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JISQ9100のお話(14回)

6章計画
6.1章 リスク及び機会への取組

6章は4.1、4.2章で分析した組織の状況、利害関係者のニーズ及び期待を基にして決定した5.2方針を達成するための活動の手順を具体的に作成するための要求事項です。
品質マネジメントシステムを運用することで方針、品質目標が達成できることを確実にする必要があります。
望ましい影響は拡大し、望ましくない影響は低減しなければなりません。組織の強み、弱みを分析し対策するためによく使われる手法にSWOT分析があります。SWOT分析はインターネットで調べれば、色々参考資料が出てくると思います。必ずSWOT分析をしなければならないという事ではありません。私は「分析及び機会への対応」という書式を作ることを薦めています。
例えば、不良の発生は顧客の信頼を失うというリスクがあり、品質目標でリスク低減の活動をする。というような事柄を表に示します。品質目標で取上げれば、月毎もしくは四半期ごとにフォローアップされ、目標が達成できないようであれば改善していかなくてはなりません。6.2章へつながっていきます。
従ってリスク及び機会への取組の計画は6.2章で記述できます。6.2章ではスケジュール、必要となる資源、責任者を定めて活動し、定期的にレビューし、活動が有効でなければ、改善していくことになります。
有効性とは”結果(分子)/目標(分母)≧1”ということです。もし1に満たなければ達成のための施策を改善していくことが求めららます。もちろん1以上でも更なる改善をすべきで、目標値を上げるなどの処置を行うことも必要です。6.2章のお話の先取りですね。
リスク及び機会への取組は、その影響と見合ったものであることが求められます。会社経営が成り立ってこその活動ですから身の丈にあった活動で良いのです。
リスク及び機会は回避、除去、低減、共有、保有等組織の状況に合わせて組織が対応を決めます。すべてを活動の対象にする必要はありません。
リスクと機会は裏腹の関係にあるので、余り意識する必要は無さそうなのですが。日本ではリスク、機会について区別して明確化している組織が多いように思います。
JISQ9000:2015ではリスクの定義はありますが、機会の定義はありません。JISQ14001:2025ではリスクの定義の他に”リスク及び機会”の定義があります。審査員のリフレッシュコースで講師から聞いた話では、外国人はリスク及び機会を明確に2種類と思っていないようだと言われてました。言語習慣の違いがあるのかもしれません。

次回は6.2章 品質目標及びそれを達成するための計画策定の説明をします。


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