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小さな食堂の店主 重荷がおろせたお客様からのお話し3つ ③愛してますか。

ひょんなことから、小さな食堂を開くこととなったわたしは、物理的な、店舗の「とびら」を開けていたら、こんなにもたくさんの方々に喜びと驚きを持って、お越しいただくことになり、いろんな方々の人生を知り、関わらせていただくことになりました。それは、今まで保守的で(今もかも)頑なだった心も開かれて、全然違う人間に生まれ変わった気がしています。

特に、「恋愛」

私の青春時代の昭和は、私の記憶では外でイチャイチャすることはほぼなかったのでした。が。今や、お食事中もイチャイチャはありあり。

そんな中、いつも一人ぼっちで、自称「もてない君」に彼女ができたときは嬉しかった!!

彼は本当に孤独でした。かなり変わったお育ちで、なんでも、ほとんどの人が知らないであろう(もちろんわたしも知らなった)、あるイスラム教とキリスト教が混じったような、宗教にご両親が傾倒されていて、小学校の頃にアメリカのその宗教施設に入れられて育ったのでした。でも思春期の頃、違和感を感じて逃亡。帰国したところ、ご両親の不仲となり、その両方の言い分の仲介をすることになり。たくさんの大小の事件があり。その間に消耗しきって、両親とは絶縁されたとこことでした。

でもお食事中にお話ししている限り、円満な性格で、聡明で、とても器用だということもわかりましたし、身長は高くはないもののかなりのイケメンでした。

3年以上孤独なランチを食べれおられたのですが、ある時、彼女ができて。
紹介していただけて、初めてのランチはこの「小さな食堂」でした。今でも忘れられない初々しいお二人の様子は目に焼き付いています。向かい合ってのお食事でしたが、ふたりが正面を向いたとき目と目があっと時の、お互いの「あ、」が、かわいいかわいいイチャイチャでしたよ。

彼女の方は大家族で、結婚式も大家族が駆け付けましたが、彼の方は親戚や家族はおらず、本当にたった一人でした。ですが、理解を示されすべてを受け入れられた彼女のご両親やご親戚が全員彼の味方になり、家族になられたのを見せていただいて、胸が熱くなりました。今ではかわいいお子様も2人できて、本当に幸せに暮らしておられます。

あと、忘れられない遠距離恋愛。

彼はイギリス人で神戸大学の博士課程、彼女は同じ大学の看護学部の学生でした。彼らは、ずっとイチャイチャでした。なんと彼の膝に彼女が座って食事していたことも。卒業した彼がイギリスに帰国して遠距離恋愛となりました。彼女が辛そうなのが伝わってきていました。いつ会えるかわからないし、約束していた結婚もこれだけ離れていたら、実るのだろうか。

わたしはどちらかというと、男の不義理に泣いてきた方なので、きっとそれぞれに近くで新たなパートナーができるものと思っていました。申し訳ない💦💦その頃はまだしょっちゅう途切れるスカイプくらいしかなかったですし。

まぁ、しかし、結論から言うと、大学を卒業しイギリスでも看護の仕事ができるようなスキルを付けた彼女は渡英して、しばらくのちに二人が結婚した知らせを聞いたときは、「愛のきずな」というものがあるということを、教えていただけました。立派です。これまでのわたしの愛は弱かった。

もしかしたら、本当に「愛したものがない」のではないかとさえ思えます。

お二人で帰国されたときには、めちゃめちゃかわいいbabyちゃんも一緒でした。そして、ランチ時は相変わらずのイチャイチャでした。

やっぱり結婚式はいいものですね


もうお一人。忘れられない方。

そのカップルは、シニアと言ってもいい年代。アラシスのお二人。旦那さんが日本人、奥様がアメリカ人でした。
旦那様がこの小さな食堂をよく利用してくださり、世界的にご活躍されているお話しが楽しかったことを覚えています。

コロナ禍でお客様と全然お会いできずに丸3年も過ぎ、その間に、数人の方が突然死されました。7年の通常営業の間どなたも亡くなっていないのに、3年の間に直接知っているお客様だけで6人が突然死されました。これはどうも「なにかおかしい」です。その話はまた別なので置いといて。

その旦那様もその一人。朝、いつも通り起きてきて、窓のところのデスク前の椅子に座り、PCにスイッチを入れて。奥様が「おはよう」ってコーヒーを持っていったら、亡くなっていたそうです。

お二人は、イチャイチャほどはされていませんでしたが、とても仲がいいのは、お互いの名前を呼ぶときの優しい声がけから感じていました。

想像しても、腰が抜けるくらい仰天されたことと思います。わたしなどお声がけもできませんでした。その悲しみたるや、すさまじく、SNSでずっと思い出を綴っておられました。それを読んでわたしも何度も涙しました。

で、何が言いたいかというと。。。。

なんと、1年後に、またまた、素晴らしく素敵な方との出会いがあり、すでに結婚されていたという話。

かわいらしいピンクのドレスに身を包まれて、素敵なチャペルで結婚式も上げられ、世界一周の新婚旅行に。

勿論、心から祝福していますし、お幸せなご様子はこちらも嬉しいです。

なんか、でも、このスピードにまだついていけていなくて、唖然とはしています。

彼女は60代真ん中くらいのお年。そっかーーーー。

50代60代のシングルの女友達も全員、唖然としています。


『求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる』

聖書にあったと思う。
きっとそうなんだと思った。


つづく

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