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わたしが泣くときに、いつも理由なんて無い。ただ涙が出てきて止められないってだけで「どうしたの?」とか聞かれてもなんとも言えないし、言ったところで大した内容でも無いの。いつも。

ただ私は、ひとことで言うと体育会系がきらい。甘ったれた奴だと思われるかもしれないけど、私はこれでも小中運動部でバリバリに叫んで走って泣いていた。だけど今思い返して私にとってそこから学んだものって特に出てこない。無駄な負けず嫌いと敵対心、競争心、上下関係とプライドが身に付いてしまっただけ。高校生になって美術部に入り自己発信に集中するようになって気付いたことは、身になる技術をもっと前から学んでおくべきだったということと、穏やかで優しくあることは自分の中で太い軸になるということ。悔しくたって、負けたくなくたって、体力の限界まで頑張ったって、出てくるのは劣等感とゴミみたいな作品だけ。穏やかじゃなければ、優しさがなければ、わたしが創りたいものは心の中で留まって怖がって出て来れないの。

血も汗も滲むような作品を作りたいんじゃない。そうして産まれた作品が与えるものは強い(こわい)。それを目指している人が、それを求める人に対して作ればいい。ただ私は、それとは違うよ、という話。皆に対して同じような世界を押し付けるのは違うということ。わたしはそれに負けない優しくて"つよい"ものをつくりたい。涙とか要らない。産まれるものにトゲが生えてしまいそうだから。わたしがつくりたい歴史は、わたしがつくる。

批判される筋合いなんかない。いつかわたしの世界がいちばんの影響をあたえられるように。幸せがいっぱいひろがるように。わたしが知ってる愛をこれでもかってくらいに伝えたい。それだけ。

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