ごめんね

私は、あなたじゃないんです。

あなたが私に求めること、嫌になるほどわかるけど
私はもう、それに応えることができません。

私はあなたとは「違う」から。

今回、あなたに久しぶりに会って、私たちが共有するかけがえのないものを再認識しました。
でもそれと同時に、皮肉にも、私たちはもう戻ることができないほど遠いところにいると、気づいてしまいました。

正確には、私が、遠いところまで、来てしまった。
あなたを置いて。
そしてこれからもどんどん離れていく。
それは確かな事実です。

たとえ根っこが同じでも、
つないだ手が何より大事だった日があったとしても
私はそこに戻ることができない。

そこは、私の居心地の良い場所ではないから。
そうではなくなってしまったから。

悲しいけれど、それが今の私の中にある真実です。

あなたには、きっと一生伝えないでしょう。
きっと黙って距離を置く。
境界線を、有無を言わせず、守りきる。
私にできる、私がすべきことは、きっとそれくらい。
自分のため。相手のため。お互いのため。

私はもう、32年も生きたことになるけれど、
自分と他人が「違う」ということを、
今になって漸くわかってきた気がします。

振り返ると、あんなにも狭い視野で生きてきたんだと、唖然とします。
でもそれが、私たちが経験してくるべき道だったのでしょう。

私は進むことを望んだ。
あなたは望まなかった。
そしてあなたは、そこに留まり続けることを、望んだ。

それだけの話。

もう無理にとは言わない、私はあなたを尊重します。
あなたがやりやすいように、生きていくのに負荷の重すぎないほうを選べばいい。

ただ、私をそこに引き戻そうとするのはやめてほしい。
とても不愉快です。
なけなしの勇気を振り絞って、あなたの居る場所に向かい、
恐れを噛みつぶして、震えを隠して声色を作る、
そんな私の精一杯の努力も、ふつりと途切れてしまいそうになる。
ぎりぎりの気力で保たせている、あなたと私の最後のつながりを、今度こそ断ち切ってしまいたくなる。
だからお願いだからやめてください。


あなたはいつまでそこに居ますか。
いつまで過去に縋りますか。
実在し得ない未来を夢想しますか。
そこに至るための過程も経ずに。
必要な努力と現状認識も行わずに。
他人を罵り嘲って、妬み嫉みを隠そうともしないで。
恥ずかしくはありませんか。
私はずっと恥ずかしかった。
できることを、出来るだけの力でやり抜いて、一歩ずつ進もうとしない人が、私は一番嫌いです。
あなたはそうでないと信じたかった。
いつか、真っ当に、今を生きてくれると思いたかった。

でも、それも私のエゴだと言うなら。
私の勝手な理想の押し付けだとしたら。
私も、手放すときなのかもしれません。
押し付けてしまってごめんなさい。

あなたの胎から生まれて、長らく臍の緒のちゃんと切れぬままここまで来てしまいましたが、それももう潮時のようです。
私とあなたは、決定的に「違う」。

もしかしたら、私もずっと、それを認めたくなかったのかもしれません。
いつかは、適切な親子関係を築けると思いたかった。
こじれた関わりの結び目を解いて、ゆるやかに結び直せると信じたかった。
でも。

思いは正しく伝わらない。
望むことが、お互いの苦しみになるのなら。
私は手放そうと思います。

これからどうなるかわからない。
誰か手助けしてくれる人が現れるのか、
そんな人に出会えないまま、心に不協和音を抱えて走り続けるのか
それすら見ないフリをすることを覚えてしまうのか。
若しくは再び堪え切れずに、同じやりとりを繰り返すのか。

どれをとっても苦しいばかりだけど、それでも私は進もうと思います。
ごめんね

私はどうして生まれてきたんだろう。
この親の元に、家系の中に、生まれてきたんだろう。
私はどこからきたんだろう。
何をするのが務めなのだろう。
私はそれを果たせていますか。
大切なものが、大切だったものが、手からこぼれ落ちていく、そんなふうに感じられても、
私は正しい道を歩けていますか。
だとしたら、どうしてこんなに悲しいのですか。
虚しいのですか。

神様は、時々いじわるだと、思ってしまう
私は罰当たりな子でしょうか。

わたしは