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ドイツ旅行報告会 20230831


山地酪農、ってご存知でしょうか。文字通り山あいで牛を放牧することなんですが、一日中草を食べ、繰り返し踏みつける事で、場の植生が野芝のような背丈の低いものに転換していくそうで、荒廃地の管理に効果がありそう。何より、省力的で景観の維持にGOOD!

また、牛は雨や寒さに強く、草の好みがあまりなく、森林で放牧すると、下草が綺麗に片付く上、成牛で数百キロという体格と体高から、歩き回ると木々の下枝を折ってくれるため、放っておくだけで山の管理ができてしまう、というなかなかいい話です。

牛の放牧により、下草と下枝がなくなった状態の里山

ドイツ見た郊外の景色の多くが、低木の芝のような美しい植生で保たれ、牛が放してあったことにヒントを得て、今後、田園や里山管理に人出が割けない未来が来るのが確実な中、管理の手法として考えられないかと、調べていて見つけました。

でも、本当にそんなことできるの?そんなわけで、御代田町にある、山地放牧研究拠点に実際に見せてもらいに行きました。
聞けば別に新しい方法ではなく、過去には高遠でも県主催で取り組まれた経過があるようです。山地、林間地と色々なパターンで放牧しており、植生の変化や森林の片付きぶりは驚きでした。

ハイジのような景色は元からあるのではなく、元は山地だったところを牛が草を食べ、踏みつけ、植生が徐々に変化した結果だそうです

出荷を前提にした放牧ではなく、農地山地の管理に主眼を置いた放牧は、聞かないそうですが、一定範囲を電柵で囲い、廃牛を使ってやれば可能性は充分にありそうです。
管理に手間をかけないことに主眼を置くなら、乳搾りのない肉牛がベター。

住宅地付近で実施する上での理解や、先祖伝来の畑を牧草地に転換する抵抗感など、実施にあたっての課題もたくさん。なにより、誰がやるか。
でもこれ、特に酪農が盛んなわが町で、すごく現実的なオプションでないかなと思いました。肉も食べれるしね

ちなみに、岩手のなかほら牧場というところで実践事例があります。こっちはもっとすごくて、牛舎のない牧場で、自然交配(!)。試しに牛乳取り寄せてみましたが、美味しかったです。


なかほら牧場


ドイツのお土産にもらったチーズとサラミ。 それぞれ紙と経木のような木製のトレイに入っていて、食卓に乗っても違和感がありません。 プラトレイよりずっと感じが良くて、しかも木製。これ、地元材でもできないかなぁ。


https://www.town.minowa.lg.jp/data/open/cnt/3/2172/1/ppt.pdf?20221117170527


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