JISQ9100のお話(9回)
5.1.2 顧客重視
「あなたは誰から給与を貰っていますか」と尋ねます。多くの人は会社からとか社長からとか答えるかもしれません。しかし、そう言わせたい質問ですから、それはそれで間違いではないですが、そこで「お客様でしょ」というと、割とすんなり受け入れてもらえます。お客様があって、会社が成り立ち、その結果として、給与がもらえているのです。顧客が大切であることを分かってもらうための引っ掛け問題です。それでは規格の説明に入りましょう。
お客様の要求事項はもちろんの事、法令規制要求事項を明確にして、それを満たす企業活動が求められています。顧客要求事項は8.2章の手順で明確にすることはできますが、法令、規制要求事項については、ここである程度抑えておくと良いでしょう。
リスク及び機会には顧客満足に関するものを取り入れて、リスクを小さくする活動を求めています。大概の組織では不良低減や、工程の効率化などをリスク、機会として挙げ、品質目標に取り込んで活動しているものと思います。
顧客満足が維持されているかは、顧客とのコミュニケーションが大切です。コミュニケーションをとることで組織に対する不満、満足の情報を得ることが出来ます。これは担当者レベル、管理者、経営者層レベルなど、総合的に情報を収集し、不満を解消していかないと、顧客の信頼を損ねることになりかねません。9.1.2顧客満足では、顧客満足を監視測定、分析、改善を求めており、詳細の手順はそこに記述することが出来ます。
航空宇宙防衛の追加の要求事項として、品質、納期が監視測定され、計画通りに達成されない場合は何らかの処置をすることを求めています。これは9.1.2章でも同様に上乗せされているので、具体的な手順はそこで記述すると良いでしょう。
次は 5.2方針 から説明します。