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コンテンツガイド 風景2 〜風景の日本 第2回「喫茶 フラミンゴ」


池袋駅西口、東京芸術劇場の傍にタイトーのゲームセンターがあって、そのビルの地下2階に「喫茶 フラミンゴ」がある。広い店内の真ん中には水槽があり、熱帯魚たちが悠々と泳いでいる。

店内はいつもちょうどいい人の混み具合で、近くにある立教大学の学生やサラリーマンの集団もいれば、怪しい人びとも多い。今も私はフラミンゴにいるのだが、右隣では法華経について初老の男性が3人で延々と語り、左ではカメラを持った男女が国道沿いのラブホについて話し、目の前では怪しいマルチ商法の勧誘が行われている。

さて、喫茶フラミンゴの片隅、いつも決まったところに座る男性がいる。
3代目神田松鯉だ。
現在飛ぶ鳥を落とす勢いの講談師、6代目神田伯山の師匠で、昨年には人間国宝にも選出された、講談界の大御所である。
彼はほぼ毎日フラミンゴの決まった席に座り、店内に置いてある幾種類の新聞を読んでいる。ちなみに今も、松鯉は私の2つ右隣の席に座って新聞を読んでいる。

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