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パンチ力があがった。

散歩中、ふと、目を閉じて歩いてみた。

タッ…タッ…タッ…タッ…

湿気のにおいがする。葉の擦れる音、息をする音が聴こえる。視覚を閉じると、他の感覚が鋭敏になるな。今回は、なぜだか自分の重さに意識が向いた。重さはどこにあるんだろう?

ー胸?
いや違う。ここに重さはない。息を吸うと膨らんで、息を吐くと縮むものがある。
ーお腹?
これも違うな。
…うん。やっぱり、ヘソと股関節のあいだ辺りだ。丹田ってやつだね。
へー、やっぱりここなんだ。前に進むってのは、この丹田を前に進める行為をいうんだね。
面白い。日常生活でここに重さがあるなんて知らずに生きていた。そうか。ここが重たいんだ。重心ってやつなんだ。

僕は、ひと目のつかないところで電柱や木を殴りつける危ない奴だ。
イライラをぶつけたいのではない。拳を鍛えているのだ。拳で硬いものを殴るのは痛い。だから何度も何度も硬いものを殴って、痛みに耐えられるように、感じなくさせるのだ。強くなると、石だって割れちゃうぞ。僕は割れないが。
一体どういう仕組で痛くなくなるのだろう。
痛覚の神経が無くなるのか?そんなことある?
痛みに慣れる?そんなことある?
わからん。

公園の木を殴った時に、いつもと違う感覚に気付いた。

衝撃が足にくる。

右のパンチが、右足に衝撃としてくる。
いつもは肩か、腰なのに。
左のパンチではどうだろう。
やっぱり足だ。
ワンツー バックステップ ステップイン ワンツースリー
重い。重い。   重い重い重い。
んんん? 

(→サンドバックへ移動)

右ストレートを打つ。

ドスゥン

いつもはパァーンなのに

10分間夢中で打ち込んだ。

そうか。重いパンチを打てるようになったんだな。

これが足で打つパンチなんだな。
一回一回足で大地を掴んでいるのを感じるぞ。
僕の一番破壊力のあるパンチは、ステップインの右のカウンターパンチだった。ステップの勢いがないと、自分の欲しい威力は出ない。
つまり、ある程度の距離がないと、僕は僕の満足するパンチを打てなかったのだ。

心はインファイター。でも、パンチ力の関係上、足を主に使ってカウンターを狙うアウトファイターであるしかなかった。
今はどの距離でも納得したパンチを打てる。スキは多い。でも、威力はある。これを当てるために細かいパンチをもっと練習しよう。

あぁ、でも嬉しい。とっても嬉しい。
少し強くなった気がする。

428 FIGHT CLUB 死神クラウドさんが半年前に言ってくれたこと

「大丈夫です。まだ強くなりますよ。」

それを聞いたとき、心の底から喜びが溢れていた。そして、理解した。
やっぱりもっと強くなりたかったんだ。

これで何人かに同時に襲いかかられても、海外で突っかかられても、、、
何言ってんだ、俺。はずい。相手が皆格闘経験者だったら俺瞬殺や。相手が素人だとしても、、、素人と戦うんじゃねぇ。やだこの厨二病な脳みそ。ファンタジー。

あーでも楽しい!嬉しい!
これは護りたい欲かなぁ。俺の中の男の子は上機嫌だ。

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