映画 The Sonを観た感想

息子が今何を考えているのか、立ち直る手掛かりがないか、藁をもすがる思いで観に行きました
初見の感想が第一と思って、事前に情報は何も入れずに

結論、息子を救うヒントはどこにもなかったし、現状の息子には映画の内容に引きずられてしまうかもしれないから、とても見せられない

親の不仲、離婚、不登校からの転校、父親との再度の同居、父親は再婚し、父親の新しいパートナーは自分たちの家庭を壊して不倫略奪をした張本人、しかも歳が離れた弟が存在してる
自分が何者なのか、どうしたら現実と折り合いがつけられるのか、ティーンエイジャーにはかなりヘビーな現実

ってか、父親が再婚したこと以外は、ほぼ今の息子の通り
不登校、大人が納得する嘘の理由、聞いても明確に何が不安なのかは言葉に出来ない、カウンセラーもけむに巻く賢さ、親への甘え、生き続けることへの絶望しているニコラスはまさに息子そのもので、ニコラスが選択した現実と折り合いをつける方法を息子も模倣してしまうかもしれないという怖さで、とても一緒に観に行こうとは言えない内容だった

一つ言えるのは、男って、何歳になっても0歳のままで、現実の問題に対して解決できないということ
現実の問題点を解決する能力が備わっていないし、女性より非常に劣っている
逃げるか、なかったふりして無視するか、放置するかしかしない
私の周りでは現実を受け入れて問題を解決する能力がある男を見たことがないし(家族でも、職場でも)、この映画でも親子3代にわたっての「父」と「息子」の歪んだ関係の問題からひたすら逃げ続けている姿しか描かれていなかった

主人公のピーターは自身の父との関係性の悪さに対峙することなく逃げ、息子のニコラスとは正面から話し合おうとしない
それぞれの「父」は「理想の息子」とは違っている自分の息子から目を逸らし、「父親からの愛情」を渇望している割には、自分が息子へ愛を注ぐことはできないことを理解していない
ピーターは父に問い、ニコラスも父に問う
直接的な言葉ではないために、父親には決して届かない
「父さん、どうして僕を愛してくれないの?」
ピーターの父親は、「過ぎたことだ、いい加減乗り越えろ」
ピーターは「俺が俺の人生を好きに歩んで何が悪い」
結果、ニコラスは絶望し、急性鬱になり、現実と折り合いをつけることが出来ず、ある選択をする

ああ、なんてリアルな映画なんだ
元夫も自分の父親と折り合いをつけることができず逃げ続け、自分の息子に理想像を押し付け、ピーターと同じく息子をゴミくずのように捨てた
息子も元夫に聞きたいことがあるのかもしれない
私も、私の父親に聞きたかった
「なんでありのままの自分を愛してくれなかったの?」

答えは出ている
とっても絶望的な答えだけど
それはね、男という種族は、他人に愛を与えることができないし、愛を与えることがどういうことなのか、頭で理解できないからなんだよ
本能としてもその機能が備わっていない
だから、どんなに父性愛を求めても、絶対に手に入れることはできない

私自身も求めていた答えだ
何が起きても、ただ大丈夫だよって抱きしめてくれる人はどこにもいない
愛を与えることができる男は、この世の中のどこにもいない

きっと私の息子も、現実を受け入れず、生きることをめんどくさがり、このまま逃げ続けるんだろう
私の光り輝く太陽だった息子はもうどこにもいない
自力で這い上り、乗り越えようとする気力もなく、生きる屍のよう
屍には何も響かない、声も届かない
こちらからどれだけ助ける手を伸ばしても、全く見えていない
私は多分、息子を助けることが出来ないんだろう

だって、彼は、男だから
他の男たちと一緒で、現実を受け入れて、乗り越えて、対処する能力を持ち合わせていないから

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