リレー企画「あなたが愛した負けヒロイン」②
どうも。ヒロイン研究会主催者の舞風です。この前感傷マゾ関連でバズってしまい悔しかったので、次は負けヒロイン関連でバズりたいと思います。くそう……。
さて本企画ですが、名前の通り「自分の好きな負けヒロイン」を紹介するリレー企画となっております。主催者なので、流石に第一回は自分が務めさせていただきます。言い出しっぺだしね。
……そう言っていたら、なんとありがたいことに僕より早く完成させて下さった方がいらっしゃいました。この調子で負けヒロイン好きの輪が世界に広がって欲しいですね。僕が一人でやる羽目にならなくて良かった……。
というわけで、今回は二回目となります。今回自分が紹介したいのは『中二病でも恋がしたい!』のとあるヒロインです。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の彼女は有名過ぎますし、もう少し温めておくことにしましょう。
彼女は多分僕が最初に出会った負けヒロインであり、そして今なお僕の心に深く突き刺さって抜けない辛さがあります。この記事を書くために改めて見直していたらやっぱり辛かったです。うぅ……。
ここから彼女に興味を持っていただければ、嬉しいです。これを読む前に『中二病でも恋がしたい!』を見に行って頂けたならもう最高です。
では、参ります。
※以下、「中二病でも恋がしたい!」のネタバレが多分に含まれます。ご注意ください。
皆さんは『中二病』という言葉をご存知だろうか?
思春期を迎えた中学二年の頃にかかってしまうと言われる恐ろしくも愛すべき病で、形成されていく自意識と夢見がちな幼児性が混ざり合って、おかしな行動をとってしまうという……アレだ。
『中二病でも恋がしたい!』一話より
このパンチの効いた一節から始まるテレビアニメ『中二病でも恋がしたい!』は、タイトルの通りいわゆる『中二病』を発症している少女、小鳥遊六花と、『中二病』をかつて発症していた主人公、富樫勇太の二人が織りなすラブコメ作品となっています。
『中二病』とは、主に具体的には自分は魔法が使えると思い込んだり、みたいな言動をすることです(これは邪気眼系と呼ばれるらしいのですが)。
誰にでもあると思うんですよね、こういう経験。カッコいいから英語の筆記体練習したり、強そうな技名考えたり。だから共感する部分も多くあるように思います。え、僕だけ?そうですか……。
『中二病でも恋がしたい!』の負けヒロイン
さて、そんな『中二病でも恋がしたい!』ですが、今回紹介したいのはもちろんこの子。
そう、七宮智音です。「しちみやさとね」、名前が可愛いですね。声に出して読みたい日本語です。「にーっはっはっは!」という特徴的な笑い声も可愛い。照れてるところも可愛い。そして、「中学時代の親友」。甘美な響きですね……。負ける予感しかない。なんで負けるんだ……くそう……。昔の女が勝つこと、本当になくない……?
『魔法魔王少女ソフィアリング・SP・サターン7世』なんて名乗っているところからお分かりかもしれませんが、彼女は現在も立派な現役中二病患者です。そしてキャラクター紹介にも書いてある通り、主人公の勇太を中二病に引き込んだ(引き込んでしまった)張本人でもあります。
作品とヒロイン紹介
さっきまで見た設定だと、かなり「強い」ヒロインという印象を受けることもあるかと思います。それこそ、勇太が中学の時に付き合っていてもおかしくないんじゃないか、というくらい。
そして、実際に序盤はめちゃくちゃ強いです。
昔の女だし、なんか上の階に転がり込んでくるし。
基本的に距離が近い。
挙句の果てには、なんと鼻ポチまで。中学時代はよくやっていたそうです(本人談)。
鼻ポチ直前の画。この後どうなるんでしょうか……。(画像内リンク有)
そもそも『中二病でも恋がしたい!』という作品は一期で主人公の勇太とヒロインの六花が結ばれています。それなのに現時点では明らかに六花のほうが後れを取る始末。これもう六花が負けヒロインだろ……。と思われるレベルの強さです。
さて、それではこの女、どうして負けたのでしょうか。
答えは簡単。それは、彼女が『中二病』だからに他なりません。
『中二病』は、他人の視線というものを気にしないものです。だって他人の視線を気にしていたら、他人の前で技名なんて叫べませんからね。
一方で、「恋愛」という概念は当たり前ですが他人との関係性に他なりません。たぶん。したことがないのでわかりませんが……。
つまり他人(というか勇太ですが)の視線を気にしてしまう自分と、他人なんか気にしないで『中二病』でありたい自分の間に挟まれてしまったために、中学時代の智音は悩むことになります。
そして悩んだ結果、どちらを取ったのかは……お分かりですよね。そうでなければ『魔法魔王少女ソフィアリング・SP・サターン7世』ではないし、今頃は勇太と智音が付き合っていたのかもしれません。
しかし、再び勇太と再会した智音の前には、『中二病』かつ勇太と恋人になっているチートヒロインが存在しているわけですね。
チートヒロインさん
この『中二病』のままの六花が、(『中二病』をやめてしまってはいますが)勇太と付き合っているわけです。うわぁ、もう辛い。中学時代に自分が成しえなかったことを実現している六花を、当初智音は祝福し、身を引きます(ほんとか?)。なんなら、『中二病』と恋情の狭間に陥った六花に助言すらします。なんで君たちは、そうやってメインヒロインの背中を押すの……?
そうして『中二病』と恋情の狭間を脱した六花を見て、智音は思い出してしまうんですよ。勇太に対する恋情を……。
まぁ、自分が突き当たった悩みを解決してしまった六花を目の当たりにすればそうなるのも道理ですね。しかし残念なことに、勇太への恋情を成就させるためには、放送時間を平日の昼にしなければなりません。
さて、そんな彼女はどのようにして自分の恋情の決着をつけたのか?
その答えは……自分の目で確かめてみることをお勧めしたいと思います。
彼女の魅力
では僕がなぜ彼女にこれほど魅入られているのか?
それはひとえに彼女が人間くさい、という点に尽きるような気がします。
だって、あまりにも人間じゃないですか。
恋愛よりも自分のことを優先するって決めたのに、結局自分の恋情を捨てることはできない。でも友人の恋人を奪うことも、できない。智音は誰よりも優しくて、けれど人間らしい弱さがありました。だからこそ一人で悩むことになるし、辛い思いをしてしまいます。
そんな彼女は、とても人間味に溢れているように(当時)中学生の僕の目には映ったし、智音の辛いシーンは、あの頃の僕に(もちろん、今でも)深く刺さりました(今思えばあれが「負けヒロイン」の目覚めかもしれない……)。
そして変化していく自分に対する葛藤の中で、恋愛のほうに振れることなく自分を貫き通すその姿に、新鮮味を感じたことも強く覚えています。
大体のヒロインは、主人公に対する好意を自覚してからは、それを軸に動くことになります。けれど智音はそうではなかった。
自分を貫き通すほうが、成し遂げたい何かのために自分が変わってしまうことよりも大事だ、そう言ってどれだけ辛くても自分を貫いた彼女は、僕の目には格好よく映っています。
だから僕は、七宮智音が大好きです。
困り顔智音。かわいい。
というわけで、今回は『中二病でも恋がしたい!』より七宮智音を紹介させて頂きました。
もし興味があったら、この機会にぜひ一度視聴して頂きたいと思います。
暇だったら一期から見て欲しいな。普通にめちゃくちゃ面白いし、作画も京アニ作品ですし良いです。「ラブコメアニメ」として最高峰の一つに数えられて然るべき作品です(完全に僕の主観)。
ていうかオタクはみんな『中二病でも恋がしたい!戀』の第十話を見てほしい。人生変わるから。マジで。七宮智音ヤバいわこいつ(現在再視聴中)。やっぱり、最初に僕の性癖を歪めたのは間違いなくこの娘ですね……。
一期はこちら。総集編の劇場版もあるよ!
最後に、僕が大好きなこの一節を送りたいと思います。
『中二病』は恥ずかしい、と誰もが言う。もう二度と思い出したくない。消してしまいたい、と。
でも、あの時の、どうかしていた自分は本当にいなくなってしまうのだろうか?自分は誰かに監視されていると妄想し、自分のキャラを設定してなりきっていたあの頃の自分は。
人は時に妄言を吐き、突然変わる世界を夢想し、遠い未来を想像し、存在しない大恋愛を頭の中に描く。
それは生まれてから死ぬまで、人の中で延々と繰り返さるる、果てしなく繰り返される、悲しくて、恥ずかしくて、愛おしい自意識過剰という名の病。
自分という名の避けては通れぬ営み。
そう、人は一生『中二病』なのだ。
『中二病でも恋がしたい』13話より
では、今日のところはこの辺で失礼いたします。最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!
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