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映画2gether The Movie制作秘話・制作裏話


先が見えない状況でロックダウンが始まり、不安ばかり募っていた2020年3月に突如として話題となり世界中をハッピーにしてくれたタイBLドラマ 2gether The Series。

そのドラマの集大成として6月4日公開された映画 2gether the Movieを数えきれないほど観たのに、足繁く映画館に通うのが2021年夏の生き甲斐となっているYuriです。




先日、映画2getherの音楽を担当したKongさん(Jaithep Raroengjai)と対談する機会があったので、ご本人に了承を得た上で映画2getherの制作秘話を書きまとめました。


KongさんはこれまでドラマHormones (2013-2015)、ドラマHappy Birthday (2018)、映画Happy Old Year (2019)、ドラマWho Are You?(2020)、ドラマVoice in the Rain (2020)、ドラマThe Comments (2021)などの楽曲制作を手がけ、これらの作品はドラマや映画で使われているものを含め彼自身のSoundCloudにて公開されているのでぜひ聴いてみてください。







※ここからは一部、細かく映画のシーンと音楽について言及しているのでご注意ください。







この企画は先日公開されたアスミック・エースのインタビュー記事で書いてあったように、アスミック・エースからの持ち込み企画としてスタート。「日本サイドの依頼でこういう企画があるんだけど…」とKongさんに声がかかったことから、映画2getherの音楽担当をすることが決まったそう。


映画 2gether用に制作した楽曲は長いものと短いものを合わせて全部で52トラックが使われています。

その中でも、Kongさんが手がけた楽曲にはこんな仕掛けもあったとか。

タインがサラワットに向かって走る冒頭のシーンと、タインがソロステージで演奏しているシーンで流れるサントラには、Scrubbのคู่กัน(Khoo Gun / Together / Soulmate)をアレンジしたメロディが組み込まれている。

「全てはこのคู่กัน Togetherから始まり、2人がやっと付き合ってペア(คู่กัน Together)になった時という大事なシーンで流れるサントラに想いをこめたギミックだよ」

と語るKongさん。

やはり2getherはScrubbが大好きで布教したいというJittiRain先生のパッションから生まれ、この作品とサラタイの原点であるということを踏まえた上でこの2つの大事なシーンで使われるサントラにScrubbのคู่กัน(Khoo Gun / Together / Soulmate)にまつわる仕掛けを組み込みたかったという。

泣いた、今すぐ映画2gether観なきゃ死にそう。




音楽以外の制作裏話も教えていただきました。

この映画版を制作するにあたり、ただドラマで流れていた映像を切り貼りして編集するだけではファンに失礼、ダメだ、と言ったFon監督の意向で今までドラマで撮影した様々なアングルの映像を全て洗い出し、映画に最適になるよう一から編集するように指示したという。

本来はテレビドラマ用に撮影されていた映像を大きい映画のスクリーンへ最適化するため、肌のアラや吹き出物などのディテールを一つも逃さずに修正されている。

テレビドラマ用に録音されていた音声は演者たちの肉声以外を全て取り除き、虫の音、足音やペンの走り書きなど動作で出る音は一から映画用の新しい音声が加えられている。

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そして皆さんは作中に出てくるサラワットの部屋がドラマとは違うことにお気付きだろうか?

ドラマではポスターや写真が沢山貼られていたサラワットの部屋だったが、映画制作にあたってドラマ無印2getherからのシーンを撮り直すことができないことから、CGを使って何も貼られていない状態にしたという。

何かが違うと思っていたけど、そういうことだったのか……!

音や映像に集中できる映画館だからこそ、不要なノイズは全て取り除いてサラタイと物語に集中できるように施された工夫だ。

大スクリーンで観るビジュアルにただただ圧巻されていたのですが、そんな地道な努力があったなんて……




そんなわけでKongさんから映画作成秘話を色々教えていただいたのですが、今のところオリジナル・サウンドトラック盤が出る予定はないそう。今までの作品はポートフォリオとして自身のSoundCloudに公開してきましたが、2gether The Movieのサントラの権利は全てGMMTVに属しているため、彼が自ら公開することはできないそうだ。

日本では馴染みのある映画のサウンドトラックは、タイでは一般的ではない。というのも、タイではオンラインの無断転載や市場で出回ってしまう海賊版などでコスパが良くないと判断されて制作がされないという事情がある。

ただ特例として、大ヒットした映画Bad Genius (2017)のサントラは絶対に複製されないという理由からレコード盤の形状で300枚限定でリリースされたことがあるそうだ。超プレミアじゃん。

そんな特例もあるので、日本の権力のある大人の方々、及びGMMTVさんどうかオリジナル・サウンドトラック盤を何かしらの形でリリースすることをぜひご検討よろしくお願いいたします🥺



他にもKongさんが音楽制作に携わった作品が観たい!という方はぜひ映画ハッピー・オールド・イヤー(2019)を観て欲しい。


この映画2getherを含め、Coffee Prince Thailand (2012)、Happy Birthday (2018)、Who Are You? (2020)とThe Comments (2021)でFon監督と共に制作に携わったKongさんは

「仕事の仕方や方向性でフィーリングが合うのでとても仕事がしやすいバディだと感じます」

と話し、これから公開される予定の西洋骨董洋菓子店のタイドラマ版Baker Boys (2021)や映画My Precious (2022)でもFon監督とタッグを組んで音楽担当をすることが決まっています。ますます楽しみ。



そして、いつか #ウェルタイ のゲストとしてお呼びしたい!と思いつつ、こんな小ネタを含めたタイドラマや文化についてお話ししているPodcast番組「WELCOME タイ沼」は毎週金曜日に配信しているのでぜひ聞いてください!

初めてnoteに挑戦しましたが、最後までお読みいただきありがとうございました🙇🏻‍♀️

みんなも2getherしようぜ!!


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