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好きになったら幸せになれなさそう、とか語られているのをみると違う!と叫び出したくなる。だってもちろん苦しい瞬間はあったけれども、それでも涼を好きでいてふしあわせだと感じたことは一度もないのに。でもそれもふしあわせを幸せとかんちがいしているだけのことかもしれないけれど、、。
好きな気持ちが交換可能な感情であることが嫌で嫌で耐えられなかった。いまはこんなにも好きと思っていても数年後にはまた違うアイドルに同じような言葉を連ねているであろうことが、対象の名前だけ入れ替えて同じことを繰り返すことが可能であるということがひどく嫌で、それはいま涼を好きであるということを冒瀆しているような気がした。、、だから、好きじゃなくなるくらいならその瞬間に殺してほしいとすら思った。
けれど、、みずしらずの他人にたいしてそこまでの執着を抱くことは不毛で、無意味なことだ。べつに"交換"したっていいんじゃないか? もっと勝ち馬に乗れるような子に。でも、いざそれをやってみようかと思考実験してみたら、ほんとうに軽々と乗り換えできてしまいそうで、逆にためらう。まるでこの4年間がすべて思い込みだけでしかない、うすっぺらな紛いものだと実証されてしまうようで。

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