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<幕末における日本の覚醒>このままでは日本が植民地にされる!

かつて、
日本は海に囲まれているが故に
世界で最も安全な国だった。

ワールシュタットの戦いで
ポーランド・ドイツ連合軍を撃破し、
世界を席巻したモンゴル帝国。

ヨーロッパの重装騎兵ですら
モンゴル軍の敵ではありませんでした。

何しろモンゴル軍の
一方的な圧勝でしたから。

そんな無類の強さを誇った
モンゴル帝国が
日本攻略に失敗したのはなぜか?

海に囲まれていたからです。

帆船の時代。
海に囲まれていると言う事は
防衛上のメリットが
とてつもなく大きかった。

もしも日本が陸続きだったなら、
元寇を防ぐ事など出来なかった事でしょう。

そして、帆船の時代が続く限り、
ヨーロッパを過度に恐れる必要も
有りませんでした。

しかし、
ヨーロッパで蒸気機関が開発された事で
日本の一国平和主義は終焉を迎えます。

なぜ、
ペリーの黒船が日本人に衝撃を与えたのか?

蒸気機関を動力とする蒸気艦は
木造帆船とは武力が段違いだからです。

蒸気機関の強力なエネルギーがあれば、
重い鉄製の艦でも自在に動かせる。

さらに
木造帆船ではあり得ないような
大型砲を装備できるし、
大量の兵員を送り込む事も可能です。

江戸幕府はペリーの黒船によって
江戸が火の海にされるのを恐れた。

薩英戦争で薩摩が火の海と
なった事でも分かる通り、
黒船の艦砲射撃ほど恐ろしいものはありません。

当時の日本の大砲は
鉄の玉を目標に「当てるだけ」の大砲が
大部分でしたが、

蒸気艦に積まれた大型砲は
飛距離が長いうえに
着弾した時に炸裂して火の海を作ります。

海に囲まれているから
世界一安全だった日本。

しかし、
ペリーの黒船を見た日本人は
ド肝を抜かれます。

海に囲まれている日本は、
日本のあらゆる場所で
黒船の艦砲射撃を受ける危険性がある!

海に囲まれているから
世界一安全だった国が、

海に囲まれているからこそ
世界一危険な国になってしまった!

日本に訪れた
一国平和主義の終焉でした。


「黒船ショック」に対する日本人の迷走


ペリーの黒船来航により、

一国平和主義が通用しない時代になった事を
多くの日本人が認識しました。

では、欧米列強に対して
日本はどのように対応するべきか?

当時の日本人の大部分は
まだ国際情勢の変化を
理解できていない者が多く、

「外国人がやって来たら日本刀でぶった斬れば良い」
という意見(攘夷)が
まずは大勢を占めました。

もちろん、この攘夷という路線は
実現不可能な間違った路線です。

正しい路線とは、
開国して西洋の技術を吸収し
日本自身が近代海軍を備えて
西洋列強と対等の力を持つことです。

幕末から明治初期までの20年は、
攘夷という実現不可能な愚かな思想で
日本人が迷走した時代だと言えます。

日本人の大多数は愚か者でしたが、
日本人の中にもごく少数の
優れた人物がいました。

そのごく少数の優れた日本人は、
ペリーの黒船が来る前から
西洋の脅威に対する正しい対策を
提唱していました。

例えば、林子平。

彼はペリー来日の遥か前から
西洋の脅威を警戒し、

著書『海国兵談』にて海軍の充実を唱えました。

『海国兵談』の内容を知った幕府は、
林子平の先見性ある提案を
褒め称えたでしょうか?

いいえ、全く違います。

「幕府を批判するとはケシカラン!」
とばかりに『海国兵談』を
出版禁止にしてしまいました。

日本の上層部ですら
当時はこの程度の認識だったのです。

それどころかペリーの来日後ですら
日本人の大部分は
「実現不可能な攘夷」を唱える愚か者であり、

正しい路線である「開国近代化」を唱える者は
少数派でした。

日本の幕末~明治史とは、
少数だった「開国近代化」派が
長い時間をかけてやっと多数派になるための
長い長い時間だったと言えます。


泰平の眠りをさます上喜撰(蒸気船)
たった四杯で夜も眠れず


黒船来航によって、
まさに鎖国という名の「泰平の眠り」から
叩き起こされた日本人。

この「黒船ショック」に対して
どのように対応するべきか?

まず、現実の外交を担当する幕府が
最も現実的な対策を考えます。

幕府は愚かとはいえ、
現実の黒船を見て流石に
目が覚めたようですね(苦笑)

開国を拒めば欧米と
戦わざるを得なくなる。

そうなれば清国が阿片戦争でされたように
惨敗した挙句に
より不利な講和条約を結ばされる事になる。

攘夷など実行したら
清国の二の舞いになるのは明白だった。

流石に清国の先例があっただけに
幕府は欧米の手口に気付いたようですね。

幕府は現実無視の「攘夷」に走らず、
「開国」という現実的な対応を選択しました。

そして、列強の黒船に対する
国防体制について対策を練ります。

まず、主要な港に近代的な砲を整備して
黒船に対抗できるようにする。

しかし、
それだけでは十分とは言えません。

日本は海に囲まれている島国なので
黒船はどこからでも艦砲射撃で
日本を攻撃できるのですから。

そんな黒船に対抗する
根本的な方法は1つしか有りません。

日本自身が黒船を装備し、
欧米と対等に戦える近代海軍を備える事です。

そうすれば、
欧米が日本近海のどこに
黒船を向かわせようとも、
日本側もそこに黒船を向かわせて
どこでも迎撃する事が可能になります。

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