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大胆に予想!『美味しい馬券〜「美味しい競馬」スピンオフ〜』(安田記念)


日曜(6月6日)東京11Rの安田記念。YouTube(logirl 【テレ朝動画公式】YouTube)の「美味しい競馬」#31でもいろいろ話をしていますが、このレースは’18年を境に、好走馬の傾向が一変しました。端的に言えば、経験より鮮度。若さ、軽さ、勢い、明るさ…などのファクターが重視されるようになりました。

このレースでは、1分31秒台の時計が昔から出ています。でも’10年にショウワモダンが出した1分31秒7と、’20年にグランアレグリアが出した1分31秒6は似たような時計でいて、中身は全然違います。

’10年の安田記念はレースの上がり3F(残り600メートルのタイム)が35秒4、ショウワモダンの上がり3Fが34秒6。
‘20年の安田記念はレースの上がり3F34秒3、グランアレグリアは33秒7。

全体的に速いラップの’10年に比べて、’20年は後半がキュンキュンに速い。軽い切れ味が重視されるようになっていますので、全体が速いラップの耐性より、瞬間的にいかに瞬発力を繰り出すかにレースの質が変化しているのです。

そこで重要なのが、レース自体や高速上がりマイルへの「鮮度」です。瞬間的な集中力は若い方がいい、経験が少ない方がむしろいい。
なぜか?たぶんですけど、端的に言えば、苦しさを知らない方が頑張れるからじゃないでしょうかね。全体が速いラップは息の入れ方とか、スピード耐性そのものを問うので経験が生きる面もあるのですが、全体が1分31秒前後、上がり3F34秒を割るような超高速上がりレースは馬もやっぱり苦しいので、「分かってない」ことが意味を持ってきます。

馬が騎手の思う通りに動いてくれないことを競馬用語で「ズブくなる」と言います。英語ではLagy(レイジー、怠惰な)と言うのですが、日本語にせよ英語にせよ言葉のイメージと裏腹、ズブくなった馬というのは、だいたい賢くなっており、苦しいことを厭うがゆえにそうなるのです。めちゃくちゃ大ざっぱな区分けとして、若いうち、それから生真面目な性質が相対的に多い牝馬は、あまりズブくなりません。年かさの牡馬は結構、ズブくなります。

⑧インディチャンプは一昨年の安田記念、4歳時に1着。昨年5歳時は3着でした。今年6歳の牡馬です。最近のレースではちょっと反応が鈍く…ズブくなったのもありますし、スレた感じ。阪急杯4着とか、「もうええわ、これぐらいでええやろ」と投げだし感がありました。このままでは3度目の挑戦となる安田記念では若い力に踏みにじられそうでした。そのあたりは陣営も分かっていますので、てこ入れしてきました。

前走高松宮記念で初の1200メートルへの出走(3着)。

重馬場だったので、ラップタイム自体はそう速くありませんが、距離が短いので、とにかく急がされるというこれまでにない経験。「なんやなんや、もう行くんかい」みたいな感じ。6歳牡馬、東京マイルは4回目。もう飽きたわ、その出張先…と、中年サラリーマンみたいなことを思っていたインディチャンプが、鮮度が大事なレースに向けて、言葉としては矛盾しますが「鮮度を取り戻す」過程を挟んできました。初めてスプリントG1の激流に放り込まれて気持ちがリフレッシュ!中間の調教の動き、めっちゃ若いですよ。
1年ぶりの東京マイル。1200メートル後で急かされたあとの今回、最後、上がり3Fの苦しいところで「よっしゃ、前回ほど忙しうないし、もういっちょ頑張ったろか」となる算段です。

いやー、鮮度が大事…で、シュネルマイスターかサリオスを◎にするつもりで検討を始めたところ、インディチャンプに東京へ出張する関西圏サラリーマンの悲哀を見いだしてしまい、検討した結果、十分勝負になると判断しました。漫画みたいですが、距離短縮で活を入れて…というメソッド自体は本当にあるのです。去年のグランアレグリア(高松宮2着→安田1着)がそうでしたしね。その⑤グランアレグリア、今年も走るでしょう。あと若い3、4歳馬。①サリオス4歳⑦ラウダシオン4歳⑬シュネルマイスター3歳

馬券は
3連単1頭軸マルチ。
⑧インディチャンプ軸、相手は①⑤⑦⑬ 36点。

text:仙波広雄@スポーツニッポン新聞社 競馬担当/【logirl】でアーカイブ公開中『美味しい競馬』MC