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鯛の煮付け

今日叔母が亡くなったという知らせ。

記憶にはっきりと存在している人が亡くなるというのは辛いけれど
叔母に関しては、辛かった身体から自由になれたであろうかと、少し安堵の気持ちを抱いた。

小さな頃から夏休みには毎年我が家へ来て
数日過ごすという恒例の行事があり、
従兄弟たちと過ごす数日間は
一人っ子の私にはとても楽しみな数日だった。

叔母は大きく騒がないが面白みがある人だった。
飄々としているようで、クスッと笑うような人。
豊かな人で、
アクセサリーや服もセンスが絶妙にオリエンタルで、いつもステキだなーと眺めていた。

そんな叔母の元へ高校の頃、遊びに行ったのだが
私は盛大に飛行機酔いをしてしまい、←すごい揺れでそれから飛行機は新婚旅行まで乗れなかったw
せっかく遊びに行ったのに、さっぱり遊べない状態で家で寝込んでいた。苦笑

かわいそうに思ったのだろう。
叔母は近所のホテルの和食レストランさんへ連れて行ってくれ、
鯛のお頭の煮付けが絶品だからと食べさせてくれた。

美しい器に盛り付けられた
美しい照りっとした鯛のお頭。
檜の香りのするカウンターで
こんなものを高校生がいただいていいのだろうかと
ドキドキしながらいただいたのを覚えている。

おそろしい美味しさだった!!!
(後にも先にもこんな美味しい煮付けをいただいたことがない)

瀬戸内に育つと美味しい魚が恋しくなるんだ。と叔母はよく言っていた。
そうなのかなあ?と
いまだに住んでいる私にはわからないままだ。

そして、叔母の母にあたる、私の祖母の体質なのか、
不定愁訴的なものも多かったようで
私の体調不良の話などした記憶もある。
叔母も辛かったんだなあ。
と、切実に思ったり。

叔母は、身体を抜けた今
どう思っているだろうか。

ひとまず、叔母の天での幸せを祈っています。

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