ボカクラ(アニクラ)DJを始めよう!(練習編)

最近、DJコントローラーを買って「よし! DJになるぞ!」という方が多いと思います。
でもまぁ、練習会とか近くでやってないし、教えてくれる人も……なんて方も結構いるんじゃないですかね?
練習会と言えど、「みんな初心者って言ってたのに、なんか上手いぞ!?」とか「買ったばかりで右も左もわからない、練習以前の段階だ」とか思ってるんじゃないですかね!?
そんなわけで、「ボカクラ(アニクラ)DJを始めよう!(練習編)」を熟読して、つよつよDJになりましょう!

あ、筆者はHouse(4つ打ち)がメインのDJなので、そういう解説になります。


基礎編

よく、「コントローラー買ったんだけど、次は何をしたらいい?」って時に、「曲を集めてCUEを打て」と、多くの場合は言われると思います。
いやいや、早い。
そんなことよりずっと大切なことがあります。
それは、「拍を身につける」ことです。
拍とは何か、BPMというDJがよく使う言葉にもありますが、「Beat Pat Minutes」 つまり、「Beat」です。
BPMは1分間に何拍あるか、という意味です。
心拍数にも「拍」入ってますね。
標準的心拍数は65〜70BPMと言われています。
心臓の鼓動、ドクン・ドクン、というこの「Beat」が音楽にもあります。
まずはこの「拍」を文字通り掴むことから始めましょう。

わかりやすい例題として、Orangestarさんの「DAYBREAK FRONTLINE」で解説していきます。

ドラムパターンの聞き分け

最初にすることは、ドラムの音を聞き分けることです。
バンドにおけるドラムは他の楽器のテンポを一定にする役割があり、DJでもとても重要な要素になります。
イントロは綺麗なメロディですが、0:15付近から音が大きくなってドラムパターンが入っています。
ここ、ここが重要。
我々DJは多くの場合、ここを「1音目」にするんじゃないですかね?
ズン・ズン・ズン・ズン、こんな感じに聞こえるはずです。
この「ズン」の音が表拍(Beat)になります。
DJで使う曲は少なく見積もって半分以上はこの拍がわかりやすくなっています。

拍の取り方

次にするのは、この「ズン・ズン・ズン・ズン」を数えます。
コツがあります。
「4拍1小節」
これは五線譜で4/4と表記される場合(に限る)ですが、見たまんま「1小節中に4拍」ある、ということです。
DJはこの4/4の「4拍1小節」を基本中の基本、基礎中の基礎と考えています。
で、拍の取り方ですが、4拍、8拍、16拍、32拍、64拍、この5つの区切りで取ります。(これ、超重要!)
拍の取り方は、
 1  2  3 4   2 2 3 4   3 2 3 4    4 2 3 4
●◯◯◯ ●◯◯◯ ●◯◯◯ ●◯◯◯
基本的に16拍を基準に考えるといいです。
4拍、8拍はRockやHipHopに多い拍の取り方になります。
普段耳にする全ての音楽に対して、この取り方を意識しましょう。
慣れると、「4 2 3 4」や「1」だけでも数えられるようになります。
3/4の三拍子でDJをパスするのが嫌がらせになるわけですね。

拍(小節)の区切り方

区切り方は、「曲に何か展開があった」です。
DAYBREAK FRONTLINEでは、
0:00 イントロスタート
0:15 展開①
0:21 展開②
0:28 展開③
0:42 歌いだし
曲の展開ってなんぞや? って方は、↑の秒数付近で「音が増えた、減った」みたいなことを意識してもらうとわかりやすいです。
イントロ〜展開①まで32拍
展開①〜展開②まで16拍
展開②〜展開③まで16拍
展開③〜歌いだしまで32拍
こんな感じで拍を掴んでいれば上出来です。

展開の組み立て

展開の組み立ては簡単です。
「DAYBREAK FRONTLINEの場合は、基本的に32拍で展開している」
これに気づくことができればOK。
DJは曲を繋ぐ場合間奏でMIXすることが多いのですが、「基本的に32拍展開であることを考えると、間奏も32拍の可能性が高い」これです。
32拍展開で考えると、展開①〜展開②は展開の最中で、展開①〜展開③で32拍と考えることができます。
つまり、イントロ〜展開①〜展開③〜歌いだしは、32拍+32拍+32拍でで構成されているわけです。
大きく展開しているのは、展開①と歌いだしの2箇所。
つまり32拍+64拍となります。
先に言ってしまうと、間奏も32拍です。
なんかDJって何やってるかわかんないなーって思ってたけど、やってることはとてもロジカルな考え方が基本になっているんですね。

CUEの打ち方

ここで初めてコントローラーとDJソフトを使います。
CUEを打ちます。
(よく、イントロ、1音目、歌いだしでCUEを打つといいよーって話を聞きますが、間違ってはいないんですが、上記の拍、展開を無視したCUEを打ってしまうとめちゃくちゃ下手くそに聞こえます)

CUEは基本的に「1拍目」に打ちます。
イントロからで考えると、1拍目(イントロ)、33拍目(展開①)、65拍目(展開③)、97拍目(歌いだし)ですね。
筆者の場合は、最初の32拍をカウントせずに展開①で1つめのCUE、展開③で2つめのCUEを打ちます。(それぞれ64Kick、32Kickと名前をつけておきます)
↑で、32+64拍展開と言ったのに、展開③でCUEを打つのは何故か。
予防線です。
で、間奏始まりにもCUEを打ちます。(32Kickと名前をつけます)
最近多い歌いだしスタートの曲は最初はDJで使わない方がいいです。
慣れてから使いましょう。

歌いだし 32拍
イントロ 32拍

これの場合は、イントロ32拍+32拍で歌いだしなんですが、特徴的な「不協和音〜」が16+16拍の最後の1小節で入っているので、(16拍+(12拍+4拍))+32拍、と考えてCUEを打つといいかもですね。
特徴的なフレーズや音使いは、基本の16拍や8拍を外すことで意外性を出してキャッチーにしています。
変則的な曲は最初は使わないほうが安心です。
CUEの打ち方は以上です。

練習編

基礎編めっちゃ長いww
ここからは実際に曲をMIX(繋ぐ)する練習をしていきます。

同じ曲同士を繋ぐ

最初は同じ曲同士で繋ぐ練習をします。
と、言うのも、同じ曲同士であれば展開が同じなんです。当たり前ですが。
先程のDAYBREAK FRONTLINE、間奏に展開③で合わせると綺麗に繋がります。
サビ始まり32拍+間奏32拍で、展開①から64拍で合わせても綺麗に繋がります。
CDJの場合、CUE CUE CUE CUE 再生(カウントは、4 2 3 4 1)で合わせます。
DJの基本は、「同じ拍数の箇所を合わせる」これだけです。
リズム感じゃないんです。
音ゲーの落ちてくるノーツがCUE POINTになるだけなんです。
ただし、音ゲーと違うのは判定ラインをビタで合わせる必要があります。
DJの場合は微調整やクオンタイズで誤魔化しが出来るので楽です。
微調整の仕方やクオンタイズってなんだー? って人は練習会で聞いてください。
ビタで合わせればいいので、その練習をしてください。
よくDJが「あびゃあああ!!! 繋ぐとこ(MIX POINT)ミスったぁ!!!!!」って叫んでいるのはこの展開がズレたことを意味していますww
DJ中の乾杯や話しかけられた等、ズレることは多々あるので展開毎にCUE打っておくと安心ですね。

同じBPMで繋ぐ

同じBPMで違う曲を繋ぎます。
すでにここまで読んで、実践している人はCUEが打ってあるはずです。
32拍には32拍、64拍には64拍で合わせれば繋がります。

違うBPMで繋ぐ

違うBPMの曲でも繋いでみます。
ピッチフェーダーでBPMを合わせて繋ぐだけ、なんですが。
同じく、32拍は32拍、16拍は16拍で合わせます。
そして、ピッチフェーダーをゼロ位置に戻します。(これ、めっちゃ重要!)
ピッチフェーダーを戻す癖をつけないと、次の曲とのBPMレンジが広がり繋ぎにくくなったり、映像を出してくれるVJを困らせてしまいます。

ここまで出来れば、いきなりイベントデビューしても「アイツDJ出来るじゃん!」くらいに言われると思います。
筆者も実際、これしかやってないです。

更に上手く繋ぐために

KEYを意識する(ハーモニック・ミキシング)

KEYってなんだ?
筆者もわからないですww
KEYってなんですかね???
和音の基準音とかそんなんだった気がする。
わかんなくても問題ないです。
そう、DJソフトが解析してくれるから!!!(ドンッ)

こういう曲、イントロはKEYを意識しなくていいです。
ドラムパターンには和音が無いので。
先程のDAYBREAK FRONTLINEはイントロから和音なのでKEYが重要になります。


Google画像検索くんありがとう

最初に覚えるのは、↑の画像と1〜12の数字とAとB(KEYの名前)です。
この図、「キャメロット・システム」って名前ですが、覚えなくていいです。
めっちゃ簡単に言うと、「隣接区画のKEYは相性が良い」これだけです。
例えば、3Aと相性がいいのは、3B、2A、4Aの3つです。
4Bや、2Bは相性があまり良くないです。
最近のDJソフトは、BPM SYNCだけじゃなく、KEY SYNCもしてくれるとか、してくれないとか。覚えてない。
相性ってなんだ!? なんで隣接区画は相性が良いんだ!?

基本的な繋ぎの上手いDJは拍とBPMとKEYを意識しています。
フェード、カット、バックスピン、イコライジング等の繋ぎ方のテクニックは追々慣れてください。
少なくとも、「始めよう!」って思ってる人が考えるには早すぎるテクニックです。

基礎編の前半はコントローラーを買う前に慣れておくと良いです。
そうすると買ってからのCUE打ちが早くなります。
練習編は音が出せれば一人でも出来るのでいっぱい練習しましょう!

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