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公演を終えて

 初めて舞台に立った。練習期間は3ヶ月くらいで、就活が終わってからはずっと稽古に多く時間を費やしてきた。
 未経験だったのでそれはそれは苦労した。いろんな人に支えてもらった。演出とうまくいかないこともあった。いろんな人からもらったアドバイス全部を吸収してものにしたし、できたと思う。制作からは「演者4人の中で一番伸びたと思う」と言われた。伸びしろしかないのだからそりゃそうなのだが、嬉しかった。

 舞台に立つ感覚はすごく不思議で、客席はあまり見れなかったけれど、観客が見ている、フォロワーが見ていると思うと逆に演じている自分たちの空間に集中できた。
 昼公演と夜公演があり、個人的には夜公演の方がうまくいったなと思う。たった1日しかない公演。初日と千秋楽がいっぺんに来て、それでも千秋楽では一番いい形のものを見せられたのではないかと思う。

 私は喜怒哀楽の哀の役で、「あの人」がいなくなったことに悲しみを覚えている役どころ。私と似ているところも多かった。初対面の人を恐れていたり、どんな相手でも嫌われることが怖かったり、いなくなられることが何より不安だったり。
 でも変なところでガッツがあって、お金もない家もない仕事もない三重苦になっても自力で住み込みの仕事を見つける。どうにかして這い上がろうとする気概がある。似てるなあと思った。

 舞台に立ってみて、舞台は1人のものじゃないことを経験として理解できた。音響や照明がなければ、特定の場面を印象的に演出することはできない。制作がいなければそもそも公演の開催も危うい。30人ほどが関わっていたが、その30人全員がいないと成立しない。それが公演というものなのだと私の胸に強く刻まれた。集まってくれて準備してくれた全員に感謝の気持ちでいっぱいだ。

 フォロワーは私が把握しているだけでも6人が来てくれた。平日なのに。30人ほどのサークル内ツイートで告知して5人、直接会った時に話して来てくれたのが1人。1人来てくれるかどうかだろうなと思っていたから嬉しかった。友人と後輩も来てくれた。
 差し入れをくれたフォロワーたち、ありがとうね。美味しくいただいております。

 公演が終わって5日経つ。少しずつ興奮と緊張が溶けてきたのを感じている。昨日まではそわそわして高揚感があり何も手につかず、同時に不安も強くなって食欲が減退して食事が喉を通らないほどだった。食べられそうなものを無理やり食べていた。
 今日はバイトを休んで昼まで眠った。こういう時、当日欠勤が許されるバイト先でよかったと思う。来年度からが心配だが。
 この後はヨガと銭湯に行こう。きっと自律神経の問題だと思うから。

 舞台に立つことはもう生涯ないだろうなと思う。そんな晴れ舞台を、インターネットの海を抜けて遠い遠いところから見にきてくれたフォロワーたちには感謝しかない。本当にありがとう。

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