見出し画像

乙武洋匡氏、東京15区補選で「ファーストの会」が擁立

東京都の小池百合子知事は29日の定例会見で、自身が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」により設立された政治団体「ファーストの会」が、衆院東京15区補選(4月16日告示、28日投開票)に、作家の乙武洋匡氏(おとたけ・ひろただ、47歳)を擁立することを明らかにした。

東京都15区の補選では、立憲民主党の酒井菜摘氏(37)、日本保守の会の金沢結衣氏(33)、参政党の吉川里奈氏(36)、諸派の飯山陽氏(48)と、同区選出の元自民党議員で無所属の秋元司氏(52)が立候補を表明している。

自民党の国会議員が二代にわたって違法行為を犯して辞任したという異例の選挙区で、今回の補欠選挙においては、参政党や日本保守党といったような既存の政治状況を批判している新しい保守政党が出馬を表明していること、また、選挙の要因となっており逆風が吹いている自民党の出馬状況が不透明な中で、元々の保守票がどこに行くのか、また東京都の地域政党都民ファーストの動向が注目されていた選挙区である。更には、元々その違法行為で係争中の元自民党議員の秋元司氏まで出馬表明するなど、混沌乱立気味の状態である。

そうした中で、都民ファーストが擁立を決めたこと、しかも知名度のある乙武氏を擁立したことで選挙の構図が明確になってきた。乙武氏は、先天性四肢欠損症(生まれつき両腕と両足がない)という障害を抱えながらも、その生活体験を前向きに「障害は不便です。しかし、不幸ではありません」と綴った「五体不満足」で一躍ブレークした。平成28年の参議院選挙では東京選挙区から自民党から出馬する予定であったが、不倫問題が報じられ断念。令和4年の参議院選挙では東京選挙区で無所属で出馬して落選している。

都民ファで擁立が決まったということで、国民民主が既に支援することを表明し、自公も支援に乗ると言われている。組織票が動くことになるので乙武氏が有力になってくるが、政治信条を見れば、LGBTのレインボーデモに参加していたり、選択的夫婦別姓に賛成、同性婚を立法化することにも賛成、移民政策にも賛成、自衛隊を憲法に明記すること反対など革新色が強い。さらには、フローレンスの駒崎氏や愛知トリエンナーレの津田大介氏とも交友が深いことも噂され、保守としては全く応援できるものではない。

今回保守の新しい政党が2つも立候補を表明していることから保守票の取り合いになるのが予想されるが、既存政党によるこれまでの選挙戦とどう対峙するのか。選挙においてはネットはまだまだ効果が限られる中、名前を拡げるためにはそれぞれの応援者が持つ交友関係にしっかり働きかけること、また、選挙に行かない層の新たな票を掘り起こすために、どれだけ注目度を上げ選挙に興味を持ってもらうことができるか。

選挙は選挙が始まった時に終わると言われるが、それまでは誰もが政治活動の一環として行動をとることができる。まさに総力戦と言われる中、1か月を切った中、自分達の行動が試される。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?