見出し画像

第63回『誰かの夢のつづきを』

・「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(84)
…製作:スタジオぴえろ(制作:スタジオディーン)

※84年:高橋留美子(当時27歳)、押井守(当時33歳)

あらすじ:学園祭を翌日に控え、準備に大忙しの友引高校。あたるたちも学校に泊まり込んで作業に追われていた。そんな中、あたるたちの担任・温泉マークと養護教員のサクラは、学園祭の前日が延々と繰り返されていることに気付き、全員に帰宅を命じる。しかし、友引町はすでに異常事態に陥っていた。

https://eiga.com/movie/34968/
(映画.com作品解説より引用)

◇後世の「タイムリープもの」に大きすぎる影響
・「涼宮ハルヒの憂鬱」『エンドレスエイト』(09)

・ 『魔法少女まどかマギカ』(11)


・本広克行『サマータイムマシン・ブルース』(05)
∟ヨーロッパ企画『サマータイムマシン・ブルース』(01)

◉1984年のアニメ映画 (5分)
・『風の谷のナウシカ』(宮崎駿:トップクラフト)

・『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(石黒昇、河森正治:竜の子プロダクション)


・『綿の国星』(辻伸一:虫プロダクション)…原作:大島弓子

===================
《アニメ映画の歴史》
74年「宇宙戦艦ヤマト」TVシリーズ放映、打ち切り。再放送を中心にブームに。
77年「宇宙戦艦ヤマト」劇場版(TVシリーズの総集編)
78年「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」
79年『ルパン三世 カリオストロの城』

81年〜82年『機動戦士ガンダム』劇場版3作
===================

・高橋留美子サイドの証言(84)
高橋:悪かったら、関係を否定しますよ、私は(笑)。
平井:「ビューティフル・ドリーマー」はどっちですか?
高橋:あれはあれで押井守さんの『うる星やつら』、私のじゃないということね。
平井:なるほど。
高橋:『オンリー・ユー』なんかは手を叩いちゃったんですけど、あの後で見るとちょっと難しいというか。私は子供のためのアニメや漫画が好きだということですから……押井さんというかたの才能は充分に認めているんだけれども、これは私のじゃないという気持ちが付きまとうんです。

徳間書店『語り尽くせ熱愛時代』(84)高橋留美子・平井和正 より引用


☆高橋留美子
57年、新潟生まれ。
1978年『勝手なやつら』でデビュー。(当時20歳)
代表作は『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』など。
その独特の世界観はしばしば「るーみっくわーるど」と称され、作品集のタイトルにも用いられている。
単行本の世界累計発行部数は1995年に1億部、2017年には2億部を突破。

◆「1984年の高橋留美子」

・長編連載:「うる星やつら」サンデー、「めぞん一刻」スピリッツ。


・82年「闇をかけるまなざし」(「るーみっくわーるど1」、「高橋留美子傑作短編集2」収録)…シリアスな短編、第1作

80年〜81年に連載、大友克洋「童夢」の影響。

・83年「笑う標的」(「るーみっくわーるど1」、「高橋留美子傑作短編集2」収録)…シリアスな短編、第2作

諸星大二郎『妖怪ハンター』「赤い唇」(74:週刊少年ジャンプ)
     「袋の中」(78:アダムの肋骨(奇想版)描き下ろし)の影響。

★押井守
代表作は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(95)『機動警察パトレイバー』(88)など。

51年、東京都大田区生まれ。1977年竜の子プロダクションに入社。(当時26歳)『一発貫太くん』や、『ヤッターマン』で演出デビュー。

79年、『科学忍者隊ガッチャマン』の鳥海永行に続く形でスタジオぴえろに移籍。テレビアニメ『ニルスのふしぎな旅』のレギュラー演出家として鳥海の下につく。

81年、テレビアニメ『うる星やつら』のチーフディレクター(監督)に抜擢。

83年、劇場版第1作『うる星やつら オンリー・ユー』で監督としてデビューする。
∟テレビシリーズも並行して作成、4ヶ月で完成まで。一児の父となるが、同時期に離婚。

84年、劇場版第2作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』ではキネマ旬報読者選出ベスト・テン第7位(邦画)を記録し、アニメ監督として頭角を現す。(当時33歳)
その後、TVシリーズ『うる星やつら』を降板すると同時にスタジオぴえろを退社。
∟ほどなくして再婚。

85年、『天使のたまご』…三年間干される 。
※宮崎駿に指名された「押井版ルパン三世」がその前に頓挫。

89年、アニメーションの監督としてh『機動警察パトレイバー the Movie』にて復帰、レイアウトシステムを確立。


・相米慎二『ションベン・ライダー』(83)


◇「アニメを映画にする方法」の参考作品

出崎統『劇場版エースをねらえ!』(79)

※余談…宗方コーチは新海誠『すずめの戸締り』(22)の宗像の元ネタ。

・押井守、出崎演出完コピのうる星やつらTVシリーズ43回(66話)
「ニャオンの恐怖」(82年9月22日放送)


・うる星やつらTVシリーズ78回(101話)
「みじめ! 愛とさすらいの母!?」(83年7月27日放送)
 ∟バーゲンセールで頭を打ったあたるの母が夢の中を繰り返す話。

終わらない日常、へのアンサーとしての高橋留美子『人魚シリーズ』(84〜94)
《人魚の肉を食べたことにより永遠の生を生きることになった青年・湧太と少女・真魚の運命を描いた伝奇シリーズ》



一作目「人魚は笑わない」(84)…週刊少年サンデー増刊  8 - 9月号


◇《#kokosuna掲示板》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここすなリンク集→https://lit.link/kokosuna
Mail: kokoronosuna@gmail.com
https://twitter.com/kokosuna
https://twitter.com/lno_glK
https://twitter.com/zamboni627


記事執筆、ポッドキャスト収録に関わる参考資料の購入などに充てさせていただきます。