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第100回『あたしは一生記憶に残るような毎日を過ごしたいと思うわ』


・「天使なんかじゃないの回〜」…心の砂地第5回『僕たちは天使なんかじゃない』を指す。(2020年3月配信。)

・『あたしは一生記憶に残るような毎日を過ごしたいと思うわ』…谷川流の小説『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場するセリフ。

・「熱は散らばってしまうから〜〜」…小沢健二の1stアルバム、『犬は吠えるがキャラバンは進む』のライナーノーツにインスパイアされた考え方だと推察される。以下、同作より引用。

【まず僕が思っていたのは、熱はどうしても散らばっていってしまう、ということだ。そのことが冷静に見れば少々効率の悪い熱機関である僕らとかその集まりである世の中とどういう関係があって、その中で僕らはどうやって体温を保っていったらいいのか?(このへんの下りは暇な人には考えてもらってもいいけど、暇じゃない人にはどうか読み流してもらいたい。こんなライナーノーツは全く、僕が好きな蛇足というやつに過ぎない。)
またある点で物事の性質がクリッと音をたてて変わるというのはどういうことなのか? それにもの凄くスピードの違うものがあるということは? などなど悩み盛りの若者らしく様々考えていたりする一方、それにしても友達はうざったそうに鏡を見てるし、どこかへ出かければ楽しいし、夜更けにリズムやメロディーはほんとに心に突き刺さる。
しかもそういうことと前に述べたようなこととは全く無関係ではないらしい。一体どういうことなんだ? 
ある友達の女の子が出来たばかりのこのアルバムのカセット・テープを聴いて、何かゴスペルみたいねと言った。
その時僕は即座に言わなくてもいい軽口の2つ3つをたれ流してその場をごまかしたんだけど、本当はその子をぎゅーっと抱きしめてしまいたかった。どうかこのレコードが自由と希望のレコードでありますように。
そしてこのCDを買った中で最も忙しい人でも、どうか13分半だけ時間をつくってくれて、歌詞カードを見ながら"天使たちのシーン"を聴いてくれますように。
ついでに時代や芸術の種類を問わず、信頼をもって会いに来た人にいきなりビンタを食らわしたり皮肉を言って悦に入るような作品たちに、この世のありったけの不幸が降り注ぎますように。
しつこいけど、こんな風に書き連ねているたわ言は、本当にただの性急なる僕の無駄口にすぎない。
よくCDを買うとついてくる指人形やなんかのオマケと一緒である。
この風変わりなオマケをしめくくる前に唯一言うべきことがあるとすれば、このレコードに関わってくれた人達への感謝だと思う。
特に一緒に演奏をしてくれた人達には、巨大かつ不気味なキスと共に捧げたい。どうも有難う。
誰もが知っていることだ けど、夜が明ける朝は必ず来る。
もし朝が来て眩しすぎて嫌になってしまったら、それでもしその日休むことができたら、夕方まで寝てしまってから起きて散歩にでも行くかお酒でも飲むことにしよう。
僕がこのCDに望むのは、車の中や部屋の中やお店の中で、小さな音ででもいいから何回かかけられることだ。
歌詞なんかうろ覚えのままで口ずさんでもらったりすることだ。キャラバンは進むし、時間だって進んでいく。
いつか近くで僕がライブをやることがあったら、来て一緒に歌ったり、踊ったりして欲しいと思う。】

●次回からは、「心の砂地#」で配信させていただきます。

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