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弁財天第二幕 参加記録

伴奏に合うようなメロディを自動生成してどちらがイケてるかを競うコンテスト、AIミュージックバトル!『弁財天』の第2回大会が先月末に開催されました。

2月に開催された第1回大会がとても楽しかったので、募集開始と同時に申し込んだのですが、第2回は波乱の展開が待っていました。

ヘルニア

5月ころから慢性的に腰痛に悩まされていましたが、9月の半ばをすぎる頃から歩行に支障をきたすレベルにまで悪化し、検査の結果、椎間板ヘルニアが発覚しました。
10月になることにはもう椅子に座ることすらできなくなり、横になっても痛みのあまり寝床で転げ回り、気づいたら夕方だったなんて日もあったほど。

当然座ってプログラミングなんてできません。
これは出場を辞退せざるをえないかなぁ、なんて思いも過りました。

logN爆誕

そんな中、思いがけない出来事がひとつ。
なんと、nodat(@nodatakeo)さんからチーム参戦の提案がありました。

当時、前述の通り寝床で転げ回るしかなかった自分としてはnodatさんに迷惑を書けることが火を見るよりも明らかだったので、正直ためらっているという旨を思いのまま打ち明けました。
そうしたらなんと「それでも構わない」と仰るので、嬉しくて思わず起き上がりました。次の瞬間には反動で腰を抱えながらチーム名どうしますか、と返信したのを覚えています。

 チーム名のlogNはnodatさんからの提案で、log5 + nodat が元ネタです。オリジナルは全部小文字でしたが、切れ目がわかりやすいようにNだけ大文字にするよう自分から提案しました。

解法

第1回大会からの更新についてはLTで発表したとおりです。

予選

実は予選期間にてnodatさんがかなり工夫をしたプログラムを作った下さったのですが、予選における提出期限前日までに体調が回復しなかったため、思ったとおりに品質評価が行えず、かなり保守的にマージした状態(元のコードがほぼ残っている状態)でメロディを生成したのでした。

予選の時点のソースコードはここから確認できます:

実際に生成したメロディはこちら:

本番

手術を終えて臨んた本番ですが、さすがにすぐには回復せず、杖をついて会場に向かいました。
座ること自体は可能になったものの、継続して座り続けることは難しく、ソファー席を借りて、つらいときは少し横になったりしました。(会場でだいぶマナーの悪い座り方をしていた人がいたと思いますが、私です… m(_ _)m)

プログラムに関しては、自分が変更した部分をnodatさんに見ていただいたことで、かなり改良が進み、これならば競技に耐えうるという状況に仕立てることができました。(コードについては文末に掲載しました。)

Bブロックのバトルですが、なんと予選の結果シード権を獲得することができ、いきなり準決勝に進むことができました。

しかし、準決勝では想定していなかった(対策が甘かった)パターンの課題曲が出題され、結果として敗退となりました。

舞台の上で an_chii のお二方とは「難しいですね」と一緒に頭を抱えていたものですが、蓋を開けてみれば an_chii さんのメロディに軍配が上がりました。

an_chii さんのメロディはピッチベンドだけでなくモジュレーションに関する工夫もされていたりと、ここに書ききれない学びがとても多くあります。参加記録を執筆して下さっていますので、ぜひご覧になってください。

決勝戦の様子はこちらからご覧いただけます。

弁財天第二幕の王者はjackさんとなりました。
改めて、おめでとうございます!

感想

解法に関して

今回極めて印象的だったのは、優勝したjackさんの解法です。
特に刺さったのは「後処理を一切入れない」部分で、これは私が第1回弁財天に参加したての頃(2022年の暮れ)に理想的な解法として位置づけたものでした。
当時は機械学習という分野にほとんど知見がなく、結果として後処理もりもりのプログラムを引っ提げて、2月の本番に臨んだわけです。しかしながら、そのプログラムが優勝を勝ち取ったことで、自分の中では「AIが大衆音楽を生成する時代はまだ遠いかもしれない」という一種のバイアスが形成されることになりました。
ゆえに、今回jackさんのアプローチが優勝をもぎ取ったという結果は、自分の中で生じた"思い違い"を取り除く大きな契機になりました。
jackさんの解法にご興味がある方は、下記スレッドが大変参考になると思います。

会場運営に関して

運営スタッフの皆さまには、大変親切なお心遣いをいただきました。
リハーサル時に杖をついて壇上に上がろうとしたのですが、「何かお持ちしましょうか」とご提案いただいたり、壇上で残り時間の表示が見づらいとの意見を受けてその場で専用のノートPCをご用意いただくなど、参加者への心遣いは非常に素晴らしいものでした。全て書ききれませんが、ご配慮には言葉に表しきれない感謝の気持ちでいっぱいです。
次回があればまた参加したいと思いました。

nodatさんへ

第二幕は本当にnodatさんがいなければ参加を諦めていたと思うので、logNというチームは実際nodatさんなしでは成り立たなかったと思います。
それどころか、音楽分野にも機械学習分野にも両方強いnodatさんから知識を分けていただくことができて、正直自分ばかり得したのでは、と考えるほどです。本当に大変勉強になりました!
ぜひ、また機会がありましたら、今度は会場で直接会いしましょう!
本当にありがとうございました!

第二幕のプログラム


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