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地方行政にもインテリジェンス機関が必要と考える

インテリジェンスというとスパイ、ハッキングなどの怪しいイメージがあると思いますが、個人や企業の判断にも役立つノウハウなんだなと調べていけばいくほど感じています。

1.そもそもインテリジェンスとは?

そもそもインテリジェンスとは何かというと「判断や行動に必要な分析された情報」のことです。
政府の外交安全保障政策や企業の戦略決定に寄与する報告書などが該当します。

2.地方行政、とりわけ議会にもインテリジェンス機関が必要と考える

今までインテリジェンス機関は政府や企業において設置されてきました。これを地方行政や地方議会でもインテリジェンス機関を設置できれば良いのではないかと考えています。

3.インテリジェンス機関が必要と思う理由①地方行政は分野が広く把握が困難

要求を伝えるのも難易度が高いのではないかと感じています。
例えば自治体情報誌のD-fileという雑誌がありますが、項目は地域づくり、自治体出版・広報、情報化など合計39項目あります。
これだけの項目数があれば、議員さんがある分野に対して判断するだけの情報を持っていないというケースは容易に想定されます。
何かしら情報収集のサイクルをパターン化することで、未知の分野に於いても判断に資するための情報を素早く収集できる仕組みが必要と考えます。

4.インテリジェンス機関が必要と思う理由②そもそも議員さんが調査の時間が取れない

テーマが広いことに加え、調査時間が十分確保できるかというと疑問が残ります。まず各選挙の投票率などを見ても、自治体の行政に関心を持っている人は多くないと思います。
そうなると挨拶周りなどで顔を見たことがある人に投票するくらいしか選択肢が無い状況と言えます。
すると、情報を調査するよりも対面で顔を合わせる事に使う時間が増えていきます。時間的にも調査を綿密にやるのは難しい面があります。

5.インテリジェンスサイクルを回すための課題は要求の明確化

インテリジェンスサイクルでは要求が伝達される→調査・分析計画を作る→情報収集する→情報を加工する→情報を統合・分析・評価・生産する→インテリジェンスを配布するというプロセスを多層的に回していきます。

伝統的なインテリジェンスサイクル

この中で一番難易度が高いと感じているのが「要求の伝達」です。
地方行政では扱うテーマの幅も広いですし、新しい制度や法律が随時発表されて、現状も変化します。その中で何が今後にわたって利益になるのか判断して要求を出すのはかなり難易度が高いです。

6.要求の明確化のための手法が「10秒政策でのインプット」+「定期的なインタビュー」

この難易度が高い「要求の伝達」をシステマチックにするために考えたのが10秒政策でのインプットと定期的なインタビューです。

10秒政策は各地での政策に関して10秒でインプットするためのフレームワークです。

インタビューは米国の企業におけるインテリジェンス実行のために行われるKITをアレンジして適切なインタビュー項目を見つけていく予定です。
※KITはKey Intelligence Topicの略でどんなインテリジェンスを求めているか可視化していくプロセスです。

KITプロセスのインタビューでの項目

上記は企業向けのインタビューなので、必要な要素を抽出して地方行政向けにアレンジしていきます。

7.まとめ インテリジェンスを常識に

ということで要求の明確化→情報収集→情報加工→情報統合・分析・評価→インテリジェンス生成というプロセスは何も政府の安全保障政策だけではなく、行政・企業や個人の判断でも使える普遍的なものだと考えるので、実践を通してこのサイクルの回し方を磨いていきたいと考えています。


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