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卒業式、袴で出席できる幸せ

迫る大学の卒業式に向け、袴を選び、美容院を予約する。そんな当たり前のことが、私にとってはこれほどにもない幸せに感じます。


成人式は、出られませんでした。

振袖を着るほどのお金がなかったからです。

本当は出席したかったけれど、親の「振袖ってこんなに(お金が)かかるんだ」というひとことに、ああ、この人は娘の晴れ舞台よりお金なんだ。そう思って、出席を諦めました。どうする?なんて聞かなくても答えはわかり切ったものでしょう、と心の中で言い返したことを思い出します。

SNSに流れる成人式の写真にはスーツの人なんてひとりもいなくて、出席しなくてよかった。と思いました。


親元を離れ、夜の仕事を始めてから金銭的に余裕が生まれました。卒業式も、袴で出席することができそうです。自分のスキを込めて選んだ袴、それに合わせた小物を買いそろえるのに少々お金はかかりましたが、悔いはありません。

ようやく普通になれた。そう思います。