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20240309 朝モヤの会 


皆さんおはようございます。
こんな素敵なテーマで、山本さんと、そしての皆さんとモヤモヤできる機会が頂けて、とても嬉しく思っています。

移住と定住の促進、という観点で、農をテーマに箕輪町に住んでみたい、暮らし続けたい、と思える理由を作ることを仕事にしてきました。
その中で、広く世の中に向けて箕輪町のことを伝えることを考えたとき、

①数ある町の中から箕輪町を選んでもらう理由
 知名度、何かの相対的な優位、他にはない特徴、スーパーや医療機関などの生活インフラのありなし、地価や住宅が安い、ブランドイメージ、他にないメリット(標高高いとか)、補助金なども
 ➡選んでもらうための指標が、外にある/コスパ・タイパ/資本主義的

②ここで暮らすことの楽しさ・豊かになる気持ち
 アルプスの美しい山並みを眺める眺望が毎日、田畑が豊かで農的な暮らしが楽しめる、森が近く、工夫次第で森と暮らせる、
 ➡選んでもらうための指標が、その人の主観(興味関心)に由来する

どちらにしても、箕輪町である必然はない、という事だと思いますが
アプローチするとすれば、②のその人の興味関心なのかな、と思って「農ある暮らし」を一つのテーマに取り組んできました。

風景の持つ価値

もう一つ、私は伊那谷の山並みを眺める風景が好きでここに暮らしているのですが、その風景の価値についてどう今住んでいる方と共有し、保全し、後世にどう伝えていくか、という取り組みを10年近くしています。

地域の事業所や商店の皆さんと、伊那谷らしい山並み風景や、その手前に広がる田園風景についての価値を伝えながら、看板を設置するにしても、風景を妨げないサイズや色・形についての基準を独自に考え、看板を提案したりしています。

https://3wind-design.org/



その中での行き詰まりとして、今日のテーマである指標についてぶつかりました。

①風景を大切にすることで、儲かるエビデンスがあるのか?
 大きくて派手な看板の方が訴求力が高い、という事業主の広告に対する商売の邪魔をするわけですから、これは大変です。

②伊那谷の風景は他と比べて素晴らしく、保全する価値があることを示すエビデンスがあるのか?
 これは、地域の比較的理解があり大きな力を持つ事業所のCSR担当などと話す中で、社内的なコンセンサスを得るのに「風景に対して会社が果たす責任」という観点での前向きな議論で論点に上がります。

このことについては、いくつかの社会実験や信州大学との調査を行い、数値的なエビデンスはないわけではないのですが、

最終的には一定のエリアとしてどういう価値を作っていくのがいいか、という話に収斂して、

具体的には、安曇野のサラダ街道、京都、スイスの山岳景観、のような「一定のエリアとして素敵な場所を作り、行ってみたいと思える価値を作る」ような「エリアブランディング」によって地価や価値が高まる、という大きな地域的な土地利用に関する合意というゴールになりがちです。

ですので、一つ一つの取り組みの積み重ねというボトムアップでは限界があり、もう一つ上の優れたブランディングに基づく「地域的な合意、土地利用規制」というセンスのいい施策ができないと、価値を生まない、という事だと思っています。ソーラーパネル問題はこのフェーズで議論されるといいですね。

ということで、ここで暮らす豊かさを構成する大きなパーツの一つである、風景ひとつとっても、その良さを数値化するのは極めて難しいということが分かります。

そうすると、残るのは

そうすると、箕輪町の魅力を伝えるには、その人の興味関心に訴えるもので、かつそれは「客観的に広く世の中と比較できる数値・指標」と勝負しても一番はなよねー、ということははっきりしたので、

それと真反対にあるのは、「世の中の人はどう思うかは知らないけれど、私が主観的に、これ最高だと思う」っていうことかなと思うんです。
さあ、そんな指標ってあるんでしょうか??モヤモヤしますね~

その観点で見ると、
今日の会場である千万音のこちらの古民家は、山本さんが素晴らしいセルフビルドで作られた素敵な空間で、皆さん居心地がいいと思うんですけれど、今日ここに来ただけで「豊かである」ことを感じてると思います。

山本さんの作られている音もそうです。唯一無二の素晴らしい音の作り出す価値って、最終的には聴く人がそう思うかどうか、というところで勝負してらっしゃると思うのですけれど、そのあたりから
「山本さんが考えるここで暮らす幸せと、音についての考え方やその指標」について、お伺いしたいと思います。



その土地で、その土地にあるものを使って、面白く暮らしている人とその発信が一番面白くて、住んでみたいと思える材料なんじゃないかな。


 

地域幸福度(Well-Being)デジタル庁より

各地域の街づくりにおいては、様々な事業が行われています。この地域幸福度(Well-Being)指標を「共通指標」として広く活用していただくことで、それぞれの事業が目指す街づくりの目的や取組について、市民や事業者など様々な関係者が、その共通目標に向けて協力することが可能になります。

☆GDPとは

GDPの定義と制約
国内総生産(Gross Domestic Product, GDP)は,一国の領土内で一定期間に政府,全企業,非営利組織,家計によって行われた全ての生産を,財・サービスの種類にかかわらず記録したものである.
GDP が考案されたのは,1930 年代の大恐慌から第二次世界大戦に至る時期で,大恐慌の間に失われた経済規模や戦争を遂行する上で必要な軍事調達をどの程度できるかを把握する目的で作成された.GDP の考案者は,GDP で社会の幸福(well-being)や豊かさの度合いを測ろうとしたわけではなかった.
考案者の一人,サイモン・クズネッツは,「本当に価値ある国民所得とは,
先進的な社会から見て有害となる要素を合計から差し引いたもの」だと述べている(ダイアン 2015 から引用).

https://www.oecd.org/tokyo/publicationsdocuments/Beyond_GDP_Servicology2020.pdf


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