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パブリック・エネミー『ファイト・ザ・パワー』和訳

「ナインティーン・エイティナイン、ザ・ナンバー、アナザー・サマー、ゲッダウン……サウンドオブザ『ファンキー・ドラマー』」
ってー出だしはみんな歌えて「ああファイトザパワーって1989年(平成元年、31年前)の夏だったか」って、そりゃつど思い出すんですが、そのアトね。権力と戦えとかってね。

やーおれ100回ぐらい見てんかもなーこのビデオ、VHSで。
 
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1989年、の今年、また夏だ、行くぜ
「ファンキー・ドラマー」のビートで
(ジェイムズ・ブラウンの有名曲)
 
みんなの心を打つ音楽
みんなの魂(ソウル)を打つはずだぜ、ブラザー&シスター
 
聞けよ、もの足りないんだろう
おれがガッチリ歌うから
おれは言わないからさ、
おれのわかってることしか
 
黒いバンドがビシッと演奏する
そのリズムでラップする
おれたちの望みを叶えたい
おれたちは要求を満たしたい
 
おれたちが自由にものを言えるってことは
おれたちが自由に死ねるってことなんだ
おれたちは権力と戦わなきゃいけない
 
みんな言ってくれ
権力と戦え(x7)
現在の政権と戦え
 
 
リズムが体を弾ませるように
ライムも心を弾ませる
まさにいま自尊心がおまえの中で生まれる
おまえはまた強くなるんだ
 
心の底から沸き上がったアート
たいしたことでもない、革命だ
ピープル、ピープル、おんなじじゃん
と思うけどピープル、おなじじゃない
 
なぜならどういう勝負だかわかってねえ
まずそこから知らなきゃならねえ
そもそも根本からわかってねえ
おまえさ「はあ?」とか言いまくってるけど
いいかげんマジになろうぜブラザー、
 
キチッと身支度ととのえて
一発カマシに行こうぜ兄弟
欲しいもんを捕りにいきゃいいんだよ
正々堂々と
今の政権と戦え
 
権力と戦え(x7)
現在の政権と戦え
 
エルヴィス(・プレスリー)はヒーローだったよな(音盤では x3)
だけどおれにはカンケーねえな、
ただの人種差別主義者ってだけ、
クソッタレのジョン・ウェインといっしょにくたばれってだけだ、
 
おれは黒人で、それが誇りだ。
おれはやる気たっぷりで、はやりすぎて鼻血が出そうなんだぜ。
おれたちのヒーローは切手にはならないんだよな、
この400年の切手の歴史は白人ばかりだし、
 
「ドント・ウォーリー、ビー・ハッピー」ってナンバーワン・ヒットがあったけど、
(黒人のボビー・マクファーリンが歌った)
おれがそんなこと言ったら今ここでぶっ殺されるだろうよ。
 
さあ、集まった集まった。
とりあえず言うべきは、権力を民衆へ、ただちに。
それは国民の目の前で権力と戦ってみせるという意味だ。
 
権力と戦え(x4)
今の政権と戦え

(Go!  Go! Go! Go!……)

(アウトロ)
ハイプ(嘘つき)を信じるな!……
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こんな歌詞内容で、そいでサウンドも、バックトラックは当時のヒップホップ最新鋭(30年前)の多重サンプリングのグチャグチャ録音で、ラッパーも当時の最強コンビ(低音と高音、内容は硬派と軟派)という、ビデオも素敵でさー、こんなの好きにならずにいられないだろっていう1曲ですよね。これ好きじゃないって正気? ぐらいのやつ、ザ・ボム。だったと思いますね。
 
ほいで、やっぱフレイヴァですよね、フレイヴァ・フレイヴだよー、「あいつはホントに気持ち悪い」ってマジで言ってたヒトいたもんね当時、初期。気持ちはわからなくはない。
 
でもフレイヴァがいたからこそのパブリック・エネミーで、チャックDが黒人主義の政治的主張をしまくるだけだったら、聞かれなかったし残らなかったと思うよね。パブリック・エネミーのエンタテインメント成分を一身に背負ってたのがフレイヴァだよね。
「曲内にフレイヴァが存在することを肯定/必要とするチャックD、パブリック・エネミー」ってのが、やっぱり冴えててね、それはパブリック・エネミー総体のメッセージになるんだよね。
 
マジメな政治的メッセージのみになりかねないところに、フレイヴァの「パンツ脱いで股間にニョロニョロ」のバカみたいなダンスがあわさることでさ、「ああコイツラは硬軟あわせ持つんだね」ってダレだって思えるじゃない。
そこんとこの「気持ち悪いミックス」が30年のクラシックになって残った理由だと思いますよ。30年残る曲なんてそうはナイものねー。
 
あと萌えポイントとしては、日本ツアーのときに京都で買ったという学ラン(ニホンの学生服)をS1W隊長のグリフや、DJのターミネイターXが着込んでることですかねー。
あと、2回ぐらい映る美人さんはMCライトですね。

ではまたー

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