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小さな食堂のチキンは国産なのか、輸入ものなのか、どっちがおいしい?の問題を考える。

「ハワイの焼き鳥 フリフリチキン」というキャッチフレーズで始めた小さな食堂。丸鳥をアジの開きのごとく開いて両面を炭火で焼くという大胆な調理法のチキン料理です。

丸いまま焼くとどうしても内側に臭みが溜まるので、ニンニクやセロリなど香味野菜を詰めて焼くわけですが、フリフリチキンは開いているので両面を香ばしく焼くことができます。初めてハワイでこの料理法を見たときになるほど!!すごい!!と感激して、日本ではまだ紹介されていなかった料理をやってみたくなったのでした。

この写真がフリフリチキンが焼けたところです。ハワイの人(アメリカ人)は、ソースやたれを使うのが好きですので、ハワイのフリフリチキンはもう少し濃い色で照りがあります。

お店作りまでのオモシロ話や、フリフリチキンの味付けに関しても書き残したいのですが、それは次回にして、今回は、気にする人が時々いた、「この鶏はどこの?」をお話ししたいと思います。


ただ、2015年の記録をもとにしますので、今から8年前のことになります。価格は勿論のこと食鳥の生育環境も、輸送方法も今は変わったかもしれません。


お食事されている方から、時々聞かれることがありました。女性です。男性から質問されたことはないような気がします。
「この鳥はどこの?」

お客様が聞きたいことは、「国産」か「輸入物」かということかと思います。まさか、「どこ?」「〇〇食鳥さん(おろし)ですよ」な、はずがないですから。


輸入としたら、日本で有名なのがブラジルでしょうか、あと、中国、アルゼンチン、タイ、アメリカなどから入ってきています。国産とは、ブロイラーのことになります。(ランチ880円でしたから)


焼き鳥屋さんなど鶏肉を扱うときには、①鶏肉屋さん(専門店)から②鶏肉専門おろしから(チキンファーム=鶏舎を持っている場合あり)③同じく鶏肉おろしから(鶏肉の商社)おおむね3つあるかと思います。

①の鶏肉屋さんは国産で新鮮なものを取り扱い ②は希望に応じて手配してくれる ③は冷凍の輸入物 と考えていただいたらわかりやすいでしょうか。

④として、特殊なルートもあります。気に入ったこだわりの鶏をコンスタントに生産するチキンファームからのみ(処理したものを)直接仕入れる契約をする。この方法は、もちろん高級焼き鳥の場合になります。当然、仕入れ価格は一番高くなります。


一般的には①か②か③、③は輸入になるので、ブラジルか中国か、アメリカ、アルゼンチンなど、たまにフランスなど、商社さんは、トン単位で取引して日本まで持ってきて、各地に撒きます。なのでほぼ冷凍になります。(もちろん、生もありますが高くなります)


同じ調理の鶏を食べても、「国産」と思って食べるのと、「ブラジル」だ、とは日本人の場合、かなり気持ちが違ってくる人が多いと思いました。でもたまたまフランスのが入った時に「フランスのチキンなんです」と伝えると「え?」ってなってちょっと嬉しそうな表情になられるのですよね。

うーーーむ。偏見じゃん。お客様のか、私のか?不明ではありますが。


「チキンキング」ではどうしていたかというと、②でした。こちらの要望に細かく答えていただけ、コンスタントに配送していただけ、価格も安定しているチキン専門のおろし業者さんです。


毎日味見をしていると、同じ冷凍の輸入チキンでも、おそらく餌や環境によるのだと思いますが、味といか風味が違うのがわかります。外国人は「タレ味」が大好きですが、日本人は「塩味派」が多いですし、私自身が塩味派でもありました。塩味の方がチキンの風味がはっきり出てしまします。なので、国産でも気に入らない風味のチキンは使いませんでした。


で、結局「チキンキング神戸」のチキンはどこのを選んだでしょう。

輸入のチキンも国産も利用していました。

え?どういうこと?

それは、「使い分け」です。


鶏肉が「国産」か「外国産」かにはこだわっていなかったのです。

どういうことかというと、わたしの個人的な判断ですが、

鶏肉は「国産」か「ブラジル産」かがキィではなく、「生」か「解凍」かによると考えています。


焼き立ての熱々は、「解凍」のチキンでもおいしくいただけます。冷めたときにもおいしいのが冷凍していない「生」チキンです。


お客様もご存じの方は結構おられました。
「ブラジルで食べたチキンはうまかった!」
「インドネシアのチキンほどおいしいチキンにはまだ出会えてない」などなど。

それは、フレッシュ「生」だったからです!

銘柄鳥も含め、国産で出回っている鶏はご存じのように、ブロイラーと呼ばれ、そのほとんどがぎゅうぎゅう詰めのケージで「生産」されてます。されど、ブロイラーは、生で流通しており、冷めてもおいしいということになります。が、国産チキンであっても解凍物は、上手に解凍しても、輸入のチキンと同じになります。

大手さんなどはチキンが冷めても、おいしくするために、さまざまに工夫されてはいます。味を濃くしたり、酵素を使ったりします。高い材料で安いお弁当は作れないです。

ちなみに、8年前、個店での仕入れ値は、国産チキンが1キロ600円ちょっと、輸入のが1キロ300円をちょっと切るくらいでした。


これだけの価格差が。使い分けた方がいいです。

続く






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