ローズパーティー忘備録(八代カケルに堕ちた話)

2018年6月10日、立川立飛の体育館でキンプリのトーク&ライブがあった。公演が終わった後、私はただひたすら「この記憶や感動が薄れるのが怖い」と思った。その記憶を僅かでも残したいという動機でこの忘備録を書く。どこをとっても主観であるので、ただのログとしては機能しないかと思う。日記に近いものとしてご覧いただきたい。

また、思った事を一切隠さずにできるだけ感情に忠実に書くつもりなので、端々に痛いオタクが出てくると思う。イミフポエムや誇張表現などは笑いたければ笑ってほしい。

東京の前日の最高気温は三十度、当日の最高気温は二十度という、地球ちゃんの情緒が不安定な日だった。雨が降っていて、近くのららぽーとにはエリートがひしめいていた。私は強火のアレクの女と共に、開場を楽しみにしていた。パンフレットを捲って最初に書かれていた文章を読んでもう泣きそうになるなどして、明太子クリームパスタ(M)を食べ、昼の部へ向かった。

会場に入ると狭いロビーに人がごった返していた。アレクの女はフラスタの写真を撮ると言い、その手に興味が無い私は、先に席へ向かうことにした。アリーナのあるブロックの、百番台だった。

会場は見事なまでに体育館だった。前日まで靴を脱いでスリッパで入るかもしれないと思っていたが、下にはベニヤが張られていて土足でOKだった。よかった。ど真ん中には立派なステージができていた。ステージは床に映像が映る仕組みになっていて、マジの本気じゃん……と頭空っぽの感想を抱いた。

席番的に後方ということは分かっていたので、ブロックの一番後ろへ向かった。すると最後尾が「1」から始まっていた。信じられないが、後ろから番号が始まっているらしい。他のブロックもそうだっけ?と通りすがってきた別ブロックの席番を思い出しながら前方へ進んだ。どの辺りなのか検討がつかなかった。私はどんどん前方へ進んだ。

気付いたら、最前列にいた。

パニック!パニックです!パニック!何回確認しても席番は「おまえ最前列な♡」と言っていた。最前列、生まれて初めての経験だった。手が震えてしばらく座る事ができなかった。私はアレクの女に鬼LINEをした。

どうしていいか分からなかった。一人でいるのが怖くてフォロワーに泣きついた。皆「おめでとうございます」と言ってくれた。あと「生きて帰りましょう」と「お互いご無事で」と死地に向かう戦士のようなことを言った。皆本気だった。それほどキンプリというのは我々にとって一大コンテンツだった。

席に戻るとアレクの女が座っていた。隣の席の人と「ヤバいですよね!」と朗らかに会話していて、メンタル強~!さすがアレクの女~!と思ったが、よく見たら彼女の手と唇は震えていた。お互いスマホの操作がうまくできなくなっていて、ゲラゲラ笑った。

アレクの女が「この舞台の作りだと最前列が沢山あっていいね」と言っていた。ステージは左右が長い十字キーのようになっており、そのほとんどの辺を席が囲っている。確かにこれは幸せになる人間が増えてとてもいいなと思った。

今回私はペンライトを二本所持していた。一本はMRSの、もう一本が今回ロズパで販売されたものである。

ややこしいオタクの説明をさせてもらいたいのだが、ファンとして推しているのはユキ様だ。キンプリ初見時、かんざしをさした瞬間からユキ様を推している。だからキンブレの一本は青にした。

そして私の中には『少年として』キンプリを見ている自分がいる。特撮ヒーローを見ている自分がこれに該当する。その自分としては『尊敬するのは仁科カヅキ』『なのでライバルは香賀美タイガ』だ。タイガに関してはマジで嫉妬心メラメラで見ている。FREEDOMをカバーした時は「俺はまだまだなのにタイガはもうそこまで行ってしまったのか」と謎の対抗心でハチャメチャに悔しんだ。意味が分からないだろうが本当のことだ。

なので私はもう一本のキンブレをオレンジにした。意味が分からないだろうが本当のことだ。

自身の少年に聞いたところ、なんか分からないけどカケルをメチャクチャ応援したい!と思っている事に気付いた。カヅキさんほど分かり易い「バリバリカッケー」ではないし、タイガほど分かり易い「悔しいけどスゲー」ではない。でもその時その瞬間、「俺はもう一本をカケルにする。カケルを応援する」と思った。これが後程どえらい目にあう事をまだ私の中の少年は知らない。

暗転する。喉から悲鳴が出る。昂りが押さえられなくて声が出る。自然とニヤニヤした。モニターに、シンちゃんから順番にキャラが出てきた。プリララのカードイラストが次々と出てくる。毎回のことなのだが、誰が推しだとか関係なくレオが出た瞬間全エリートが「かわいい……」と口にする。仕方がない。思わず口を突いて出る可愛さがレオにはある。

明転すると四方八方からキャストが出て来た。会場は狭く、距離もありえないほど近い。一番近くを通って行ったのがユキ様である斉藤壮馬だった。瞬間私は神に謝辞を述べた。当然謝辞とは「ユキ様!」である。

キャスト全員の挨拶。この時だったか定かではないが、シンちゃん役の寺島くんが「生まれる準備、できてますか~!?」と言った。初めてそんなこと聞かれた。キンプラ初見時意味が分からなすぎて強烈に印象に残っている「僕、生まれた♡」をぶつけられると思っていなかった。生まれる準備……できてたのかな……その覚悟はしてこなかった。エリート失格である。

斉藤くんはツイッターで宣言していた通り「ユキ様の天然っぷり」を遺憾なく発揮し「わんばんこー!」と叫んでいた。カケルの台詞である。昼である。いい声である。

畠中くんがめちゃくちゃ猫背で顎を前に突き出して立ってて「畠中タイガだ……」と感動しまくって隣のアレクの女を小突いてしまった。申し訳ない。

昼はライビュがあり、韓国でも上映されているらしいので、まさしがカンペを持って韓国語でカメラに向かって挨拶をしていた。何を言っているのかは分からなかったが、後にツイッター情報で「ミナトを愛してください」というような事を言っていたらしい。ずるい。そんなもん愛する以外にない。

挨拶の後、コーナーへ移った。3チームに分かれて『お題』と『キャラ』をそれぞれ引き、キャラの新しい設定を考えちゃおう!よかったら監督採用してください!のコーナーだ。

ボックスからチーム分けの紙を引く。Aが内田・武内・蒼井、Bは寺島・八代・永塚、そしてCが斉藤・畠中・まさしだ。まさしがCだと分かった瞬間、斉藤・畠中は逃げた。「皆~♡」とまさしは追っかけまわした。相変わらずまさしは大変まさしかった。

以下、覚えているところだけざっくり書く。

『寝る前にすることは?』『涼野ユウ』
A・Bチームがいとちゃん関連の回答を出す中、Cチームが「三つあるんだけど」と順番に提示。最後のまさしの回答を「本当に出すのか」と心配する斉藤くんと畠中くんをよそに、堂々と出した回答が『ちちしぼりトレーニング』

ざわつく会場。

まさし「考えていたら雄大な(ユウからのインスピレーション?)牧草地が広がっててね、そこに牛が一頭いたんだよ!(目ギラギラ)(内田くんににじり寄りながら早口)」
内田「う……ウワ~~~~~!!!!」

シュワロ組に泣きついていた内田くんですがいや分かるよ、怖いもん。因果関係がわかんないもん。『涼野ユウが寝る前にすることは?』『ちちしぼりトレーニング』だもん。仮に脳内に牛が現れたとしてもフリップに書かないもん。怖いもん。さすがまさし。このアクセル全開ブレーキ知らず、やろうと思ってできることではない。感心するし、ちょっと羨ましい。

『今一番欲しいものは?』『太刀花ユキノジョウ』
満場一致で『台詞(出番)』、全員が舞台中央に集まってヤッター!と円陣を組み、司会進行の寺島くん「いや、これそういうゲームじゃない!」

ユキ様……ご本人も台詞が少ないとお思いになられていた……キンプラで「自分は辞退します」って言った時の衝撃覚えてるよ……応援上映の誰よりも本気で「えー!?」って言いました……。寂寥感に苛まれながらも、皆が「満場一致だね~!」って集まってるのは、それはそれで可愛いし別物なので田舎のおばあちゃんみたいな気持ちでウンウン頷いた。

MRSの時に一人シュワロで敵対している図もあったからか、武内くんが皆でワーッ!ワイワイ!と和やかにいるイメージが無かったが、とてもにこやかに楽しそうにお話しているのを見てこれも田舎のおばあちゃんの気持ちになった。

夜の部バージョン。
『チャームポイントは?』『西園寺レオ』
斉藤「たくさんある!!!!(ええ声)」

皆が「それはある」「もうある」と言う中一番声を張り上げた斉藤くん、夜の部はチーム分けも永塚くんと同じCで(両手を広げてハグで出迎えた)声がパンッパンに張りつめていた。

Bチーム寺島くんがものすごく自信満々に「100個言える」って言いきって、回答も「肩幅!斜めから見たところ!」とか「ニーハイの書き方!」とかハキハキ発表した後で、Cチーム永塚くんが「実は戦国武将好き。ユキ様からこう遡っていって……」という説明に対し「それ101個目だった」と寺島くん。

『好きな寿司ネタは?』『如月ルヰ』
Bチーム「エビフライ」
シンちゃんの好物からだろうけど、「カリフォルニアロール的な……」という解説をしていて、完全に玉子と同じフォルムを想像していた私は「めっちゃうまそうやん」と思った。海苔巻でタルタル入りにしたら、それめっちゃうまそうやん。

Cチーム「シンちゃん」
ダイレクトすぎる。同じく私の脳内で玉子と同じフォルムのシンちゃん巻が出てきた。まさしがやたらとシンちゃんの身体にくっつくであろう米粒のでかさに拘っていて、本当に意味が分からなかったけど、「プリズムジャンプだったらパーっとシャリが出てきて、そこに……」とフィールドをプリズムジャンプにした途端、会場全体が「あ~……」と納得の声をあげた。私も「あ~……」と頷いた。

プリズムジャンプだったらシンちゃんだって寿司ネタになる可能性があるんだもんなあ……と思ったが、今タイピングをしていると『好きな寿司ネタは?』『シン♡』ってメチャクチャシュールである。キンプリが料理アニメだったら現実になったかもしれない。なるかな?ワンチャンあるかもしれない。キンプリが52話あったら1話くらいあったかもしれない。あるかな?ここまで真剣に考えさせられるまさしの言い分、本当にすごいと思う。

そして蒼井くんのいるAチーム「エンガワ……普通の書いちゃった……」とのことだが、BからもCからも「最初それ書いてた!」と声が上がった。色のイメージで、とのことで、ほんとは満場一致だったんだ……と口々に零した瞬間、

蒼井「どうする?時間、戻そうか?」

「よーし好きな寿司ネタかあ!」「皆書いた?!」「せーので言おうか!」「せーの!」\エンガワ!/「ピタリ賞だー!」「やったー!」

大好きすぎる。蒼井くんの発言から誰もツッコミもせず即座に時間が巻き戻り作業にとりかかり、エンガワで一致して中央に集まり盛り上がる全員が愛しすぎる。ディズニー映画の序盤くらい微笑ましい。空は青く鳥は歌い花が咲き皆が笑顔である。

円陣を組んでワイワイしている時に、まさしが言った。
「だってねえ!貝だもんね!」
ワイワイが止まった。
「え、貝……?」「貝じゃない」「貝?」
まさし特有のボケかと思えば「えっ、エンガワって貝だよね?え!?貝でしょ!」とマジな様子だった。途端に会場がザワついた。ディズニー映画の中盤くらいのざわつきだ。舞踏会とかでなんかえらいことが起こった時のザワザワである。

まさしは尚も「えっ貝のさあ!あの、びらびらの部分でしょ!?」と貝説を譲らない。誰かが「貝のあの部分だけ取ったの!?」と尋ねたが聞く耳を持たない。ここで誰かが「拓がオフになってる!」と話を八代くんに飛び火させた。いやいやと一歩引く八代くんに、まさしはすごい迫力で「なあ聞かせてくれよお!お前の熱いエンガワの話をよお!」と詰め寄る。すごい速さだった。躱すかと思われたが、想像に反して八代くんはまさしの腕を取り、下手の花道の真ん中まで連れて行った。シンとする会場で、マイクを通した八代くんの小さな声がした。

「あのさ……、……結局エンガワって何?」

お前も知らないのかよ!!!!!!!!もう大団円!!!!大団円です!!!!
周囲の客席から口々に「ヒラメ!」と声が飛ぶが、「聖徳太子じゃないから分からない!」とまさしは相変わらずまさしだった。「ヒラメだって!」と八代くんが言う。ヒラメ!貝じゃないの!ヒラメ!と言いながらステージに戻り、まさしは尚も「エンガワって淡泊な味だよね」と言う。内田くんが「どっちかっていうとネットリしてない?」と言い、私は甘くて割とねとねとして脂っぽいエンガワのことを思い出していた。まさし、エンガワだと思ってイカ食べてないか心配になった。

コーナーが終わり暗転する。マイクスタンドが運び込まれるが、武内・蒼井・まさし以外はその場に貼りつきだ。昼の部、暗闇の中で内田くんが「今まさしいないからアレやろうぜ!レディースパーキング」とお茶目な事を言う。退場しないので皆それぞれへんな踊りを踊ってた。自由だ。みんな可愛い。あー可愛い。

明転して、キャストは慌てながらも楽しそうに各自マイクの前に立った。朗読劇のコーナーである。この朗読劇だが、詳細は割愛する。膨大すぎる。COOさんアドリブにすごく笑ったし、メタネタも大好物だ。タイガの「俺の台詞少ねーなー!」とかも好きだ。口で「ガラガラガラバーン!」とか言っちゃうところも大好き。最後に「入学式、遅れるぞ」でシンちゃんが高校生になった事もヒェ…そこは夢じゃない…ってなったし、「あの、皆さん、もしかして同じクラスとかじゃ、ないですよね……?」というシンちゃんに対し、全員が「はぁ?」で終わるところなんか、前半との対比でメチャクチャ好きだ。でも割愛する。言動に対して「好きだ」しか用いれないからだ。

キンプリお知らせのコーナー。寺島くんと畠中くんのラジオ組でのトークだ。物販やコラボカフェ、ロズパのDVD発売決定などを寺島くんが紹介する中、傍で立っている畠中くん。
「これ俺いる意味あるか!?」と言うものの、台詞が沢山与えられたらどうなるかラジオでお察しとのことで、「俺に台詞を与えるな!!」と堂々としていて潔かった。ショップバッグ持ってモデル立ちしていたのも可愛かった。夜の部ではショップバッグを勢いよく肩にかけすぎて首一周してた。

このコーナーもだけど全体的に寺島くんの進行がサクサクしてて、すごく聞きやすいし、なんかすごくすごかった。私が馬鹿なのはこの文章でお察しだが、馬鹿でも明快に全て分かるっていうのが凄い。分からないところが一個もない。

ライブパート。今思い出しても心臓が千切れそうになる。
暗転してレーザーが光り出してからの記憶が曖昧だ。自分の中に感情があったかどうかも分からない。感情を感じる余裕が無かった。目の前の出来事をただ見ているだけしかできなかったように思う。

RNV
まさかの十字架を背負ったマントで登場。だがそれがいい。プリララで吸血鬼映画をやった設定なので、あの世界に歌番組があればこういうパフォーマンスなんだろうなと思う。疑似の疑似である世界が現実に起こっていた。

ダンスや立ち回りがパーフェクトだった。歌いながらここまで踊って、声優ってとんでもない職業である。最初下手に出てきたのは内田くんだった。表情がユウそのもので、歌って踊って芝居までしているってもう信じられない。私は両手に一本ずつ持っていたキンブレを右手で二本纏めて持ち、ガシガシ振った。夢中だった。途中で確か回し蹴り?をした内田くんの靴がすっぽ抜けて飛んで行った。めっちゃユウやんと思った。ハプニングまで二次元が三次元で起こった。

ポジション入れ替え時の杖のパフォーマンスも好きだ。三人でパートごとに杖を持ちまわることの、なんと小生意気な感覚!武内くんは毅然と、八代くんはニヤッと、内田くんは小悪魔的にと別々の表情で杖を受け渡していくのがやたらとエモい。エモいという言葉が近年生まれてよかった。適切な言葉が思い浮かばない。

ところでこちらの記事だ。

この八代カケルのRNVソロショット、こうだった。

(本当に汚い図解で申し訳ありません)

つまり私と八代氏の線直線上にカメラマンがおり、私はこの時、八代氏のウインクをダイレクトに三回ほど受けた。

ガシガシに振っていたペンラを動かす事ができなくなった。

十王院カケルは16歳の設定だが、八代氏は25歳である。えっ25歳!?今ウィキペディア見たんですけど25歳なんですか!?わっか!25歳!?嘘でしょ!?なんで!?(なんで?)25歳!?いや25歳だそうだ。えっ25歳…… まあそう、25歳らしいのだが、つまり16歳を演じていても本人は25歳なので、大人の色気がバリバリなのだった。しかも吸血鬼の設定で。私は暫く口を開けて呆然としていた。ダイレクトにカメラにするキメ顔をモロ浴びした。この時私の中にどういう感情が芽生えたのか定かではない。前述通り、この時私に感情を感じる余裕が無かった。ただ事実としてペンライトは振れなくなったし、口は開きっぱなしだった。手が冷たくなった。恐らく脳みそへ全血液を回すのに身体が必死だったと思われる。楽曲もちょっと聞こえなくなった。聴覚を動かしている余裕が無かった。気持ち悪い事は重々承知の上だ。でも事実だ。なに……?と混乱している内に楽曲は終わった。

サジタリウス
息も絶え絶えになっているとサジタリウスが始まった。アップテンポで、これもキンブレをガシガシ振れる最高の楽曲だ。またシン・タイガ・レオの中学生組の楽曲ということで、無邪気で楽しそうな感じにこちらも自然と満面の笑みになる。

「忍んで盗んで挑んでいざfight! 飛んでみせろWe can do it!」の変調の主線が特に好きで、心の中のギターがギュンギュンにうなりを上げる。私のペンラもこの日一番小刻みに動いた。サビの「絶望世界ごと~」の箇所のフリは想像通りの親しみやすさで、年に数回ライブをするようなことがあったら、ここ客席が一緒になって踊れるところだよなあ~!ライブ向きだよなあ~!とイベント内容どおりのワクワクである。

ステージ中央のパフォーマンスだったのでサイドから詳しくは見えなかったが、三人が一緒に踊っているところ正面から見たいと思わせられたのでライブDVDを買います。

SFY
悲鳴も出ない。
まず蒼井くんが太腿中央までしかないパンツで、すらっと真っ白な足が優美にこちらへやってきたところでルヰだった。あれはルヰの足だった。武内くんは逆サイドなのでその時はよく見えなかったが、声が圧倒的に『あの』SFYのファルセットで、蒼井くんの声と合わさって身震いした。

この楽曲も大変素晴らしく、讃美歌のような美しさを感じるパートと私の大好きなライブ栄えするギャンギャンペンラ振りパートがある。Aメロでは両手で厳かにペンラを捧げさせていただき、キーボードのシンセ以降はペンラどころか頭まで振れるのだ。こんなに力強いのに儚く思える楽曲は類を見ない。言ってキーボードでアガるのは一瞬で、後はアップテンポながら伴奏は落ち着いており、二人の優美な声でグイグイ引っ張られていく。

デュオで、二人が手を合わせるフリや動きがシンクロするフリも多々あるにも関わらず二人は別々の力強さを放っている。アレクとルヰは別々の方を向いているのに、実力においてこの楽曲を昇華している。シュワルツローズここにありという感じだ。あと蒼井くん、座ってウエストを捻って歌う箇所があるが声質に全くブレも変わりもない。どういうことだ。美しい。

氷上白浪男
繰り返すようだがアップテンポのペンラガンガン振れる曲が好きだ。ライブなら尚更である。
三味線がロックにマッチングする大変ありがたい曲だ。ユキ様がメインの曲とあって感慨もひとしおである。ボーカル部分も半音が多く和のイメージが強いが、三味線をはじめ伴奏がドンドコロックなのでアガらずにはいられない。

この楽曲で声を上げて泣いてしまった。おそらく脳がパニック続きだったところに更に最高を叩きつけられて脳がショートしたのだと思われる。ちゃんと見たかったのに涙で掠れて斉藤ユキ様のお美しい姿が掠れてしまったのだけが残念だ。

あとミナトの生「僕のこと、優しいだけの男だと思ってない?」が聞けて首がガクガクになった。まさしはあんなにまさしなのに、ミナトになると途端にこれだ。三人の和傘パフォもジャケ写を思い起こさせてかなり現実だった。でも涙で前が見えなかった。DVD買います。

SD!
可愛いの権化である。
サビの「だからどうしたのって聞かないで~」の箇所でぴょんぴょん跳んでいるところを見て笑顔にならない人間はいない。終始笑顔でペンライトを振っていた。これはガンガン振るタイプではなく、ぴょんぴょん振るタイプだ。ダンサーさんが持ってきた巨大なプレゼントボックスに囲まれて歌う永塚くんはただただ西園寺レオの可愛さを放っている。

大サビ前では四つのボックスを縦に並べて、その後ろからぴょこぴょこ顔を出すのだ。9割方ウサギちゃんだと言っても過言ではない。と思っていたら上の二つが取り除かれ、永塚くんはその後ろに隠れている。何かと思ったら大サビで膝立ちになり、二つ重なったボックスに両肘をついて歌い始めたではないか。ウサギちゃんじゃなかった。妖精だった。西園寺レオという妖精だったのだ。思わず「そんなことする~!?」と心で叫んだ。ラブリーがカンストしたと思ったのはこの日が初めてだった。

SSR
これだよ。
開場前にプリララでロズパオリジナルストーリーとスチルが公開されており、スチルを見た時から薄々「まさかね……」と思っていた楽曲だ。ツイッターはこのスチルのおかげで阿鼻叫喚だったし、フォロワーと会った時にお互い死を思い慰め合っていた。現代版メメントモリだった。

アルバム未収録楽曲なのでもしかしたらスチルはブラフではないかと思っていたが、どっこいドストレートに現実だった。ホワイトデーストーリーを読んだ身としてはこの楽曲でライブをやっているのを見ると感動もひとしおといったところである。曲としては冒頭「甘い想いサンキュー」の箇所がガガガガガッとしていて大変好みだ。

会場は緑とオレンジのリウムで埋め尽くされており、まったくスチル通りであった。彼らのライブを見に来ているのだと思うと頭がくらくらした。更に振り付けまであるのだ。合いの手を入れるところも多々あり気が狂いそうになる。しかも初出しの二番まである。感情に余剰が出る。思いの外記憶が白い。ラビューラビューラビューのところをエンリピしたい。八代カケルもだが、畠中タイガが笑顔でこれを歌っていることに涙を禁じ得ない。振り付けが可愛い。幸福感で満たされる。Mステにいつ出るんだろう絶対録画しなきゃと思ったが彼らがMステに出ることはない。もう分からない何もかも。

感動したのはSSR終わりにそのままダンサーさんのダンスパートに入ったことだ。SSRから曲をそのまま引いて(リミックス?分からない)バリバリのダンスが見られた。キレが鬼すごい。ホワイトデーがテーマの曲ながらこんなにかっこいいダンスミュージックなこの曲が、タイガとカケルの曲であることが心から嬉しかった。今度はこのパートでタイガとカケルのダンスバトルも見たいものだ。

SNS
意外性ナンバーワンだったSNSだ。
ここまでやるのか。ロズパは福利厚生がしっかりしている。
なんといってもジャケットプレイだろう。花道の端々を行く楽曲で、残念ながら私からはよく見えなかったがモニターでそのバサバサを拝見した。

思えば衣装が曲ごとに少しずつ違う。ありがたみの極みである。陳謝だ。この辺りで私は息切れが大変だった。脳に酸素が回らず、ぼーっとしながらフレッシュな新入社員を応援する楽曲を聞いていた。私自身が新入社員でもフレッシュでもないからかもしれない。でも「くーりかえしてく毎日の」の三人で電車ごっこみたいに肩を持ってぴょいぴょいしているのが可愛いのははっきりと分かった。

これもフルバージョンだった。こちとら記憶が飛んでいるのでちゃんと聞きたい。Mステ出るの来週だっけ?と思ったが彼らはMステには出ない。ライブで新曲をフルで聞くとMステで確認できると思っている自分の習性に今しがた気付いた。これはもう逆にMステに出るんじゃないだろうか。新入社員へ向けての応援ソングです、どうぞ!と弘中アナが言うのではないだろうか。言わない。DVD買います。

ルナティックDEStiNy
キンプリとキンプラそれぞれの、ルヰくんとシンちゃんの映像がモニターに流れる。シンちゃんへの気持ちをつづったコメントが流れ、舞台に蒼井くんが現れる。

今思い出しても鳥肌が立つ。あのピアノのイントロと共に蒼井くんが登場する。会場はキャアと一瞬声が上がったが、すぐに静まり返った。会場は白いペンライトで覆い尽くされる。蒼井くんの一挙手一投足を、息を呑んで見た。それはキングプリズムカップ会場だったし、目の前ではルヰくんがプリズムショーをしていた。いやプリズムショーではないんだけれど、どう見てもプリズムショーだった。生歌というのはここまでCD音源と違うのだろうか。ルヰの苦しみや痛みや、シンへの感情が伝わってくるようだった。

一番サビでは天井からステージ中央へ、赤いライトが一本落ちていた。概念ポールダンスだ。やっぱりプリズムショーだった。ここでも座り込んで切なく歌い上げる箇所がある。四人のダンサーさんも、まるでルヰの周囲を舞う白い羽根か花弁のように狂おしげに踊っている。

そして大サビだ。間奏でダンサーさんが互い違いにアーチを作り、ルヰが通ると脆く崩れていく。美しい崩壊だった。そして夜の部だけ、アーチを潜り抜けたルヰが痛烈に叫んだ。忘れることができない、「禁断のキャントストップフォーリンheaven」で胸を引き裂いた、その時の叫び声だった。

静かに涙が出た。お隣だったルヰ推しらしい子が、震えていた。美しく、また、つらかった。あんなに聞いた楽曲なのに、私はここで初めて真にルヰの孤独を知った。

クレゴナ
ルナティック終わりでそのままクレゴナがかかった瞬間、あったかくなった。ルヰくんがシンちゃんを呼ぶ。シンちゃんは、「すぐに行くよ!」と言って寺島くんが現れる。こちとら笑顔が止まらない。今更私が言うことでもないが、この楽曲は曲も歌詞も最高にイイ。ダイヤを散りばめてるような夜景を車から見てるよカラオケも飽きちゃった頃でも腕に手を絡ませればご機嫌なんですよ!?

先ほどのルナティックとはうってかわって幸せな二人の光景に胸が熱くなる。また「腕に手を絡ませればご機嫌」も劇中同様絡ませるわけだが、寺島くんがちゃんと腕絡ませポケットを蒼井くんに作っているのだ。こちらとしても、ご機嫌もご機嫌である。

これも夜の部だけだが、蒼井くんが「憧れる魅惑の『ダンスナァ~イ!♡』」と、とっても嬉しそうに歌詞を台詞へと変える部分があり、それを受けた寺島くんも「夢のような出来事でも 一緒なら現実『と、思えるよ~!』」とアドリブを入れていた。号泣だ。さっきのルナティックからの、今のクレゴナである。かたまりのような幸せだ。どうかそのまま末永く幸せになってほしい。劇中でこの後えらいことになるのは知っているが、この会場の二人はこのままパッキングして保存しておきたいくらい、夢のように幸せなのである。

曲が終わり、会場が暗転する。クレゴナの余韻に浸っているところに、モニターが点いた。

恥も外聞もなく叫んでいた。叫んだし、号泣した。隣にいたアレクの女にしがみついて泣いた。
中盤ラジオ組がキンプリ関係のお知らせをしていた時に寺島くんが全部言い終わった後、畠中くんが「……ん?終わりか?」みたいなリアクションしていたので何かあるだろうなと思っていたけど、まさか新作を地上波でだとは思わなかった。しかも各キャラにスポットを当てたキャラ掘り下げ形式だ。そういうのに弱い。本当に弱い。また各キャラへ添えられている一言が一人ひとり一々泣ける。やだよーそんなこと言わないでよー から そうだったんだね強い子だね から 絶対闇やんけお前 まで、2019年春までやきもきして暮らすのだ。

キャストが登壇する。ありがとうの声が止まらない。寺島くんが「新章やりまーす!」と満面の笑みで言ってくれた。そのままドラマチックLOVEへ移行して、もう最高のひと時だった。地上波について各決まったコメントを一人ずつしてくれるところで、「今、この瞬間は、今しかありません」というような言葉があった。身に染みて、そこに立っていられることを特別だと思った。

ドラマチックLOVEは初のシュワロ込みでの歌唱で嬉しくてたまらなかった。ライブの最後になんてふさわしいのだろう。でだ、こう感慨深くドLOVEを聞いているとえらいことになった。曲の終盤キャストが円になってその場で立って歌うパートがあった。目の前に八代拓がいた。もうど真ん前だった。これは百パーセント私の勘違いなのだが、その間絶対絶対ずっと目が合っていた。矛盾する事を言うようだが、いや勘違いなのだ。理屈としては分かっている。でもどう考えても目が合っていた。八代拓がにこにこしていた。まあ勘違いだ。でも目が。勘違いだけど、目が合っていた。ずっとだ。お分かりだろうか?にこにこしていたのだ。にこにこしていたのが八代拓で、真っ白になっていたのが私だ。なんてことだろうか。後から聞いた話だが、八代氏は自身の色を持っている客に対しファンサが熱いらしい。とんでもねえである。あれ?と思っていたら円になっていたキャストがくるくるまわりはじめ、なんかその流れで両手での投げチューを食らった。いやいやとんでもねえ。死地じゃないか。困った。

ガクガクに動揺していたら大サビ「恋した」で「私もー!」と叫ぼうとしたら銀テが派手にバーン!と飛び出した。ドLOVEで初めて「私もー!」以外の「ヒェ」という言葉を発した。

ドLOVEが終わり、キャストの挨拶だ。とにかく全員の終わりに「ありがとー!」と叫んだことを覚えている。キンプリに、今日という日のロズパに、そして新章に、感謝が止まらなかった。情けない事に詳細はほとんど覚えていない。DVDを見ます。屍になっていたらビビッドハートセッションと共にエンドロールが流れてきた。これ、キャストのコメントが昼と夜で違ったので両方DVDに封入してもらいたいと思う。アンケートに書きます。毎回スペシャルサンクスにエリートの皆さんって出してくれるキンプリ本当にありがたい。

思い出は以上である。この後色んな人と会い、普段は舞台役者ですか?と聞かれることが多いほど声のでかい私が蚊の鳴くような声で「とんでもない」「やしろたく」「しんしょう」「やしろたく」「こんなはずじゃなかった」「こんなはずじゃない」「こまった」「しんしょう」「どうしよう」「たすけて」と繰り返したなどがあったが、これをきっかけに会えた方、また今後会う予定を立てた方々がいらっしゃって、プリズムの煌めきは実生活でも地続きで煌めいている。この感謝をまずは、プリララを起動しプレイすることで表そうと思う。新イベ、ルヰくんの新曲プレイしてきます。

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