信じたくない現実。
嘘だと自分に言い聞かせながら…。
近所に住む義兄夫妻に、彼の勤め先まで連れてて欲しいとお願いの電話を入れた。鹿児島に住む姉と福岡に住む兄に電話を入れた。
姉は飛行機に乗り駆けつけ正午過ぎには奈良に来てくれて、その早さに驚いた。
兄夫婦は新幹線で駆けつけてくれて、義兄夫婦も傍にいて下さったので、葬儀の内容はスムーズに決める事が出来た。
遺体の安置部屋には、壁からベットが出る仕組みになっていた。
私達のベットに比べ、彼の寝台狭かった。窮屈そうな寝台ベットの彼の姿が不憫で、自宅に一緒に戻りたいと何度も思った。
夜中になって、我に戻った。
ラスティ…愛犬の存在。
動転し、愛犬の事を忘れてた。
車で自宅に戻り、ラスティに彼の死を告げた。
この時間なら、私達以外、人は居ない。ラスティを彼に会わせる事が出来る。
バックに入れて、悪いとは思いつつも安置室に連れて入った。
犬とは思えないほど通常から賢いラスティは、この状況を理解した様に静かだった。
私の顔と彼を交互に見て、悲しげな顔で私をみた。
出勤前に、いつもより長くラスティに無言で何かを言ってたのを思い出す。
ラスティには、覚悟が出来ていたのかも知れない。
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