2本の線の先

二号線のあの辺りの照明は
なぜ今も電球色なんだろう。

よからぬことを考えるのにぴったりだ。



12年というのは一つのターンのような気がしてならない。
12年前のあの1年間は
急に出会った老若男女それぞれ
ものすごい勢いで深くなって、

その後はぱったりと縁が切れた。

こっそりライブした日
たった2人にだけ
教えたら
2人ともきてくれた

でもその後 2人とも 急速に疎遠になった。

「性欲のない欲求」とやらを銘打って
近づいてきたのも12年前で、
あの時も電球色の駐車場だった。

「性欲のない欲求」は多分本物で、
美しくて儚いものに興味はあったけど、
背負う勇気はなかった。

私は多分、表面上は不安定なことや
破天荒なことを好むように見せたがっていても

根っこは安定思考だ。

私の視界がだんだん暗くなって
柔いそれが触れた時、
バチンと大きな警告音が聞こえたような気がした。

後戻りするなら今だ!

あの1年はなんか人からのウケが良かった。
どこへ行っても親切に声をかけてもらえたし

外見的なところへの気遣いも強化されていった。

もしかしたら
既視感なのかもしれないと思うことがある。

今年出会った人とは
急速に深くなって
1年経てば疎遠に
なってしまうのだろか?

今年の日常には
そんな儚さを感じる時がある。




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