うんざり

草野マサムネはわたしがえらべない言葉をえらんでならべる。明日きみがいなきゃ困るってうたう。花が咲いている。

わたしたちこれからどうしたらいい、絶望のふちで困り果てたように嘆いてた映画の中のあの子、だけれど彼女にはそれを打ち明ける相手がいて、ともに困り迷う相手がいて、なんだか孤独でなければすでにそれは無事のように思えてしまって
音楽は盛りあがり、色のついた光がさして、それを冷静に見つめている自分のあまりのつまらなさにうんざりした。

そういえばすきなドラマの中、泣いてしまったことを恥じた女に、隠れて泣く奴でなくてよかった と答える男。そういえばすきなアーティストのインタビュー、泣いてもいいよひとりで泣かなければいい と答えたラッパー。
ひとと生きるって面倒だよな、孤独がよくわかって。

小学一年生のとき、担任の先生が妊娠して休職した。先生を送る会のときにはクラスのみんなが泣いていて、わたしはその気持ち悪さに耐えられず、葬式じゃないんだからさ と慰めてみてから早退したのを覚えてる。

給食当番の日、クラス全員の給食を詰んだワゴンを廊下、勢いつけて走らせて、からだ全部で飛び乗るのがすきだった。あの頃はわたし以外のなにもかもがわたしじゃないからどうでも良くて、壊れてしまえば笑えるくらいのそんな馬鹿さを持っていた。給食が廊下いっぱいに溢れたら、もし溢れたら。笑ってしまいそうだった。


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