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第60回『欲に正しさは必要ですか』




●朝井リョウ『正欲』

あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ――共感を呼ぶ傑作か、嫌悪感溢れる問題作か? あなたの想像力の外側を行く気迫の書下ろし長篇。



●朝井リョウ
1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『何者』で第148回直木賞、2014年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。他の小説作品に『チア男子!!』『星やどりの声』『もういちど生まれる』『少女は卒業しない』『スペードの3』『武道館』『世にも奇妙な君物語』『ままならないから私とあなた』『何様』『死にがいを求めて生きているの』『どうしても生きてる』『発注いただきました!』『スター』、エッセイ集に『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』がある。(*新潮社『正欲』特設ページに記載のプロフィールより引用)


 1.高橋みなみ…AKB48の元メンバー。チームAに所属し、AKB48グループの初代総監督を務めていた。著書である『リーダー論』は矢沢永吉『成り上がり』を彷彿とさせる内容であり、テン年代重要作品の一つ。
朝井リョウ氏とはニッポン放送『ヨブンのこと』(2017~2021)でパーソナリティとして共演していた。


2.加藤千恵…歌人、小説家。北海道旭川市出身。10代から発表している短歌を枡野浩一らに高く評価され、01年、当時17歳で発表した短歌集『ハッピーアイスクリーム』はベストセラーとなった。
朝井リョウとは『朝井リョウ&加藤千恵のオールナイトニッポン0(ZERO)』(15~16)でパーソナリティとして共演していた。


3.大森靖子… 【型破りというより型などいらん、なぜなら"超"歌手だから。
アイドルじゃないのにアイドルフェスにでたり、フジロックのステージにアイドルをあげて一緒に歌ったり、自殺防止イベント、花見、そのへん、寺、映画をつくり映画館を巡るなど、だいたいどっかでギター一本持って歌い毎日をゲラゲラ手作りしていると知名度が上がりメジャーデビュー直後2014年11月26日、道重さゆみさんモーニング娘。卒業。2017年道重再生するやいなや大森靖子自身体調も気分もお人柄もよく大絶賛活動中。

楽曲提供、『ビバラポップ!』フェスプレゼンター、バンド新🌏z(シン・ガイアズ)、ミスiD審査員、"Zone Out of Control=孤独を孤立させない" をコンセプトに"共犯者"としてメンバーと共にステージに上がりながらプロデュースする『ZOC』始動。
日替わりナナちゃんコレクションシール配布、DM神社、子育て連載、エッセイ本『超歌手』(毎日新聞出版)の刊行など、多方面に渡り常に1対1の愛の才能を発揮。】(公式HPプロフィールより引用


4.ヒャダイン(前山田健一)…作曲家、音楽プロデューサー。歌手やタレントとして活動する際はヒャダイン名義を用いている。前山田健一名義での作編曲、楽曲提供の幅は広く、女性アイドルグループに限っても、【ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学、でんぱ組inc、GANG PARADE、こぶしファクトリー、アンジュルム、Juice=Juice、SUPER☆GiRLS、ベイビーレイズJAPAN】などと多岐にわたる。


5.『武道館』…朝井リョウ作の小説。『別冊文藝春秋』2014年9月号 - 2015年3月号連載。架空の女性アイドルユニット「NEXT YOU」を主人公にした作品であるが、テレビドラマ版ではハロー!プロジェクトのアイドルJuice=Juiceが主演を務め、同グループのメンバーは「NEXT YOU」のメンバーを演じつつ、現実社会でもNEXT YOUとしてライブ・握手会・テレビ出演・動画配信などの活動を行った。


6.穂村弘…日本の歌人。歌誌「かばん」所属。加藤治郎、荻原裕幸とともに1990年代の「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。批評家、エッセイスト、絵本の翻訳家としても活動している。(wikipediaより
エッセイストとしては、自身の情けなさ、世界に憧れつつ入っていけない「世界音痴」としての日々を赤裸々に綴ったものが人気を博している。


7.吉田修一…小説家。1997年、「最後の息子」で、第84回文學界新人賞を受賞し、小説家デビュー。同作で、第117回芥川龍之介賞候補。2002年、『パレード』で、第15回山本周五郎賞を受賞。同年には「パーク・ライフ」で、第127回芥川龍之介賞を受賞。純文学と大衆小説の文学賞を合わせて受賞したことで話題になった。

若者の都市生活を描いた作品が多かったが、殺人事件を題材にした長編『悪人』で2007年に第61回毎日出版文化賞と第34回大佛次郎賞を受賞。2010年、『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞を受賞。2019年、『国宝』で第69回芸術選奨文部科学大臣賞と第14回中央公論文芸賞を受賞。
2016年、芥川龍之介賞の選考委員に就任。(wikipediaより
本編で話している「吉田修一っぽさ」というのは『悪人』以降の作風、特に本作は『犯罪小説集』の影響があるのでは?と予想される。



8.『おっさんずラブ』…2016年からテレビ朝日系列において放送されているテレビドラマシリーズである。本作のプロデューサーである貴島彩理、神馬由季、松野千鶴子の3人は女性であり、このうち貴島は単発版が初のプロデュース作品である。本作は貴島が大学時代に友人の世話になった際に感じた「なぜ彼女と結婚してはいけないのか」という気持ちから着想を得られたものであり、そこから「働く今どきの男女の恋愛観」や「『好き』や『結婚したい』という感情は何か」というテーマへと発展していった。(wikipediaより引用



9.ゆたぼん…小学生Youtuber。2017年、当時通っていた小学校で、宿題をしていなかった事をきっかけに担任教師とトラブルになり不登校になった[1]。この事が契機となり小学校に通わないことを決意し、YouTubeで「不登校は不幸じゃない」、「俺が自由な世界を創る」、「人生は冒険や」といったメッセージを発信するようになった。

不登校になってからおよそ1年が経った2018年、長女を除いた家族そろって沖縄県宜野湾市に移住。そして、2019年5月に、ゆたぼんの活動が琉球新報の5日付の記事に取り上げられたことをきっかけに、ネット上で賛否両論の声が上がったり、YouTubeチャンネルの登録者数が激増した他、複数の大手メディアで取り上げられた。(wikipediaより引用)。



*以下、作品のネタバレなどを含む記述がございます。ご注意ください。






●本編で話している【印象に残っているシーン】

・『正欲』 p134, 河原の岩から飛び込んで死んだ修のことを思い返す桐生夏生、佐々木佳道の会話。

「自覚してるもんね。自分たちが正しい生き物じゃないって」
「いつか、何かのきっかけで、これまで築いてきたものなんて全部壊れるだろうって思ってるもんね、私たちは」

p323, この世界で生き抜くために、一緒に手を組みませんか。契約結婚した夏生と佳道。興味本位で性行為に及ぶことに。
「なんか人間って、ずっとセックスの話してるよね」
それはきっと誰にも本当の正解が分からないからだ。この世なんてわからないことだらけだ。だけど、まとも側の岸に居続けるには、わからないということを明かしてはならない。
・『正欲』p332, 大学生 神戸八重子、諸橋大也の会話。

「自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」「どんな人間だって自由に生きられる世界を!ただしマジでヤバイ奴は除く」

「そうやって全部生まれ持ったもののせいにして、自分が一番不幸って言ってれば良いよ」「異性愛者だって歯ぁ食い縛って、色んな欲望を満たせない自分とどうにか折り合いつけて生きてんの!」

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