デジタル推進課長八木さんに聞く!志木市役所の生成AI導入【突撃!隣のプロンプト!】
本記事は、AI人材リモートアシスタント「ロコアシ」による企画記事です。
「志木市役所」デジタル推進課長の八木様に、志木市役所の生成AIに関する取り組みについてお話を伺いました。
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志木市役所におけるデジタル化の推進を担うデジタル推進課
——読者の方に向けて、志木市と、デジタル推進課と、八木さまのご紹介をお願いします。
志木市役所デジタル推進課長の八木です。志木市は埼玉県南部にある人口7万6千人、面積9.05平方キロの自治体です。
デジタル推進課は読んで字のごとく、市役所におけるデジタル化の推進をはじめ、自治体DXや情報セキュリティのほか、いわゆる情シス業務も含めた様々な業務を担っています。
ChatGPTのファーストインプレッションは「これは使える」
——ChatGPTのファーストインプレッションを教えてください。
ChatGPTを初めて触ったのは昨年3月頃、トレンドになった時期でした。ChatGPTのファーストインプレッションは「これは使える」でした。文章を考えるのが苦手な性分なので、すぐに使い始めました。
昨年3月頃から、庁内でChatGPTの話題が増えていった
——志木市役所への導入の経緯を教えてください。
令和5年3月頃から、庁内でChatGPTの話題が増え、中にはGPT4に課金した人もいました。職員のプライベートなChatGPTアカウントが市役所業務に活用されて、情報が漏洩することは防がねばなりません。
情シス担当としての課題感もあり、4月末にChatGPTの取り扱いについての文書を庁内全体に出しました。
そのような状況下、社会的には次第に生成AIを活用した事業者が、自治体専用のChatGPTサービスや、自治体のシステムに組み込み可能なソリューションを公開しました。
広報しき令和5年6月号の市長コラム「以心伝心」で、市長がChatGPTについて触れています。積極的な導入に挑戦していくという心強いコラムでした。
また、志木市議会令和5年6月定例会で、ChatGPTの活用について一般質問がありました。せっかくなので通常通り作成した答弁に「ChatGPTが生成した答弁」を盛り込み、回答の実例を示したところです。
7月から市役所のシステム上で動作するChatGPTのトライアルを開始し、勉強会の開催などを通して、活用を検証しました。
エクセル関数の作成やJavaScript解析、挨拶文原案作成、アンケート原案作成などで生成AIを活用
——志木市役所では、生成AIはどのように活用されていますか?
現状では、エクセルの関数作成やJavaScriptの解析、挨拶文原案作成、アンケート原案作成などで生成AIが活用されています。ただし活用状況にはグラデーションがあり、興味を持って積極的に活用する人、勉強会に参加して理解を深める人、全く興味がない人の3パターンに分かれています。
窓口業務などの職種では活用シーンが少ない
——生成AI活用における課題や難しさを感じるところがあれば、教えてください。
生成AIの課題としては、職種によっては活用の機会がないこと。例えば、窓口業務などです。告知文面や案内のための資料を作成するなど、使えるタイミングがあるのかもしれないですが、市民との接点だけだと、まだ活用が見えてこないですね。プロンプトのテンプレートがあれば分かりやすいという意見もあります。
早い時期の正式導入に向けて進めたい
——今後の展望について、聞かせてください。
市役所のシステム上で使えるChatGPTのシステムの予算が確保できたので、令和6年度の早い時期での正式導入に向けて進めていきます。
また、ChatGPT研修の充実を図っていく予定です。例えば、これまでは時間外の自主的な勉強会だけでしたが、今後は日中に研修を行う予定です。従来の勉強会のような簡単な活用例からスタートし、ステップアップでプロンプトの精度向上なども取り入れる計画です。
生成AIは作業の基礎を作ってくれる
——この記事を読んでいる方に生成AIをお勧めしていただけますか?
通知文や挨拶文の作成など、生成AIを活用すると、業務が効率化できます。ただし、丸写しにはせず、人間がブラッシュアップすることが重要です。生成AIは作業の基礎を作ってくれるので、そこから磨き上げていけば、途中までの取り組みの時間が大幅に短縮できます。
志木市役所内でも、もう少しその辺を理解してもらえるような、研修をしていかないといけないと思っています。
ChatGPTが人件費や残業代の削減につながっていく
——志木市役所が生成AIを活用することで、市民の皆さんにはどう影響が出ますか?
ExcelとかWordと同じくらい、ChatGPTが定着して、使用度を高めていけば、目に見えづらいかもしれませんが、人件費や残業代の削減につながっていくと考えています。
例えば、毎年同じ文面ならすぐに作れますが、数年に1度のイベントの案内文などは手間がかかります。生成AIなら過去の情報を調べて文章を生成でき、他の作業に注力できるようになります。
また、人口減少が進めば、将来的に自治体DXがより重要になりますが、既に人手不足は深刻な状況です。
副次的ですが、仕事の効率化により職員の余暇が増え、地域活動に生かせればと思います。
志木市デジタル推進課ではnoteで取り組みを公開中
本市の生成AI活用は、先行自治体に比べると取り組みは小さいかもしれません。しかし、飾らずに実態を公開する方針です。部署の人員が限られているため、ブログ記事は自分で書いて公開しています。資料を他自治体に提供するなど、できる範囲で情報共有しています。大げさに語らず、素直に活動を伝えていきたいと考えています。
お話を聞いた方
志木市役所
デジタル推進課長 八木 征利様
(聞き手・撮影:ロコアシ事業部長 あさい)
ロコアシ:AI活用人材にデスクワークを委託!
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