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【BeBA TERRACE STORY】

vol.8 【まなび棟紹介】
小さなお菓子からいただく、ゆたかな食の感動。
〜洋菓子店「Naif」〜




盛岡駅の南側、岩手県立美術館をはじめ、数々の文化施設が集約する盛岡市中央公園。その一帯に整備されつつあるBeBA TERRACE (ビバテラス)は、ゆたかな感性を持つ子ども、答えを自ら見つける子どもを育み、「社会とつながる機会創出」を願う、3つの民間事業者が主体となってつくる場所。都市公園の価値向上をめざし、市民の皆さんと育てていく空間です。さらに、その理念に賛同した事業者たちも徐々に加わって「あそびとまなびをつなぐ場」づくりに邁進中。ここでは、BeBA TERRACEに関わる事業者それぞれの思いを、順次紹介していきます。



岩手にある食材の、持ち味を生かす。

 毎週水曜から金曜の3日間は、まなび棟に店舗を構える「Naif」さんのオープンデー。白い暖簾が揺らめき、周囲においしい香りが漂います。開店時間の午前11時が近づくと、どれを買おうか迷いながら待つ人たちの姿がちらほら……。
 一歩店に入ると、落ち着いた佇まいの中に主役の菓子が、ゆったりと配されていました。日替わりで商品は変わりますが、1日8品から10品がショーケースに並ぶそうです。

シンプルな佇まいの店構え

店舗の名前「Naif」は、フランス語で“素朴な”を意味する言葉。店主の鶴味晴美さんがつくるケーキや焼き菓子は、その店名のように、シンプルながらも食材の持ち味が生かされたものばかりです。

岩手県内の食材を生かしたお菓子の数々
美しいアイシングクッキー


 「岩手にある果物、牛乳、卵、小麦粉、おいしい食材がたくさんあるので、できるだけ県産食材を使いたいと思っています。市内のスーパーや産直で珍しいものがあれば、買ってみて何に使うかを考えたり試したり。自分自身が、日々素材探しを楽しんでいます」と鶴味さん。
 店の営業は水曜から金曜の3日間ですが、週の前半は仕込みの日。新しいレシピを考えたり、スタッフ同志が情報共有したり、お客様に向き合う大事な準備の時間なのだとか。

笑顔で丁寧に迎えるスタッフの皆さん(左前が鶴味さん)


 「新しいお菓子をつくる際は、スタッフ全員に食べてもらい、全体のバランスやサイズ感の調整に時間をかけているかもしれません。例えば、ガトーショコラなど、濃厚でどっしりした味わいのお菓子は小さめにカット。食べ終わったとき、もう少し食べたいと思っていただく位に」。


密かなる人気の
オリジナルドリンク。

 ビバテラスに移転する前は、西青山町に店舗を構えていた同店。その頃から、お菓子好きの女性たちの間で人気がありました。
 現在はオープンな公園内という環境もあってか、遠方からのお客様や男性のお客様も増えたそう。場の変化によるお客様の広がりも感じています。

鶴味さんの美意識で統一された店内やパッケージ

 そして、ケーキはもちろん丁寧に作られたドリンクもおすすめ。この冬はジンジャーとスパイスの効いたチャイ、豊潤な香りのホットチョコレートが人気だったそうです。
 「寒い時期のホットチョコレートは、出来立てが断然美味しいので、少しお待ちいただくのですが、その分、飲んだ時の感動があるのかと思います」と、鶴味さん。店内でお客様と多くを会話する時間はありませんが、その分、手渡す一品に思いを込めているよう。お菓子を紹介する一言に熱が入ります。

濃厚で深い味わいのホットチョコレート


 上質のフランス産チョコと岩手県産牛乳が溶け合ったホットチョコレートは、チョコ本来の甘味がストレートに伝わり、心身がホッとする一杯。少し温かさを感じる季節も、岩手山を眺めながらいただくのも贅沢な時間ですね。


鶴味晴美さん/Naif店主 ※写真まん中

盛岡市内で生まれ育ち、幼少の頃から料理好きな母親の影響で、菓子づくりが好きだった鶴味さん。高校を卒業後、東京都内の辻製菓専門学校に進学。都内のパティスリーとカフェに勤務したのち、帰郷。市内ホテルでパティシエとして働き、独立。育児と両立しながら、現在の店を営む。

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