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[一部掲載]競馬のレースにおける様々なロスについて

本当に久々になりますが、しっかりしたコラムを書いてみました。読んでいただいた際に少しでもお役に立てる、気づきになるような内容があれば幸いです。

いくつかご注意事項がありますので、こちらご確認をいただきました後、本文を見ていただければと思います。

✅ご注意事項
1.記事に記載される内容につきましては、ローエングリンの見解に基づくもので、実際のデータなどをもとに構築されているものではございません。そのため、見解に誤りがあったとしても、個別コメントは致しかねます。

2.コミュニティ外の方にコミュニティ活動内容やローエングリンの考え方を知っていただくために、2章までを無料にて掲載をさせていただいております。全ての読んでいただくためには、コミュニティへの登録が必要となりますので、是非ご興味ある方は登録をしていただければと思います。
また、こちらの内容を深掘りしていくツイキャスを6月は実施して参りますので、レースの予想の仕方や回顧のやり方にご興味がある方も是非よろしくお願いします。

では、早速進めていきましょう。
まずタイトルに書いているロスとは?という話しをする前に、競馬の予想とは一般的にどのような内容で組み立てられているのか、について考えましょう。

■競馬の予想とは?

競馬の予想とは、一般的に以下の3つの要素にて構成されることが多いです。

  1. ポテンシャル

  2. 状態

  3. レースにおいての不利・ロス(コースやトラックバイアスなどの環境条件含む)

1.ポテンシャル

そのままの内容で、「馬が元々持っている力」を示します。ゲームのように数値化はもちろんできないものになりますが、いくつかの例を挙げますと、
「瞬発力」・「持続力」・「ゲートセンス」・「テンのダッシュ力」・「折り合い」などなどが挙げられます。
今回はここにフォーカスをした内容ではないので割愛しますが、馬にはストロングポイントとウィークポイントがあり、予想の段階ではその馬がコースにフィットするのか、バイアスにフィットするのか、騎手が馬とフィットするのか、なども考えながら、その馬の絶対的な脚力の能力値などと掛け合わせて、考えていくことが多いと思います。
予想を行うにあたり、ここの部分をかなり評価して考えている方が多い印象です。

2.状態

主に調教・パドックなどで判断されることが多い内容になっています。
こちらも今回メインで書く内容ではないので細かくは書きませんが、大きくは「フィジカル」・「心肺」・「メンタル」で構成されていると思います。
調教を細かくみている方は主に「フィジカル」・「心肺」を、パドックを見ている人間は「フィジカル」・「メンタル」を見ている印象がありますね。
*映像だと心肺の判断がなかなかつきにくい

基本的には、1と2の内容が合算されて、その馬がレースを行うにあたって走れる状況にあるかを判断されることが多いのかなと。

3.レースにおいての不利・ロス

今回はこの3にフォーカスをした内容でコラムを書いていこうと思います。
もちろん、レースが始まらないとどのような不利、ロスが発生するかはわかりませんが、事前の段階で展開予想をしていく、馬のキャラや騎手のキャラを考える上で、ロスというものを事前にか感知することができますし、レースの回顧を行うにあたって、受けた不利がどれくらい影響があったのかを考えていけるものになります。
また、競馬のレースを行うにあたり、完璧なレース、ということは存在せず、必ずといってよいほどどこかで少なからずロスを受けることになります。
ロスがどこに存在するものなのか、を理解することは競馬の予想を行うにあたり、とても大切なことになりますね。

■ロス・不利を考えていこう

では、具体的にロス・不利とは何かを考えていきましょう。
競馬におけるロス・不利が発生する場面は、以下のようになります。
1.ゲート・スタートダッシュ
2.1角の入り
3.向正面
4.3角の入り
5.直線

この1つ1つに対してコメントをしていこうと思います。

■ゲート・スタートダッシュ

まず、このセクションとしては、以下の3つがポイントになります。
個別に記載をして行った後に、総合として何を考えるべきかを記載します。

  1. 駐立

  2. ゲート反応

  3. ダッシュ力

1.駐立

これは、ゲートに入って馬がチャカつく、などもそうですし、真っ直ぐに立っていることができない、なども対象になります。
あまり回顧などでも細かく見ている人が少ないのでは?と思いますが、この部分は将来の出遅れを予知できるものとなります。
駐立が悪い=すぐに出遅れる
ということはなく、ゲートが開いた瞬間にタイミングが良い時に開けば良いスタートが切れるものの、多くのタイミングで駐立の悪い馬は出遅れる可能性が増します。
特にこの部分を注視しないといけないのは、「大きなレース(G1など)」になります。
駐立というのは、センスだけではなく、レースを重ねるたびに悪化していくことも多くあります。大きなレースになると、ポジション争いがかなりシビアになるので、少しのゲートの遅れがそのままポジションを落とす原因になることが多いです。また、緊張感が他のレースとは異なるので、普段から駐立が悪い馬は悪い部分が出やすくなりますね。
もちろん、短距離戦などスタートが特に大事なレースでもシビアに判断をする必要があります。
また、スタートのうまい豊さん、福永さんと他の騎手では、この駐立の部分が他の騎手と大きく異なります。馬の落ち着き、スタートしやすい体制でゲートが開くのを迎える、というのがうまいので、注目してみてもらうと面白いと思います。

2.ゲート反応

ここはゲートが開いた後の反応速度を示します。ここはレースを重ねるごとに変わってくる部分はあるものの、馬の先天的なセンスに関わる部分が多いと思っています。そのため、この部分が早い馬を知っておくと、ぽん、と出る馬を事前に判断することができるようになります。
突然反応速度が大きく変わらない = 安定して使える事前ファクター
となり、ここを事前に知っているかどうかは大きな違いを生みます。
駐立+ゲート反応=スタート速度
と判断される方が多いと思いますが、変わっていくものと変わりにくいもの、なので、逃げ馬を判断する、という時には、このゲート反応速度を知っておくことが大事になりますね。

3.ダッシュ力

ここはポジションを取るときに必要なダッシュ力を示します。
1+2でゲートの反応が決まり、ここの部分で隊列が決まってきますね。この部分で知っておかないといけない内容は、エンジンのかかりが早い馬なのか、エンジンがかかった後の加速力が早い馬なのか、という部分ですね。
ここはあまりにもケースが多くなるので、ざっくりとした書き方にしますが、逃げ馬としてアドバンテージを得やすいのは、まず、エンジンのかかりが早い馬、になります。
理由としては、逃げ馬においては、周りの馬の動向を見て、自分が行けるかどうかを判断します。そのため、初速が早い(できればゲートが早い)場合には、周りの馬が控えてくれる、といった状況ができやすくなります。
*逃げ馬がいっぱい前にいて、並行の状態で1角を迎える、というのは、初速の遅い馬が多い場合に、騎手が逃げられるチャンスがあるな、と思うことによって起きうることが多いです。また、こういう初速の早いタイプについては、ダートにおいても内枠から出していくことがやりやすくなります。
逆を言えば、初速は早いけど、エンジン加速後のスピードに乗りにくい馬については、騎手が主張をしない場合(特に外枠)、よく見ると思いますが、なぜか逃げないケースが多くなるので、乗り手を選びます。理由は、馬なりで出していくと思ったより伸びずに、インを見ている間に加速の遅い馬がスピードに乗って逃げる形になってしまう、ということになりますね。
逆にエンジンのかかりの遅い馬についてなのですが、こちらは前述した内容の逆で、内枠だと出して行こうとする前に前に入られてしまうので外枠が理想(仮に逃げられても必要以上にダッシュしてしまうのでばてやすい)になりますし、騎手についてはポジションが遅れた状況からスタートしやすいので、それでも前に行く、という胆力と適切な状況判断が必要になります。

4.全体総括

ここまでの内容を合わせて1Fから2Fの途中までのラップを示します。
短距離戦(ワンターン)と中距離以上(2ターン以上)でこの部分の大切さは変わってきますね。
短距離戦については、自分のポジションを主張して、スピードのロスを起こさない(短距離戦においては、スピードのロスを起こす道中の不利が大きい)地固めをする段階になります。騎手が欲を出して前に出していけそうだ、と思えば隊列争いが厳しくなって、ハイペースになりやすくなりますし、スパッと前にいく馬が出て来れば、後ろの馬は諦めて単騎でいく形になってペースそのものは落ち着いてきます。隊列争いについては、上記の部分を意識して予想をしていくと、精度が上がってくると思います。
中距離以上で2ターンになると、コーナーで一旦息が入るので、短距離ほど意識をする内容にはなりませんが、大事になってくるのは3で記載をしたエンジンのかかりかた、になりますね。2ターンの隊列を決定づけるのは、騎手が行く意識があるかどうかも大事になりますが、エンジンのかかりの早い馬が出ていくと隊列が落ち着きやすくなりますし、主張が弱いとみんなが譲り合うことになって、この後に記載する1角の部分で混乱が起きやすくなります。
また、今回は細かく触れていませんが、もちろん後方の馬に対しても影響する内容になります。エンジンのかかりが遅い馬は特にどうやってもポジションが取れないですので、意識をしておくと良いと思います。
大きなレース(特にG1)になるほど、スタート後のポジション争いは大事になりますので、この辺りの影響力が大きく関わってくることも忘れないようにしないといけませんね。

■1角の入り

こちらは2ターン以上の時にのみ発生する内容になりますね。
中距離戦ではあるので、短距離戦でのスピードロスほどの大きな問題にはならないものの、コーナーでのロス、というのも最後の粘りを考える上では影響を与えます。

1.加速ロス

見た目に分かりやすい、外枠の馬が外外を回されて、コーナー負荷がかかる、というのも大きなロスの理由になりますが、その前提として必要になるのは、スタートからどれだけ加速をしてコーナーに到達しているか、ということですね。
当たり前ですが、スピードを減速しっかりした状態でコーナーに到達すれば、外を回した場合のロスも最低限に抑えられますし、抑えきれずに加速をして入った場合には、大きなロスになります。
この辺りは回顧の時のポイントになりやすいですし、TOP騎手になれば、この辺りの意識は高いので、ポジションを多少ロスしてもスピードを抑えてコーナーに入ってきますし、新人騎手などはとにかくポジション!といった動きでコーナーにスピードに乗ったまま入ってきて、大きなロスを食らうことになります。

2.インにいてもロスがある

また、この部分で大事なことは、コーナーで前カットを食らってスピードをロスしているか、というのも大事になります。
特に団子の状態などでコーナーに入った場合に、包まれたポジションで走っている馬は前の馬の動きによって自分のリズムではない、スピードに乗れない状況でコーナーに到達することがあったり、コーナーが下手な騎手が前にいる場合、寄られることでスピードをロスしている場合があったりします。この辺りも減点材料になり得るので、チェックをすると良いかなと思います。

3.予想に組み入れると

これを予想に踏まえると、特に外枠の馬はダートだと砂をかぶらないという+ポイントはあるも、外を回される可能性が大きくなるのも心理です。
外枠の馬を買う場合には、騎手がどのような動きをするか(出し切って前に行ってコーナーで減速できるのか、そもそも出さないでポジションを抑えてもくる流れになるのか)などを考えると良いと思います。
また、1角で決まった隊列がその後の隊列として動かずに決まっていくことも意識をすることが大事です。

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いかがでしたでしょうか。
このあとは、「向正面」「3角の入り」、「直線」についての内容をコミュニティ向けに配信しています。今月時間が許せば、「天候」や「枠順」などの環境バイアスについての記載もコミュニティ向けに進めていく予定です。

また、この内容の解説を一部行うツイキャスは水曜日(6/1)22:30から行いますので、ご興味を持っていただけましたら、まずはツイキャスのご参加をいただければと思います。
*アーカイブも残すつもりなので、後ほどでもご確認いただくことは可能です。

また、私の考えにご興味を持っていただける、競馬を勉強したい、週末一緒に競馬をしていきたい、などありましたら、今週金曜日(6/3)まで月会員募集をしておりますので、ご登録をいただければと思います。

✅6月コミュニティ募集フォーム
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