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2021年6月の記事一覧

伏見瞬の何らかの連載(第3回) 〜スピッツ論とフィールドの不在〜

 『スピッツ論(仮)』を相変わらず書き進めています。全部で12章に渡る予定の、7章まで書き終えました。2週間に1度1章分を書くというペースが(数日遅れながらも)守れているので、自分の仕事のスピード感にはそこそこ満足しています、しかし、最後まで書き終えた後で加筆・修正を沢山加えなくてはいけないのが目に見えて明白です。その修正がどれくらい必要か、まったく使えない章も出てくるんではないかと、気が気でありません。「これだ!」という立ち位置が見えないまま、ずっと書き続けている感じがしま

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食思考マラソン(13)季節の変わり目について(初夏)│太田充胤

本日のメニュー トマト・茄子・豆腐の味噌汁 ゴーヤのおひたし 胡瓜とわかめの酢の物 鮭ハラス 毎年のことなのですが、季節の変わり目のご飯はだいたいうまく作れません。その季節の食思考のリズムを完全に忘れているからです。 去年の今頃なにを食べていたっけ、というところまでは写真を見ればわかりますが、写真にはレシピも思考の流れも残りません。ああそうだ、こんなおかずがあったっけ、と思い出して9ヶ月ぶりに作ってみても、味が全然決まらなかったりします。献立の組立もいまひとつ調和がとれず

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わたしはあなたのことが幸福にわからない │ 河野咲子(ピピロッティ・リスト展「Your Eye Is My Island:あなたの眼はわたしの島」レビュー)

 初夏めく京都の空はまっさらに晴れ、まだ燈のともらない《Hiplights》が——使い古された下着の数々が、呑気な万国旗のごとく踊っていた。夜になるとこれらの下着がひかるのだという。それもまたほがらかとしか言いようのない光景だろうと思う。  下着のしたをくぐって——お邪魔します、と思いながら——美術館の中へ入ると眼前にはもうカラフルな絨毯と、映像のなかのピピロッティ・リスト自身の姿が見えた。  ピピロッティ・リストはスイスを拠点に活動するアーティストで、その回顧展を見るた

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食思考マラソン(12)最少鍋ルールと並行処理限界丨太田充胤

本日のメニュー 鰤の山椒焼き 人参のきんぴら 玉ねぎとピーマンのマリネ 空豆焼いただけ かき卵とレタスの味噌汁 とうもろこしごはん そろそろ暑くなってきたので夏のご飯について書きたいのですが、前回書いた「調理工程の並行処理限界」について再検討する必要を感じたため、今回はそういう話をします。 前回読んでいない方はなんのこっちゃという感じかもしれませんが、こういうことです。 並行処理できるおかずの数には限りがあるため、調理にかかる時間はどうしても長くなります。おそらく個人差

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