私の好きな原田マハ。
こないだ原田マハさんの本についてちらっと書いたら、幻冬舎の方から原田マハさんの本を読んで感想を書くという企画を教えて頂いたので挑戦してみます。
ちょうど、「奇跡の人」という作品を購入した所だったので、今日まで読んできました。
まず、一言で説明するなら、「ヘレン・ケラーの逸話をもとにしたフィクション」という事なのですが。
原田さんは普段、一枚の絵や美術作品について描かれる事が多い方だと思っていたので、物語を通して、三味線という一つの文化的財産について描かれている事以外は、れんと安の奮闘の日々を描く事に終始していた事が意外でした。
この作品は、原田さんの作品の中で、少し異質であり、そして優れたものであると思います。
目も見えない、耳も聴こえない、喋る事も出来ずに世間から隠すように育てられたれんの、可能性をひたすらに信じてくれた安の存在が、何度も涙を誘いました。
一筋縄ではいかないれんと、安の道。障碍者という枷を背負ったものが、自らの可能性にひたむきになる姿をよしとしない環境。それでも、安という存在の、信じる力が、れんと周りを変えていった。
れんの持つ光、人を思う運命にあると、見つけ出してくれた安もまた、れんの光に惹きつけられ、与える事、与えられる事で力を貰っていたのだと思います。
人の持つ力。それは目に見えないものであっても感じられるし、その先に大きく花開く。信じるというただ一つの方法で。そんな事を教えられた気がします。
一人ひとりの登場人物の生き生きとした描き方が、物語に夢中にさせてくれました。れんの、進化と退化を繰り返しながらありのままの姿で、その笑顔で、人を惹き付ける力。安の、葛藤を感じながらも信念を貫く姿。よしの、未熟ながらも、子を想う気持ちだけは強いところ。家族の者が、れんの変化につれて心がほだされていく様子。
そして、恵まれない環境ながらも、れんと安を心優しく支えようとした人物たち。
その一つ一つの描写が、作品の彩りとなり、温かな気持ちを呼び起こしてくれました。
奇跡の人、そのものが、芸術作品であり、私達一人一人の人間も、可能性を持った芸術作品だと感じました。
この作品は、宝物になりそうです。こんな作品を産み出してくれたマハさんに感謝です。
次の作品も、楽しみにしています。
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