解していた日本人が
どれだけいたでしょうか?

もちろん拉致は悪いことです。
許されないことです。

だけど、朝鮮学校に通う子供たちには
何の関係も無いんです。

北朝鮮という国の問題であって
子供たちが悪いことをした訳じゃないんです。

それなのに朝鮮学校が悪者にされ、
子供たちが恐怖を感じながら暮らしていたのです。

本当に日本でこんなことが
起きていたのです。

日本人は朝鮮学校を誤解しています。

私自身は朝鮮学校出身ではありませんが、
それなりの知識はあるので
日本人の誤解を解きたいと思います。


<誤解①>朝鮮学校に通う生徒の国籍


まず、朝鮮学校について解説する
下記の動画を見て戴きたいと思います。

朝鮮高校3年生からのメッセージ
https://www.youtube.com/watch?v=u-q1wCcKM3w

この動画でも解説してある通り、
朝鮮学校に通う生徒の国籍の割合は
韓国51%、朝鮮47%、日本2%
となっています。

多くの日本人は「北朝鮮」国籍の生徒が
朝鮮学校に通っていると思い込んでいますが、
実際は半数が「韓国」国籍です。

少数ながら日本国籍の子供もいます。

これは非常に重要なポイントなので、
まずはこの事実を認識して欲しいと思います。

なお、
勘違いしている日本人が多いので
説明しておきますが
国籍「朝鮮」とは必ずしも
「北朝鮮」国籍ということではありません。


朝鮮籍(ちょうせんせき)とは、1910年の韓国併合により朝鮮半島が日本の領土となったことに伴って日本国籍とされていた朝鮮民族(旧大韓帝国籍の者)のうち、朝鮮半島が日本の統治下ではなくなった後も引きつづき日本に居住している朝鮮人及びその子孫について、1947年以降日本の外国人登録制度の対象になったことに伴い韓国を含むいずれの国籍も確認できない者が登録されることになった便宜上の籍(狭義の朝鮮人)である。
日本政府は朝鮮籍を「朝鮮半島出身者およびその子孫等で,韓国籍をはじめいずれかの国籍があることが確認されていない者」と定義しており、朝鮮籍であっても朝鮮民主主義人民共和国の海外公民とは言えない。

出典:フリー百科事典「ウィキペディア」


<誤解②>将軍様礼賛の「反日教育」というデマ


先ほど説明した通り、
朝鮮学校の生徒の半数は韓国籍です。

全員が北朝鮮系ならともかく、
実際はおよそ半数が韓国籍の子供なのだから
「将軍様」を礼賛する反日教育など
出来るわけがありません。

北朝鮮のキム一族を敵視する余り、
日本での朝鮮学校に対する報道は
異常なほど偏っています。

日本人が朝鮮学校に
偏った思い込みを持っているせいで
朝鮮学校の授業料無償化が
対象外になったわけですから、
生徒たちは大きな実害を受けました。

生徒たちが可哀想でなりません。


<誤解③>日本の学習指導要領を無視している


朝鮮学校では基本的には
日本の学習指導要領に沿った授業が
行われています。

日本人は頭の良い人が多いので
すぐに理解できると思うのですが、
在日コリアンも日本で生活していくのですから
日本の大学に進学する人が多いです。

大学に進学する以上は
日本人と同じ受験科目で受験をするのだから
授業に大きな違いがあるはずが
無いじゃないですか。

ただ、在日3世や4世の子供たちは
朝鮮学校に通わなければ
民族の言語や歴史を学ぶ機会が
ほとんど無いので
朝鮮学校でそれを学ぶ必要があるのです。

カリキュラムの中で
大きな違いはそこだけです。

その違いについては
日本人にも容認して貰えると思います。

なぜなら
日本の歴史や伝統を重視する日本人なら
民族の言語や歴史を学ぶ大切さを
理解してくださるはずだからです。

私自身は日本高校に通っていたので
韓国語が話せません。

民族学校に通っていたら
韓国語を話せていたかもと思うと、
民族学校出身の友人が
羨ましいという思いもあります。

私の場合は大学への進学を考えていたので
民族系の学校に通うという選択肢は
取りませんでした。

当時は朝鮮高級学校を卒業しても
受験資格を認めない大学が多く、
大学受験の前に高校卒業程度認定試験(旧大検)を
受けなければならなかったのです。

かつての朝鮮学校の生徒は
大学受験の前に高卒認定試験に
合格しなければならなかったわけで、
大学受験用の勉強とは別の試験勉強もしていました。

日本人の知らない所で
大きな不利を背負っていたのです。


大学入学共通テストの「韓国語」は在日特権という誤解


「在日が共通テストで
韓国語を選べるのは有利だから、不公平だ」
などという愚痴が耳に入る事があります。

こんな若い予備校生にまでネトウヨ層が
拡大しているのかと驚き、
思わず目を向けてしまいました。


ネットでも広まる誤解https://twitter.com/jda1BekUDve1ccx/status/1505169733200793604

「大学入試共通テストで、英語でなく中国語や韓国語を選択すると、40から50点の下駄を履かせてもらえる。試験は公平で公正に行われる必要があるが、得点調整なし。100m競走で、中国人や韓国人が50m先からスタートするようなもの。一流大に中国人や韓国人が多い理由」と平井宏治氏。本当か?


PCを使っているわけでもない
喫茶店でおしゃべりを楽しんでるだけの
予備校生が「なぜネトウヨなんだ?」と
指摘されそうなので先に言っておきますが、

「ネットで『真実』を見つけ、その真実を信じ込んでいる」
のがネトウヨさんなのです。

なので、
ネトウヨさんはパソコンを閉じれば
普通にそこいらを歩きますよ。
当たり前ですが。

さて
話題を共通テスト(センター試験)に戻しますが、
在日が大学入学共通テストで有利なんて
全くのデタラメです。

なので、
「日本人受験生はそんな愚痴を
言ってる暇が有ったら勉強しなよ」
と思います。

ただ、
受験生が愚痴っぽくなるのは仕方ないし、
そんなに責める気は無いです。

だけど、受験生でもないくせに
「共通テストは在日特権だ!」
などと広めようとしている
ネトウヨさんがいるので、
在日の言い分を書いておきたいと思いました。

在日に有利な共通テスト。
その根拠とは、「韓国語」の平均点が
高いからだそうです。

意外と知らない日本人が多いようですが、
「韓国語」の共通テストは
センター試験の時代から「英語」よりも
ずっと難度が高いんです。

念の為に言っておきますが、
私は日本高校に通っていたので
共通テストを「英語」で受験しています。

なので、
共通テストの「韓国語」を擁護する理由なんて
私には全く無いんですよ。

だって
「韓国語」が依怙贔屓されてるとしたら、
「英語」受験組の私にとっても
不利益だったのですから。

「英語」で受験した私の意見が
公平中立である事は、
日本人の皆様にも納得して貰えると思います。

さて、
「韓国語の平均点が高いのに、
どこが公平中立なんだ!」
と言い立てる日本人がいると思うので
理由を言っておきます。

「母集団が違うでしょう?」と。

大学入学共通テストを
「英語」で受験してる受験生の中には、
平均点を著しく下げる人がいます。

いわゆる記念受験ですね。
ロクに受験勉強もせずに
いちおう共通テストを受けてる人たちです。

共通テストで「英語」を
選択する受験生の中には、
勉強もせずに受験してる人がとても多いんです。

だからこそ、
「英語」の平均点は著しく下がってしまう。

一方、
「韓国語」を受験している受験生は
「韓国語」に自信のある人ばかりです。

問題が難解でも、
「韓国語」の平均点が高くなるのは当然です。

在日アメリカ人の子供が
共通テストの「英語」を受験すれば、
当然ながら「英語」で高得点を取れます。

それと同じ事なんです。

「大学入学共通テストの英語は
在日アメリカ人に有利だから不公平だ!」
なんて言う人はいませんよね?

でも、
それが在日コリアンだと
「不公平だ!」と言われてしまう。

日本で差別主義が
蔓延しているのは明白です。

共通テストの「英語」受験者のうち、
在日アメリカ人だけを抽出して
平均点を算出してみてはどうでしょうか?

おそらく「韓国語」の平均点よりも
ずっと高い数値が出ると思います。

共通テストの「英語」は
日本人の英語レベルに合わせた試験問題であり、
アメリカ人にとっては中学生でも
満点近い高得点が取れる問題ですから。

実は大学入学共通テストで
最も問題が易しいのが「英語」であり、
「ドイツ語」「フランス語」「韓国語」の問題は
ずっと難しいんです。

ついでに言うと、
共通テストは「韓国語」で受験できますが
2次試験は「英語」で受験せざるを得ません。

だって、2次試験の受験科目として
「韓国語」の選択肢がある大学なんて
ほとんど無いんですから。

なので、在日コリアンの受験生は
語学を2科目も勉強してるんです。

大学入学共通テストは「韓国語」で受験し、
2次試験は「英語」で受験しています。

なので
日本人よりも多くの語学を勉強していて、
むしろ日本人よりも勉強の負担が大きいんです。

もし本当に受験における公平性を
確保すべきだと言うなら、
2次試験で外国語科目として
「韓国語」の選択肢を
各大学に義務化すべきではないでしょうか?

今の大学受験制度は むしろ
在日にとって極めて負担が大きく、
在日にとって不利な制度と
なっているのは明白です。

このように
ネトウヨさんが主張する「在日特権」とやらは
デタラメばかりなんです。

共通テストのどこが
「在日特権」なのでしょうか?

最近、ささいなことで
「在日特権だ!」と叫ぶ日本人が本当に多い。

そんな特権なんて全く無いですし、
共通テストだって日本人の方が遥かに優遇されています。

特に、古文なんて
在日コリアンにとって非常にキツイ科目です。

日本の古文なんて
民族学校では重視していませんから。

なので、古文で
ほとんど得点が取れない生徒が多いんです。

それなのに
共通テストのどこが在日有利なのでしょうか?

在日にとって
大学入学共通テストが不利なのは
もはや明白でしょうね。

だけど、
日本人にとって有利な受験制度を
「日本人特権」とは呼ばないワケですよね?

在日特権を声高に叫ぶ人が
公平に「日本人特権」も叫ぶのを聞いたことが無い。

ネトウヨさんにとっては
日本において日本人が優遇されるのは当然らしいです。

「在日特権!」「在日特権!」と
飽きもせずに叫び続けてるネトウヨさん。

むしろ在日特権が存在していて欲しいのか?
と勘ぐりたくなります。

そんなに
在日特権が存在していて欲しいのなら、
「もっと在日に有利なように
共通テストの制度を変えてからにして!」
と言いたいです。

最後までお読みくださって本当にありがとうございました。